リクガメを飼育する上で、餌は健康を大きく左右する重要な要素です。
野草はリクガメにとって栄養満点!
しかし、種類によってはリクガメに害を及ぼすものも存在します。
そこで今回は、リクガメに与える野草について、季節ごとのおすすめ野草、注意点と、与えてはいけない野草について解説していきます。
リクガメが野草を食べるメリット
野生のリクガメは年間100種類以上の植物を食べていると言われています。
飼育下でも、野草を食べることには多くのメリットがあります。
野生環境に近い食事
野草はリクガメの野生環境に近い食事を提供できます。
飼育下ではどうしても単調な食事になりがちですが、野草を取り入れることで、多様な栄養素を摂取することができます。
偏食予防
リクガメは好き嫌いが激しい動物です。
同じエサばかり与えていると、特定のエサしか食べなくなってしまう「固執」や、突然そのエサを食べなくなる「飽き」といった偏食に陥る可能性があります。
野草は種類が豊富なので、食事のバリエーションを増やすことができ、偏食予防に効果的です。
栄養価の高さ
野草はリクガメに必要な栄養素を豊富に含んでいます。
リクガメフードは、リクガメにとって繊維質や水分が少なかったり、タンパク質が多かったりする場合があります。
一方、野草は栄養バランスに優れており、リクガメの健康維持に役立ちます。
経済的
野草は無料で手に入れることができます。
リクガメフードや野菜を購入する費用を抑えることができるのは大きなメリットです。
リクガメにおすすめの春夏の野草
春夏は多くの野草が採れる季節です。
ノゲシ
キク科に属する一年草で、リクガメの春の野草としては最も一般的なものになります。
日本を含むアジアやヨーロッパの広い範囲に自生しており、道端や荒れ地によく見られます。
特徴は、春から初夏にかけて黄色い花を咲かせることです。
花はふつう小さく、花びらは細く放射状に広がります。
ノゲシの葉は、羽状に切れ込んでおり、葉の形はややとがっていて、根元に向かってロゼット状に広がります。
ノゲシは日光が多く当たる場所でよく見られ、庭や道端、公園、農地の周辺などに広く生えています。
成長が早く、一つの株から多量の収穫が可能です。
茎を折ると白い液が出るため、収穫時は袋を用意すると良いでしょう。
ヤヘムグラ
ヤエムグラ(八重葎)は、アカネ科に属する日本全土に自生する植物です。
主に1年草または越年草として成長し、5月から6月にかけて小さな花を咲かせます。
この植物の茎は特徴的で、稜があり、それに沿って下向きの棘がついているため、他の物体や衣服に引っかかりやすいです。
この性質から、「くっつき虫」とも呼ばれることがあります。
葉は茎の周りに輪生し、茎自体は柔らかく、長さが60から90cmにもなります。
見た目はザラザラしておりますが食べにくそうな気もしますが、リクガメが食べると意外と人気があります。
また、密生して生えているため、一度に多量を収穫することが可能です。
成長が速く大量に採取できるので、見つけたら主食として利用できる野草です。
リクガメにおすすめの夏の野草
リクガメが食べられる野草は、なんと500種類以上もあると言われています。
しかし、その全てがリクガメに適しているわけではありません。
夏は、春に次いで多くの野草が採れる季節です。
シロツメクサ、タンポポ、ハコベなど、リクガメが好む野草も多く見られます。
シロツメクサ(クローバー)
マメ科の植物で、リクガメが好んで食べる野草です。
タンパク質、カルシウム、ビタミンなどを豊富に含んでいます。
タンポポ
キク科の植物で、こちらもリクガメが好む野草です。
ビタミンA、C、カリウムなどを豊富に含んでいます。
西洋タンポポは苦味がありますが、好きなリクガメも多いようです。
ハコベ
ナデシコ科の植物で、カルシウム、ビタミンA、Cなどを豊富に含んでいます。
夏に野草を採取する際には、熱中症や虫刺されに注意しましょう。
リクガメにおすすめの秋冬の野草
秋冬は多くの野草が枯れてしまうため、リクガメに与えられる野草の種類は限られてしまいます。
ヤブガラシ
ヤブガラシは、日本を含むアジアや北アメリカの湿地や水辺、湿った林床などに自生する植物です。
この植物は特に湿った環境でよく見られ、茎が直立または斜めに伸び、高さは30cmから1m程度になります。
ヤブガラシの葉は互生し、形状は披針形から卵形、縁には粗い鋸歯があります。
夏から秋にかけて、小さな黄色い花を咲かせます。
ヤブガラシは主に温暖な季節に成長し、特に春から夏にかけて旺盛に育ちます。
地域の気候やその年の気象条件にも依存しますが、一般的には冬季には生育が鈍りますが秋冬に見られることもあります。
オニタビラコ
キク科の植物で、一年を通して見られる野草です。
冬でも比較的見つけやすいでしょう。
ホトケノザ
シソ科の植物で、こちらも冬に見られる野草です。
冬の間は野草だけでなく、小松菜やチンゲン菜などの野菜もバランスよく与えましょう。
与えてはいけない危険な野草。一年通して絶対にNG!
リクガメに与えてはいけない野草は、季節を問わず存在します。
(1)スイセン: 全草に毒があり、特に球根に毒性が強い。
(2)ヒガンバナ: 全草に毒があり、特に球根に毒性が強い。
(3)アジサイ: 葉に青酸配糖体を含み、中毒症状を引き起こす。
(4)スズラン: 全草に毒があり、心臓に作用する毒が含まれている。
(5)カタバミ: シュウ酸を多く含み、カルシウムの吸収を阻害する。
上記以外にも、リクガメに与えてはいけない野草はたくさんあります。
野草を与える際には、必ず図鑑などでリクガメが食べても安全な種類かどうかを事前に確認しましょう。
「分からなければ与えない」が鉄則です。
以下の記事では与えてはいけない野草をさらに詳しく解説しているのでこちらもご確認ください。
野草を与える上での注意点
リクガメに野草を与える際には、以下の点に注意しましょう。
採取場所
除草剤や排気ガス、動物の糞尿などで汚染されていない場所を選びましょう。
道路脇や公園などは避けたほうが無難です。
洗浄
採取した野草は、流水でよく洗い、土や汚れを落としてから与えましょう。
種類
リクガメが食べられる野草かどうか、必ず確認してから与えましょう。
量
野草はあくまでもおやつ程度に与え、主食はリクガメフードや野菜にしましょう。
個体差
リクガメによって、野草の好みは異なります。
色々な種類の野草を試してみて、好みの野草を見つけましょう。
リクガメに野草を与える方法【まとめ】
いかがでしたか。
今回はリクガメに野草を与える方法について解説しました。
野草はリクガメにとって、野生環境に近い食事を提供できると同時に、偏食予防にも効果的な優れた食材です。
しかし、与える際には注意すべき点も多いので、しっかりと知識を身につけてから与えましょう。