水槽のお掃除役や底層の主役として人気のコリドラスですが、種類にもよりますが基本的に頑健で飼いやすい魚です。
ただし、そんなコリドラスでも病気や寄生虫に侵されることがあります。
今回は、コリドラスにつく寄生虫とその対処法についてご紹介します。
Contents
コリドラスに付く寄生虫の種類
寄生虫① イカリムシ(通称ピロピロ)
コリドラスが感染しやすく、注意が必要な寄生虫です。
イカリムシそのものはコリドラスに特有の寄生虫ではなく、どの魚にも寄生する可能性があります。
全長数ミリの寄生虫なので、寄生されていれば肉眼で確認することができます。
体表から糸状の白い物体がピロピロと出ているため、ピロピロ虫やピロピロ寄生虫といった通称で呼ばれています。
イカリムシが直接の原因で死亡することはないものの、体調の悪い個体に寄生されると衰弱が早まります。
また、感染力が強く、あっという間に他の個体にうつってしまいます。
駆除する際はピンセットでつまんで除去するか、リフィッシュ、トロピカNなどの薬が有効です。
寄生虫② 白点病
白点病はその名の通り、体が白い粒で覆われていく症状を示します。
病気として有名ですが、正確には寄生虫の一種で、体表を覆っていく白い粒がすべて寄生虫本体です。
卵の状態で水槽内に漂っていて、水温変化などで魚の体力が落ちたときに発症します。特にコリドラスは低温飼育することが多く、白点病が出やすい環境といえるでしょう。
感染力が強く、どんどん魚の体力を奪い死に至る恐ろしい寄生虫です。
高温に弱い側面があるので、水温を上げるのが有効ですが、もともと低温飼育していた場合はかえって危険かもしれません。
魚病薬で治療することになりますが、この場合はメチレンブルーが有効です。
寄生虫③ ダクチロギルス、ギロダクチルス
エラを中心に体表につく寄生虫ですが、全長1ミリ以下のウジムシのような外見をしていて、肉眼で発見するのは困難です。
ダクチロギルスは春から夏にかけて、ギロダクチルスは秋から春にかけて発生しやすい寄生虫ですが、外見も症状もよく似ています。
ダクチロギルスやギロダクチルスに寄生されると、食欲がなくなり、動きが緩慢になってぼうっとしていることが多くなります。
粘膜が以上に分泌され、ひらひらと体表からはがれるほどになります。
また、エラに寄生された場合はエラの中が腫れ、閉まらなくなります。
駆虫にはリフィッシュやトロピカNが有効です。
寄生虫の対処法
寄生虫の種類によって使用する薬は違いますが、基本的な対処法は同じです。
隔離
まず、寄生された個体を隔離します。
どの寄生虫も感染力をもつため、見つけ次第隔離してほかの魚にうつらないようにすることが大切です。
薬浴
隔離したら、魚病薬による薬浴を行います。
最近感染などの病気であれば、塩浴により免疫を高めることも有効なのですが、寄生虫の場合は免疫力を高めても駆虫できない場合がほとんどです。
また、コリドラスは薬にも塩分にも弱いので、寄生虫がダメージを受けるほどの塩分濃度ではコリドラスも衰弱してしまいます。
薬浴する際も、規定量の濃度ではコリドラスには濃すぎます。
薬のパッケージに書かれた濃度の1/3~1/2程度になるよう調整しましょう。
ピンセット除去
イカリムシをピンセットで除去する場合、あらかじめ水中でイカリムシの場所を特定しておき、水から上げたら速やかに作業しましょう。
長くかかればかかるほど、コリドラスに大きな負担がかかってしまいます。
コリドラスに付く寄生虫の種類と対処法【まとめ】
コリドラスが寄生虫に侵された場合、基本的には何らかの薬を使わなければ駆虫できません。
薬に対する耐性の低いコリドラスに薬を使うリスクを冒さないためにも、寄生虫は持ち込まないことが肝心です。
新しい個体を購入する際は、ショップでよく観察して個体を選び、できれば飼育水槽に入れる前に数日間、別の水槽で様子をみましょう。