水槽のお掃除役として名高いミナミヌマエビ。
ヤマトヌマエビよりも小型で、水槽内でも繁殖できるため人気ですよね。
そんなミナミヌマエビが、ひっくり返って起き上がれなくなっていることがあります。何か原因があるのでしょうか。
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ミナミヌマエビがひっくり返る原因
原因① 体調が悪くなっている
ミナミヌマエビは体が小さい上に、外骨格と呼ばれる硬い殻に体が覆われていて、体調変化がわかりにくい生き物です。
そのため、何らかの病気にかかっていた場合などの体調不良に気付くのがかなり遅れることがあります。
気付けば死の直前、なんていうことも珍しくありません。
このとき、体の平衡を保つことができなくなって倒れてしまったり、ひっくり返ってしまったりすることがあります。
ミナミヌマエビを含む甲殻類は薬剤への耐久性が低く、市販の魚病薬は使えません。
塩分耐性も同様に低く、塩浴もできません。残念ですが、こういった場合はそのまま見守るしかありません。
複数の個体が急激に同様の症状を見せた場合は感染症の可能性もあるので、隔離した方がいいでしょう。
原因② 老衰で衰弱している
魚と同様に、ミナミヌマエビにも寿命はあります。
しかも、年を取ったからといって何か変化があるわけではありません。
徐々に動きが鈍くなるなど生態に変化があることもないので、見た目には突然死のように見えると思います。
こちらも病気の場合と同様、体の平衡が保てなくなり、倒れたりひっくり返ったりします。
老衰で衰弱している場合もしてあげられることはないので、静かに見守りましょう。
原因③ 脱皮でトラブルが起こった
ミナミヌマエビを含むエビの仲間にとって、脱皮は命がけのイベントです。
成長して体が大きくなるときに脱皮するほか、新陳代謝として古い外骨格を脱ぎ捨てる場合、何か大きなストレスを感じた場合に脱皮するのですが、体のかなり細かなパーツまで脱ぎ捨てます。
このとき、脱皮がうまくできずにパーツが取れてしまうことがあるのです。
足が取れたくらいなら特に大きな影響はありませんが、何かバランス感覚に重要な器官の一部が欠損したりすると、ひっくり返ってしまって自力で起き上がることができなくなる場合があります。
脱皮直後の外骨格はやわらかいので、欠損までいかなくても、脱皮直後にうまく機能しなくなってしまうこともあります。
放置すれば回復する場合もあるのですが、脱皮に失敗しない環境づくりが大切です。
なるべく広めの水槽で、隠れ家を多くして飼うといいでしょう。
また、脱皮直後はおいしそうなにおいがするのか、同居している魚につつかれてしまうことがあります。
どうしてもこういったトラブルを避けたいのなら、魚との同居はあきらめましょう。
原因④ 水質の急変
ミナミヌマエビも、魚と同様に、水質が急変すると強いストレスを受けます。
pHショックなど、水質の急変による影響を受けた際、体が倒れてしまってうまく動けなくなることがあります。
また、水温が急激に下がった場合も、変温動物であるミナミヌマエビは動けなくなってしまいます。
そのまま死んでしまうことは少なく、水質の急変が原因の場合も水温の低下が原因の場合も、しばらくすれば復活することがほとんどですが、防ぐに越したことはありません。
基本的には丈夫な生き物ですが、購入してきた個体を水槽に入れる際など、きちんと水合わせを行いましょう。また、水替えは多くても全水量の半分程度にしておくことがポイントです。
ミナミヌマエビがひっくり返る原因【まとめ】
ミナミヌマエビは体の小さなエビの仲間で、何かトラブルがあった際に、飼育者がしてあげられることはほとんどありません。
もちろん、診てくれる獣医さんもいません。
トラブルを起こさないように飼うことが大切です。