サメは約500種類いますが、種類により子供の産み方はそれぞれ。
卵のものやまるで人や哺乳類のようにおなかの中で赤ちゃんを育てるものもいます。
今回取り上げるネコザメは卵を産むサメです。
卵はどうやって産むのか?
どれくらいの期間で生まれるのかまた変わっている卵の形や、サメの卵の不思議な特徴について解説していきます!
ネコザメの卵の産み方
学生時代、ネコザメの産卵を目撃しました。
それは水族館でのアルバイトをした時のできごとです。
見たのは水族館ではよくあるタッチプールです。
ネコザメを触れるコーナーが用意され、私はそこで解説をする仕事を担っていました。
ある日、おとなしいはずのネコザメが、急に体をくねくねくね左右に振り回すように動かしだしたのです。
「え、どうしたの!?どうしたの!?」
見たことのないネコザメの動きに私は解説の余裕などなくなっていました。
お客さん以上に私のほうが想定外すぎてびっくりしながら様子を見ていると、ころんと一つの昆布のような色あいの固体がネコザメの尻びれ近くにある排泄部からでてきました。
ドリルのような形をしたそれは間違いなくネコザメの卵で、それを見て、ようやく産卵をしたのだと理解ができました。
ネコザメの卵の形がドリルみたい!その理由は?
ネコザメの卵の形は、画像をみるとわかりますが、ドリルのような形になっています。
ちょっと変わった形をしています。
これは、卵に出っ張りを設けて、岩の間に産んで引っ掛かかるようにして、危ない場所に流されて行かないようにするためだと考えられています。
というのもネコザメの場合、卵を産んだらそのあと子育てはしません。
鳥とは違います。
それでもただ放置するわけではなく、卵が無事生れる確率を引き上げるために変わった卵の形をしているわけです。
かつ、これは目撃したことは無いのですが、卵を産んだ後、母ザメは卵を咥えて岩の隙間など流されない場所にねじ込みに行くそうです。
ネコザメの卵の育ち方
サメの卵は面白いことにいろんな部分が自動化されているハイテクなものになっています。
これはネコザメに限らず卵を産むサメに共通してくる種類の特徴ですが、卵の中の子ザメの成長に合わせながら卵のつくりが変わっていきます。
卵の隅に数箇所の呼吸に使われる孔が開きます。
また、孵化するときは、卵殻の出口を塞いでいた箇所が溶け、赤ちゃんが外へ出られるようになります。
ペンギンなどの鳥はヒナが自分で殻を割ったり親が割ってくれたりするわけですが、ネコザメなどのサメでは卵がうまれる時期になるとまるで自動ドアのように開いて赤ちゃんが卵からでる仕組みになっているのです。
ネコザメの卵は孵化するまで育てられる?
ネコザメが卵から孵化するまでは約1年の期間がかかります。
ただ卵はほっとけば育つというわけではないです。水槽内で行う場合、水温や水質の管理も大切です。特に水質面は意識して管理しないと卵の中で赤ちゃんは死んでしまいます。
たまに熱帯魚屋さんや問屋さんで見かけるので、興味がある人は飼ってみると、うまくいけばまさにネコザメの育ての親になれます。
生まれると、約20㎝程度の小さなネコザメが生れてきます。
このサイズ感は大人のネコザメを見たことある人からするとなかなかにかわいいです。
ネコザメの卵とは長い目で関わると面白い!
ネコザメはサメ飼育の世界ではポピュラーな生き物ですが、一般的にはなじみの薄い生き物だと思います。
さらにサメの卵を育てるというとネコザメの卵は産まれるまでの期間は約1年ですので、水槽の中で観察するにも長期間かかります。
ですが、もし生まれる瞬間含めて観察できると味わい深い体験ができますし、生まれた赤ちゃんを育てるという楽しみもあります。
また先ほど書いた卵が段階ごとに変化する話(自動ドア化するとか)はあまり詳しい話は聞いたことがありません。
夏休みの自由研究ならぬ、本気の自由研究としても面白い題材ではないかと思います(笑)