水族館でよく見かけるサメ、というと何種類かいますが、今回取り上げるネコザメは必ずと言っていいくらい展示がされているサメです。
よく展示されているということは飼育がしやすいということに言い換えることもできます。
一般家庭でもサメを飼育されている方はいます。
サメを飼育するのも無理でないということです。
私も子供のころ
「俺、サメ飼っているんだぜ!」
と自慢したいなぁとよく妄想したものです。
というわけで今回はネコザメの飼育方法について、どんな餌を食べるかなど解説していきます!
そして、ネコザメは名前にインパクトのあるサメですが、名前の由来はやはり猫顔からきているのでしょうか?
解説します!!
Contents
ネコザメの飼育には大きな水槽が必要になります!
ネコザメはサメの中では小型なほうですが、それでも大きくはなります。
自然界だと1mくらいの個体は普通にいます。
水槽のような限られた環境下だと、成長は止まるとされていますが、それでも普通の人の感覚からしたら大きい水槽は必要です。
目安は幅が120㎝以上の水槽です。
ですがこれでも他のサメよりかは必要な水槽サイズは小さい方です。
このネコザメの特徴の一つに「あまり泳がない」という点があります。
普段は水槽の底でジーッとしていることが多いです。
泳がない分、泳ぐスペースはそんなに必要ないわけです。
これがもしよく泳ぐサメなら最低でも3mくらいの水槽は必要になってきます。
私は飼育員やっていたとき、90㎝の水槽で1年くらい飼育していました。
それでも飼えなくはなかったですが、やはりすこし狭い印象があります。
長期飼育を考えるとあまりおすすめはしないです。
ネコザメは肉食!餌は魚介類
ネコザメは多くのサメたちの例に漏れず、肉食です。
飼育員時代は魚肉、エビ類、貝類などを与えていました。
餌付けでそんなに苦労したことは無いです。
与えれば普通に食べると思います。
一般家庭の人の場合、ネコザメ以外で水槽に別の生物を入れることは稀かもしれませんが、一応書いておくと同じくらいの大きさの生き物または複数匹でネコザメを飼う場合はどの個体にもまんべんなく与えることを意識しましょう。
ネコザメはとても温厚なサメです。
そのため他の生き物と喧嘩することも特にないのですが、温厚すぎてエサの取り合いには負けがちです。
餌の時もマイペースに食べることが多いため、全員がしっかり食べられているか見てあげないと取り合いに負ける個体はみるみるやせ細っていきます。
痩せ死ぬまで行くのはよほどの重症例です。
気づいたらしっかり食べさせてあげればよほどのことが無い限り死にません。
ネコザメの餌事情
注意はしておこう。ネコザメの餌を与える方法
先ほども書いたようにとても温厚なサメなので、自らに飼育者に危害を加えることはしません。
エサをくれることがわかってきたら、すりすり泳いで近づいてきてとてもかわいいです。
ただネコザメは貝を殻ごと噛み砕く力はもっています。
ネコザメに悪気はなくても本気で噛まれたら危険だと思います。
口に不用意に手を近づけない方が良いです。エサを与える時は大きめのピンセットなどを用意して与えるようにした方がよいでしょう。
また背びれをよく見てみると、とげがあることがわかります。
あくまで身を守るための体なので、刺してくることは無いですが、間違って刺さらないようには注意が必要です。
ネコザメは肉食なら魚介類以外の肉は食べるのか?推測してみた
映画の影響もあってか、サメは肉を食いまくる危険な生き物の印象ってありますよね。
それならば、魚介類以外の肉、たとえば牛肉や豚肉は食べるのでしょうか?
私は与えたことがないので、正直なんともいえないので推測になりますが、食べると思います。
ネコザメはあまり好き嫌いなく、与えた魚介類は基本食べていて、その様子からすると匂いにつられて普通に食べると思います。
ネコザメには魚介類以外の肉は与えないようにしましょう!
ただ、これも推測ですがそういった餌は与えないほうがよいと思います。
人間にも魚にも、消化に適した食料は決まっています。
細かくわけると、人間でも人種によって消化しやすい食料は決まっていますし、魚も消化に適した食料があります。
人間ではわかめや昆布といった海藻を例にすると、欧米人は消化しにくく、日本人は圧倒的に消化しやすい食料であることがわかっています。
これと同じように、ネコザメは普段海で陸上動物の肉は食べていないので、それらに適した消化酵素もないのではと推測できます。
おそらく匂いにつられてついつい食べるでしょうが、うまく消化できず消化不良をおこすかもしれません。面白半分で与えないようにしましょう。
ネコザメの名前の由来!ネコザメは本当に猫顔?
