アクアリウムをやっていると避けて通れないのが、コケの問題です。
ガラス面に生えたものはスポンジやスクレーパーで落とすことができますが、厄介なのは水草などに生えてしまったコケです。
そんなときに活躍してくれるクリーナーフィッシュのひとつが、オトシンクルスです。
ところが、せっかく導入したオトシンクルスが、導入してから数時間~数日で死んでしまった、という話を聞くことがあります。
きちんと水合わせを行うことによって、防げる場合がほとんどです。今回は、オトシンクルスの水合わせについて御紹介します。
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オトシンクルスの突然死
オトシンクルスが、導入直後に突然死んでしまう場合、暴れるように泳ぎ回ってからぐったりして死んでしまった、というケースがほとんどです。
導入直後にこのような動きを見せた個体は、その場では落ち着いたように見えても数日後に死んでいることが多くあります。
どんな場合でも、水槽に入れた直後は落ち着かず暴れまわることはあるのですが、その直後に死んでしまう場合はかなり激しく動きます。
これは、水質の急変に耐えきれない場合に見られる症状です。
よく、pHショックなどと呼ばれる症状もこのひとつと考えることができます。
水質の急変に耐えきれなかった場合、体への負担がかなり大きく、その場ではなんとか生き延びられても数日後に死亡することが珍しくありません。
ひとしきり暴れた後、ぼうっとしたようにぐったりとして動かなくなることもあります。
この場合、残念ですが助ける術はありません。
水質の急変によるショックを受けた個体に、後から何かケアをしても、手遅れになってしまう場合はほとんどです。
そのため、水質の急変によるショックを受けないように導入することが大切になります。
そこで重要なのが、水合わせです。
水合わせに失敗すると前述のような症状で死んでしまうケースもありますので、慎重に行いましょう。
オトシンクルスの水合わせの方法
水合わせと水温合わせは別物
熱帯魚を水槽に入れる際に使われる、「水合わせ」という技術をご存じでしょうか。
よく、買ってきた魚を袋ごと水槽に浮かべる方法が紹介されますが、これは袋の中と水槽の水の温度を合わせる「水温合わせ」です。
水温を合わせることももちろん大切なのですが、それと同じくらい大切なのが水質を合わせることです。
買ってきた魚を自分の水槽の水に慣れさせる作業のことを、水合わせといいます。
水合わせの方法は人それぞれで、魚の種類によってやり方を変えるケースもあるのですが、ここでは私が自分でやっているやり方をご紹介します。
オトシンクルスを袋ごと小さなプラケースに移す
まず、買ってきたオトシンクルスを袋ごと小さなプラケースに移します。
私の家には100円ショップで売られている小さな透明プラスチックの虫かごがたくさんあるのでそれを使っていますが、バケツでも何でもいいでしょう。
ただし、飛び出すことがあるのでフタのようなものは乗せておいた方が安心できます。
プラケース中の水を少し捨てて飼育水槽の水を入れる
次に、計量カップを用意してプラケースの水を少し捨てます。
目安としては、最初の水量の1/5程度の水を捨てます。
このとき、捨てる水は飼育水槽には入れません。
そして、捨てたのと同じ量の水を飼育水槽からくみ取ってプラケースに移します。
5~10分ごとに同じ作業を繰り返す
5~10分後おきに同じ作業を繰り返し、プラケースの水がすべて飼育水槽の水と置き換わるころに、魚だけを網ですくって飼育水槽に移します。
オトシンクルスに限らず、ほとんどの魚はこれで十分な水合わせができているはずです。
むしろ、ここまで慎重にならなくても大丈夫なケースが多いのですが、やっておくに越したことはありません。
オトシンクルスの水合わせ【まとめ】
オトシンクルスは、それ自体の飼育を楽しむ目的よりも、水槽のコケ取りのために飼われることの多いクリーナーフィッシュです。
そのため、つい主役級の魚よりも軽視されてしまいがちですが、十分に活躍してもらうためには、日ごろの御世話の手抜きは禁物です。
最初の水合わせをしっかりと行い、万全の体調で飼育水槽に導入したいですね。