現在クレステッドゲッコーを飼いたいと思っている方のために、ケージの大きさ、床材、紫外線ライトの有無などの飼い方、クレステッドゲッコーの特徴として尻尾の自切などに対しての注意点などを解説しています。
初心者向け、爬虫類飼育の入門種と言われている理由としては、ハンドリングのしやすさや人慣れのしやすさなどがあると思いますが「初心者向け」だから「簡易な設備で容易に飼育が出来る」とは限りません。
クレステッドゲッコーについて具体的に説明していますので、お迎えを検討されている方はぜひとも参考にされてみてください。
Contents
クレステッドゲッコーの飼い方は?
初心者向けでまつげがかわいい!と人気のクレステッドゲッコーの飼い方を説明していきます。
*ケージについて
クレステッドゲッコーは樹上棲のヤモリになります。
壁に引っ付いて移動したり、多くの時間を過ごすので飼育ケージは通常の爬虫類用ケージや水槽と違って、高さがあるものを選ぶと良いでしょう。
このとき、高さはクレステッドゲッコーの体長の2倍以上はあった方が良いとされているため、40㎝以上あるものを選ぶようにしましょう。
これはクレステッドゲッコーだけには限りませんが、爬虫類は自然界で過ごす際には鳥など頭上からの敵を警戒することが多いため、上が空くタイプのケージは向かないと言われています。
中には上空きのタイプのケージでも警戒しない個体もいます。実際に我が家にいる爬虫類3匹は上空きでも警戒する様子がなかったため、上空きのケージで飼育しています。
しかし、クレステッドゲッコーなどのヤモリ科の爬虫類はどこまでも上に上がれるため、脱走などのリスクがありますし、クレステッドゲッコーのケージは高さがあるためメンテナンスのしやすさを考えても、前開きタイプの縦長ケージを使用するのがベターかと思います。
具体的には、クレステッドゲッコー1匹であれば、幅30㎝×高さ45㎝くらいのケージが最適だと言われています。
*ライト関係
飼育する爬虫類が昼行性の場合は必ず紫外線ライトが必要になりますが、クレステッドゲッコーの場合は夜行性なので、基本的には紫外線ライトは必要ありません。
しかし、一説によると夜行性の爬虫類を飼育する場合でも、発色や個体のカルシウム生成、昼夜のメリハリ等の関係で、紫外線ライトを使用するべきとも言われています。
また、クレステッドゲッコーを飼育される方の中にはレイアウトで植物を入れている方もおられるため、この場合は紫外線ライトが必要になります。
もし、紫外線ライトを使用する場合は、放出されている紫外線が弱いものを使用する方が良いかと思います。
また「毎日は必要がない」という声が多いので、数日に1日程度の頻度でつけてあげると良いかもしれません。
*床材
床材はキッチンペーパーやペットシーツなどメンテナンスが簡単なものを選ぶ方もおられれば、ヤシガラやバークチップなどを選ばれる方もおられます。
ヤシガラやバークチップは見栄えも良く、水分を含みやすいので、高湿度を好むクレステッドゲッコーには最適の床材かと思います。
キッチンペーパーやバークチップに比べてキッチンペーパーやペットシーツなどは、メンテナンスの楽さはありますが、前者に比べると保湿しづらいですし、見栄えも劣ってしまいます。
また、シェルター内には湿らせた水苔などを敷いておくとケージ内の広い部分より高湿度な場所を作れるため、クレステッドゲッコー自体が好みの場所を選ぶことが出来ます。
*温度、ヒーター
クレステッドゲッコーの飼育適温は25~32℃と言われています。
寒さには弱いため、冬はヒーターを入れて暖かい場所(ホットスポット)を作ってあげると良いかと思います。
通常、ほとんどの爬虫類は電球型の保温球などを使用する場合が多いですが、クレステッドゲッコーの場合は飛びついてヤケドをする可能性があるため、パネル式のヒーターをケージの側面に張り付けたり、下に敷くと良いです。
それでも温度が足らない場合は、ケージ外の上から照射するタイプの保温球を使用したり、エアコンで管理する方法があります。
*餌の種類と頻度
クレステッドゲッコーは自然界では果実をなめたりすることもありますので、側面に貼り付けることが出来るエサ入れに人工飼料や果実などを入れておいたり、人慣れしている個体はスプーンから直接舐めてくれる個体もいるようです。
その他に、餌虫になるコオロギやデュビア、レッドローチをピンセットで与えたり、ケージ内に入れておく方法がありますが、クレステッドゲッコーは果実を舐める習性があることから、クレステッドゲッコー専用の人工飼料で終生飼育できることの方が多いようです。
エサ入れを使う場合は、必ず毎日洗って清潔にしてくださいね。
エサの頻度はアダルト個体で3日に1回、腹八分目くらいにして肥満を防ぐようにしてください。
*水分補給
クレステッドゲッコーも水分補給がとっても大切になります。
上でも話したエサ入れに水を入れておくのも良いですが、中にはそれを水と認識できない個体もいますので、その場合は壁に向けて冬で1日1回、乾きやすい季節では1日2回の霧吹きをしてあげてください。
壁についた水滴が滴り落ちることで、水と認識しやすくなるようです。
クレステッドゲッコーの特徴と飼育する際の注意点!