ネコザメというサメの名前の由来は、眼の上の骨のでっぱりが猫の耳に似ていることからネコザメと言われています。
私は学生時代に水族館のアルバイトでネコザメをしこたま解説してきたのでこの話も散々してきました。
でも本当にネコザメって猫に見えるでしょうか?
犬派より猫派であり、好みの女性の顔もかわいい猫顔の生粋猫顔好きの私には猫顔には見えないし、なかなか強引な名付け方してくるなと心の中で突っ込みまくっていました。
とはいえ、掘り起こすと猫に見えなくもありません。
今宵は全国の猫好きのみなさん含め、気になる方にネコザメの猫っぽさについて解説していきます!
猫顔は日本だけ?!英語では名前の由来が違うネコザメ
魚の名前を外国語と日本語で比較すると面白いことが起きるのですが、このネコザメもその例にはまります。
ネコザメの場合、英語では「Japanese bullhead shark(ジャパニーズブルヘッドシャーク)」です。そう、ブルヘッドということは牛の角を見立ててこの名前がついているわけですね。牛の角ってどこが?と言われたら“眼の上の骨のでっぱり”です。
不思議なことに日本では同じ特徴の部分を見て猫の耳と見立てていて、英語圏の人たちからすると牛の角に見立てているわけです。
私のセンスでみても、猫の耳よりかは牛の角のほうがしっくりくるなとも思います。
アメリカ人に間違ってキャットシャークなんて言おうものならどこかの厚切りジェイソン的な外国人から「Why Japanese People!!?」と発狂されることでしょう。
ネコザメにも猫っぽい特徴はある
とはいいつつ、ネコザメもといサメ類には猫と似た特徴があります。
詳しくは割愛ですが目にタペタム層という部分があって、夜間の光の少ない環境でも光をキャッチして、暗い世界でも行動ができるものです。
かわいい猫ちゃんは夜などにみると目が大きくてくりくりしていますよね。
私はそれをみるとあまりの可愛さに「にゃわっち!!!」と発狂しながらついつい飛びついてしまうこともありますが、ネコザメも実は夜や部屋を暗くした状態で観察すると目の黒目部分が大きくなります。
これは猫もサメも共通してタペタム層の特徴です。
この暗くても光をとらえる能力があるため、暗闇から私のような猫好きの変態に襲われてもカウンターでネコパンチを食らわせるなど適切な対応ができるわけです。
とはいえ、これは別にネコザメに限った特徴ではないしネコザメはネコパンチできないので、全国の猫好きのみなさんからすると大バッシング間違いないでしょう。
ネコザメを正面からみたらかわいい猫顔?
ネコザメは正面から見ても猫には見え、ないですね(笑)
ただ個人的にはかわいい感じだなと思います。
いったらブサカワ的な雰囲気です。
完全に個人の主観ですが、横からよるより正面からみるほうがかわいいなと思います。
水族館とかだと横にしていることをよく見かけますが、正面からの様子はあまりみかけないです。
見られたらちょっぴりラッキーなので意識してみてほしいです。
体は茶褐色で、島縞模様です。
猫っぽさで言うとここはそうかもしれません。茶虎に見えなくもないです。
それも強引かと言えば強引ですが、人間の目や感覚って不思議なものですね。私は見比べるとなんとなく似て見えてきました(笑)
ネコザメの飼育方法!名前の由来はネコ顔だからなの?【まとめ】
今回はネコザメの飼育について簡単ですが書いてみました。飼育環境が用意できれば、ネコザメの飼育自体は簡単です。
慣れてくると近寄ってくるようになるのもまたかわいいサメです。
興味がある方はぜひ飼育されてみてはいかがでしょうか?
ネコザメは猫に似てなくもない特徴はあるわけですが、全国の猫好きの皆さんの判定基準には及ばないでしょう。
とはいえ、じゃあかわいくないかと言われるとそうではないです。
個人的にかわいいなと思うのは懐いたときです。
ネコザメは飼育していて、餌をもらえることが理解できてくると、すりすり、積極的によってきます。まるで餌付けされた野良猫のような感じです。
おーよしよし餌が欲しいか今からあげるぞとついついかわいがりたくなります。
ただ眺めているだけではわからないネコザメの愛らしさ、飼育を通して感じてみるのもいいかもしれません。