水槽やフィルター、ヒーターなど、最低限の器具さえそろえれば誰でも飼育を楽しむことができる小型美魚のグッピーですが、適した水質については意外と語られていません。
基本的に丈夫で、水質にもうるさくない魚ですが、好む水質はあります。
今回は、グッピーが好む水質についてご紹介します。
水質(pH)調整って?
そもそも、熱帯魚を飼うときに水質を気にしたことはありますか?
「水」と一口に言っても、国や地域、環境によって、水質は大きく異なります。
たとえば、アフリカンシクリッドの生息地として有名なタンガニイカ湖とマラウィ湖は弱アルカリ性です。
アフリカンシクリッド
これは、タンガニイカ湖とマラウィ湖が、大昔にできた地割れ後に水が溜まって形成された湖で、その地層に石灰岩が多く含まれていたためです。
一方、同じアフリカでも、コンゴテトラなどが生息する西アフリカの小河川はほとんどが弱酸性です。
コンゴテトラ
これは、アフリカの広大なジャングルの中をゆっくりと流れるうちに枯れ木や落ち葉の成分が水に溶けだすためです。
このように、場所や環境が変われば水質も大きく変わります。もちろん、そこに住んでいる魚の好む水質も、場所によって変わってくるわけです。
ただし、魚の種類によってはどんな水質でも適応できるものもいますし、限られた水質でしか生きられない種もいます。グッピーは熱帯魚全般を見渡しても、水質の適応範囲がかなり広い魚です。
グッピーが好む水質(pH)は?
では、グッピーの好む水質はどんな水質でしょうか。
本来、野生のグッピーは南アメリカ北東部の河川や湖沼に生息しています。
生息域はかなり広く、その環境も多様です。
このため、グッピーが生息している水質も幅広く、飼育下で幅広い水質に適応できる理由となっています。
結論的には、よほど極端に偏った水でない限り、水質のことをとやかく考える必要はない、ということになりますが、pHという面でいえば中性が適しているといえるでしょう。
普通、ショップで販売されているグッピーは国内で繁殖したものか、東南アジアで繁殖したもののどちらかです。
どちらの場合も、飼われていた水は中性と考えていいでしょう。
特に国産グッピーの場合、美しいひれを病気で傷めないために頻繁に水を替えて新しい水で飼われていることが多く、飼いこまれた古い水にはあまり適応していないこともあります。
このため、基本的にはなるべくこまめに水替えをして新しい水で飼う、と考えておくといいでしょう。
そうすると、結果的に中性の水になるはずです。
ただし、「ワイルドグッピー」と呼ばれる、改良品種でないグッピーを飼う場合は、産地の情報に注意しましょう。
ワイルドグッピーであっても丈夫で水質への適応力も高い場合がほとんどですが、産地に合わせて調整した方が発色が良くなるケースはあります。
逆に、飼いながら徐々にpHを変えて、適した水質を探ってみるのもおもしろいかもしれません。
水質を調整するには?
少なくとも改良品種のグッピーを普通に飼うのなら、水質調整は必要ありません。
ただ、使用している水道が井戸水である場合、pHが非常に高いことがあります。
8.0を超えるようなら、pHを下げる工夫をしましょう。
ショップで販売されている「マジックリーフ」や水質調整剤を使えば、pHを下げることができます。
逆に、水が古くなってpHが低くなるようなら、こまめに水替えをして水そのものを新しくしてやりましょう。
マジックリーフや水質調整剤によってpHを下げた場合と、同じ水で長く飼い続けてpHが下がった場合では、pHの値は同じでも成分が違うので注意しましょう。
グッピーに最適なpH(水質)【まとめ】
グッピーは丈夫な魚で、ある程度の幅ならどんな水質でも美しい姿を楽しむことができます。
pHの値を気にして調整するよりも、こまめな水替えを心がけ、なるべく新しい水で飼育するようにしてやりましょう。