それでは、クレステッドゲッコーの特徴と飼育する際の注意点をご説明していきます。
*尻尾の自切に注意
クレステッドゲッコーは動きが遅く、ハンドリングが容易であることも魅力の1つです。
しかし、強く握ったり、無理にハンドリングをするなどストレスを与えてしまうことで、防衛本能から自分でしっぽを切り離してしまう「自切」という行為に出ることがあります。
クレステッドゲッコーは再生尾を生やすことが出来るヒョウモントカゲモドキとは違い、自切した尻尾は一生生えてきません。
そのため、個体にストレスを与えないように気を付けて触れ合いましょう。
*威嚇で鳴き声を出す
爬虫類はあまり鳴き声を出しているイメージはありませんが、クレステッドゲッコーは威嚇などの際に鳴き声を出すことがあります。
響き渡るほどの大声ではありませんが、少々びっくりするくらいのボリュームで鳴くので、もしクレステッドゲッコーが鳴いたら「何かしら嫌なことがある、嫌なことをしてしまった」と認識してあげるようにしましょう。
*意外と長寿
クレステッドゲッコーの寿命は7~10年と言われ、ちゃんと飼育が出来ていれば10年以上長生きする生き物です。
そのため、最後までちゃんと飼育できるのかどうかをしっかりと考えてから飼うようにしてください。
*様々なモルフがある
爬虫類には「モルフ」と呼ばれるカラーや模様があり、クレステッドゲッコーはモルフが多いのが魅力の1つになっています。
そのため、即決で決めるのではなく、しっかりと吟味して自分の好みにあう個体を探すと良いかと思います。
クレステッドゲッコーが初心者向けと呼ばれる理由は?
クレステッドゲッコーが初心者向けの爬虫類として有名ですよね。
初心者向けと呼ばれる理由は様々あると思いますが、以下の点が多な理由かと思います。
・動きが遅く、ハンドリングが可能
・比較的丈夫な生き物
SNSなどを見ていると「初心者向けだって聞いて、衝動買いしちゃった!」なんて投稿を見かけることも多いです。
ですが、クレステッドゲッコーも立派な命。
しっかりと設備をそろえてあげてからお迎えしてあげてください。
また、爬虫類飼育において温度管理と湿度管理は命を左右する重大な問題になります。
温度管理をするためだけには、ヒーターだけではなく、温度の上がりすぎや下がりすぎを防止する「イージーサーモ」「タイマーサーモ」などの機械も必要ですし、住んでいる地方によっては年中エアコンで管理しなければ賄いきれない場合も出てきます。
実際、筆者の家には3匹の爬虫類がいますが、初夏~秋、初冬~春先までは完全にエアコンを24時間稼働しっぱなしになります。
当然、通常の一人暮らしの方に比べると電気代がずば抜けてかかります。
そういった面も考慮して、安易に「初心者向けだから大丈夫でしょ!」とならないように注意してください。
クレステッドゲッコーの飼い方や注意点は?【まとめ】
今回は、爬虫類の入門種と呼ばれるクレステッドゲッコーについてご説明しました。
クレステッドゲッコーはそのまつげが生えているような目と、動きが遅くハンドリングが容易であること、人慣れしやすくスプーンや手から餌を食べてくれる個体がいることなどが魅力だと思います。
しかし、一度飼育をはじめれば7~10年以上一緒に生活をしていくことになります。
そのため、「かわいい!飼いたい!」と思っても、まずは「自分が生涯責任をもって飼育することが出来るか」「必要な設備はちゃんと揃えてあげられるか」などしっかりと考えてからお迎えするようにしましょうね。