ベタは小型の熱帯魚でありながら単独飼育されることが多いため、その個性や仕草に注目されがちです。
実際、ベタもそれにふさわしいユニークな仕草をたくさんしてくれます。
ところでベタは寝るのでしょうか。寝るのだとしたらどんな寝床を用意するのが良いのでしょうか。
今回は、そんなベタの寝床について解説します。
ベタは寝る?
そもそも、魚の寝姿と言われて想像できますか?
魚の種類によって、睡眠のとり方、休み方もそれぞれです。
コリドラスのようにそもそもじっとしているタイプの魚もいれば、寝ても起きても絶えず泳ぎ続けている魚もいます。
ベタの場合、ちょうどいい大きさの水草の葉の上に乗って体を預けるようにして休むことが知られています。
厳密に言えば、寝ているというより休んでいるのですが、その姿を見るとなんだかほっこりとします。
この休み方には理由があり、もともとベタがそれほど活発な魚ではなく適度な休憩が必要であること、自分が乗るほどの葉を利用することで自分より高いところにある葉が隠れ家として機能すること、などが挙げられます。
ようするに、敵から隠れつつ休息できる、ということですね。
飼育環境下では、何も乗るものがなければ水底で休む姿が見られます。
これが原因で体調を崩したというのはあまり聞いたことがありませんが、腹びれを痛める原因になりますし、本来の姿ではありません。
せっかくなら、ベタがちゃんと休める場所をつくってやりましょう。
ベタの寝床におススメの水草
ベタの寝床としておススメの水草は次の5種類です。
・マツモ
・ウィローモス
・ヘアーグラス
・カボンバ
ウォータースプライトは初心者向けの水草として有名な種で、水面に浮かべておくだけでも生長する丈夫な水草です。
このため、ベアタンクであっても放り込んでおけば生長してくれます。
柔らかくて切れ込みのある複雑な葉が特徴です。
より切れ込みの細かいアメリカンスプライトもいいでしょう。
マツモは昔から「金魚藻」として知られている水草です。
茎があるので床材に根を張りそうですが、実は浮遊性の水草で、ウォータースプライトと同じように放り込んでおくだけで育ちます。
ウィローモスはいわゆるコケの仲間で、岩や流木に活着させるのが一般的です。
このため、岩や流木の広い面に活着させれば、ベタのベッドのようなスペースを作ることができます。特に活着させなくても育つので、そのまま浮かべておいてもいいでしょう。
ヘアーグラスは草原のような風景を作る際に重宝される水草で、最近は草丈の低いショートヘアーグラスがポピュラーです。
ソイルを敷いた床材にしっかりと植え付ける必要があります。
カボンバは古くから知られる水草で、柔らかくボリューム感のある葉が特徴です。
マツモとよく似ていますが、マツモよりもふわっとした印象を受けます。また、マツモと違ってソイルに植え付ける必要があります。
水草の代用品は?
おススメの水草を何種類かご紹介しましたが、水草も生き物なので環境が合わなければ枯れてしまいますし、伸びすぎればカットする必要もあります。
適した状態に保つのは意外と難しいものです。
生きた水草であることにこだわらないのなら、人工物を使うのも有効といえます。
「ベタのおやすみリーフ」という商品が販売されており、個人的にはこちらがおススメです。
ベタが休みやすいよう、形に工夫が凝らされた人工水草で、吸盤でガラス面に取り付けられるようになっています。
この、設置場所を好きに選べるところが非常に便利で、フィルターの水流が当たらずベタがゆっくり休めるところに設置することができ、向きや角度を微調整して見やすく設置することも可能です。
ビニールシートやサテン生地で手作りすることもできますが、あまり手作りするメリットが感じられません。
ベタの寝床はどうするべき?【まとめ】
いかがでしたか?
今回はベタの寝床について解説しました!
ベタの飼育にはあまりコテコテしたレイアウトは不向きですが、寝床のようなちょっとしたワンポイントがあるだけで、その行動が大きく広がります。
ここで紹介したような水草やグッズを入れてみて、その行動の変化を楽しんでみてくださいね。