「メダカ水槽の底砂に赤玉土を使うとメダカによくない?」
メダカの底砂選びのためにいろいろ調べものをしていると、そんな話題を目にすることがあると思います。
初心者の方からすれば、このような話があると「メダカに赤玉土を使ってはいけないのでは?」と赤玉土に大きなデメリットを感じてしまうと思います。
しかし、決してメダカに赤玉土を使ってはいけない、なんてことはありません。
今回は、なぜ赤玉土が「メダカにとってよくない?」と言われているのか、その理由や赤玉土の使い方、メリットとデメリットなどを解説していきます。
Contents
赤玉土とは?
赤玉土とは赤土が粒状になったもので、元々は園芸用の土として使われ、アクアリウム分野でも水槽の底砂として使われています。
表面に細かな穴が開いており、多孔質タイプの底砂です。
粒状となっているため、隙間ができやすく通水性に優れています。
赤玉土自体が弱酸性の土のため、水槽の底砂に使うと水質も弱酸性になります。
メダカに赤玉土はよくない? 理由
メダカにとって赤玉土はよくない?と言われるのは、使い方によってはメダカが死んでしまうとされるためです。
理由①メダカがアンモニア中毒で死んでしまう
餌の食べ残しや糞などからは、生体にとって猛毒であるアンモニアが発生します。
アンモニア中毒とは、そのアンモニア濃度が高くなり生体に中毒症状を起こしてしまうことです。
赤玉土は粒状の底砂なため、隙間に餌の食べ残しや糞などが沈殿して溜まりやすく、アンモニアを発生させやすいと言われています。
理由②メダカがペーハーショックで死んでしまう
ペーハーショックとは、急激な水質の変化により生体に大きな負荷がかかってしまうことです。
ペーハーショックを起こせば生体の死にも繋がってしまいます。
前述の通り、赤玉土は弱酸性の土であるため、水質が弱酸性に傾きます。
そのため、今までアルカリ性や中性の水質だった水槽に赤玉土を投入すると、水質が酸性に傾きペーハーショックを招くことになります。
メダカは弱酸性~弱アルカリ性まで、幅広い水質に対応できる丈夫な魚ですが、急激な水質変化には弱いので、ペーハーショックで死んでしまうこともあります。
このことが、赤玉土がメダカによくないと言われている理由のひとつとなっています。
メダカ水槽の赤玉土の使い方
赤玉土がメダカにとってよくない?とされる理由を解説しましたが、正しい使い方をすれば問題なくメダカ水槽の底砂として使うことができます。
水槽の立ち上げでバクテリアを増やす
バクテリアは、アンモニアをはじめとした水中の有害な物質を分解してくれる、メダカたち生体にとってはなくてはならない存在です。
赤玉土は多孔質の底砂であり、バクテリアが赤玉土に棲みつきやすいため、本来は前述のアンモニア中毒は起こしづらい底砂です。
バクテリアは水槽内に繁殖するのに日数がかかり、バクテリアが十分に繁殖されていない水槽にメダカを入れると、アンモニアを分解できずアンモニア中毒を引き起こします。
そのため、水槽の立ち上げの際に赤玉土を敷き、水を入れたら、1週間~2週間はメダカを水槽に入れないようにし、バクテリアが繁殖するのを待ちましょう。
水合わせでメダカを水に慣らす
赤玉土を敷いた水槽の水は弱酸性のため、この水槽に買ってきたメダカを袋から移す場合や、別の水槽からメダカを移す場合、もとの環境の水質と大きく異なるとペーハーショックを引き起こす可能性が高くなります。
それを防ぐために、水槽に移す際にメダカの水合わせをしましょう。
袋からメダカを移す場合は、袋内の水を1/3ほど捨て、同じ量の赤玉土水槽の水を加えて、15分ほど赤玉土水槽の上に浮かべます。
別の水槽から移す場合でも、もとの水槽内の水ごとメダカを袋に入れ、上記と同じ方法を取りましょう。
水槽に袋を浮かべるのは、水温にも馴染ませるためです。
これを3回繰り返し、赤玉土水槽の水質と水温にメダカを慣らし、それから赤玉土水槽に放ちます。
赤玉土を使うメリットとデメリット
メダカが死んでしまうケースを防げれば、赤玉土は水槽の底砂として様々なメリットをもたらしてくれます。
そんな赤玉土の、メダカの水槽に使うメリットとデメリットを紹介します。
赤玉土のメリット
・メダカの発色がよくなる
・バクテリアが繁殖しやすい
・水槽内環境が安定する
・バクテリアがメダカの餌になる
・水草が育ちやすい
赤玉土のデメリット
・隙間に沈殿物が溜まりやすい
・グリーンウォーターでの飼育ができない
・使い方によってはメダカが死んでしまう
メダカに赤玉土はよくない?【まとめ】
メダカにとって赤玉土はよくない?とされる理由と、正しい赤玉土の使い方、メリットとデメリットを解説させていただきました。
メダカが死んでしまうというデメリットが目立ってしまいがちですが、これは赤玉土だけに言えることではなく、どの底砂にも共通することです。
そのため、本来のメダカを飼う上での正しい手順を踏みさえすれば、赤玉土を使ってもメダカたちが死んでしまう悲劇は回避できます。
これもメダカだけでなくどの生体にも言えますが、環境の整理や慣らしは非常に重要なので、生体を飼う上では常に気を配るようにしましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。