アクアリウムや観賞魚の水槽の水は、生き物にとっても見た目にもきれいな方が良いですよね。
ただ、ちょっと油断していたら、いつの間にか苔だらけで、せっかくのお魚たちが見えない!などということも珍しくありません。
それに、出来ればあまり手間をかけずに、きれいな水槽を保てたら嬉しい!
お掃除が大変だし、苔対策にヤマトヌマエビや石巻貝とタニシを飼うと良いと聞いて入れてみたものの、エビはあっという間に金魚の餌になるし、石巻貝を入れたら苔をきれいに食べてくれたけど、すぐ繁殖するから増えて大変だと聞くわりに、気が付いたら殻だけになっていたり。
貝類は効果があったけど、気が付けばよく知らないで同居させていたかも。
水槽で一緒に飼う場合、その違いはあるのでしょうか?
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石巻貝とタニシの違いとは?
見た目が違う!
まず見た目で見分けられたら良いですよね。
石巻貝は殻の高さ、殻の直径とも20-25mmで半球形センチ位の黄褐色の丸い殻。
タニシは1-8㎝位の右巻きのらせん状の殻です。
本当は白色から茶褐色なんですが、藻などが着いて黒く見えることが多いです。
どちらも水のPH(酸性値)が上がると殻が溶けて弱ってしまうので、水が汚れたり古くならないように注意しましょう。
生息場所が違う!
石巻貝は本州中部以南の西太平洋の沿岸にいる淡水・汽水性の巻貝なので、淡水でも汽水でも活動できます。
ですが、石巻貝の卵は淡水と汽水の混ざった場所でしか孵化出来ず、水槽の中では繁殖が出来ません。
一方タニシは、日本の田んぼや排水路など淡水のみで生息する巻貝で、オオタニシ・マルタニシ・ナガタニシ・ヒメタニシの4種が生息しています。
体内に卵を持って、稚貝が生まれてから体の外に産み出す卵胎生をします。
水槽の中でも繁殖できるほど繁殖能力が高いということなので、すぐ増える貝類というのはタニシだったんですね。
好きな餌が違う!
同じ巻貝の一種ですが、それぞれ好きな餌が違います。
石巻貝は水槽の内側、石などに生える茶ごけ、緑の苔が大好きです。
水槽の壁にいる時に見てみると、小さな口をぱくぱくと動かしながら苔の生えた壁面を食べ進むので、食べ跡でどこを移動したか分かるくらいです。
水草などについた苔や水草そのものを食べないので、水草の食害がない点は安心できますね。
タニシは魚の死骸や餌の食べ残しなども餌にします。食べたときに体内に入った水も一緒にきれいにしてくれるので、水の浄化作用があると言われています。
飼うだけで水まで綺麗にしてくれるのは魅力的ですよね。
寿命が違う!
石巻貝の寿命は1年です。
しかも万が一転倒したら自力で起き上がれないため、そのまま帰らない貝になることも…。見つけて助けてあげる必要があります。
石巻貝を入れてもすぐにいなくなってしまったのは、これらの要因もあるからなんですね。かなりお世話が必要な印象です。
タニシの寿命は2~3年あります。
自力で起き上がることもできるので、その点は手がかからず好印象ですね。
石巻貝の飼育のポイント!
石巻貝は高水温・弱酸性の水が苦手です。
7-8月頃に卵を産みますが、水槽では孵らないので気になる場合は取りましょう。
ヒーターの必要がないメダカ・金魚・熱帯魚と一緒に飼育が出来ますが、ソイルを使用した水槽は弱酸性になりやすいため、不向きです。
タニシは17-30度の水温と中性~弱酸性を好むため、熱帯魚の最適な環境と同様であることから、熱帯魚の水槽に向いています。
石巻貝とタニシの違いとは?【まとめ】
石巻貝とタニシの違いを比較してみました。
苔対策が目的だとしても、どちらも生身の生き物だから、当然餌も食べるし排泄もします。
掃除が不要になるわけではないんですよね。
そして、石巻貝にもタニシにも元気でいて欲しいなら、餌の苔が豊富な水槽が良いわけです。
見た目重視できれいな水槽がいいと思うのなら、彼らに頼らず自力でこまめに掃除をするしかないんですよね。
個体の数を管理しやすい石巻貝が良いか、増えたり水の浄化が楽しみなタニシが良いか、それぞれの特性をよく知り、飼育の目的と水槽にあった貝をお迎えすることが大切だなと思います。
せっかく飼うなら気持ちよく暮らしてもらいたいですね。