ベタは小型魚と呼ばれるグループの中では比較的大型で、単独飼育する機会が多いため、個体そのものが注目されがちな魚です。
簡単にいえば、一匹のベタの様子がよく観察されることが多いのですが、「うちのベタがじっとしたまま動かない」という質問を受けることがあります。
ベタがじっとしているのはどんな状態か、パターンに分けてみていきましょう。
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ベタがじっとしている・動かない原因
(1)あまり動かないタイプの個体
ベタは個体ごとの性格がかなり違うタイプの、個性豊かな魚です。
基本的には、水槽の中層~表層のあたりをゆったりと絶えず泳ぎ回っている魚ですが、この行動はその個体の性格によりかなり違います。
私が飼っていたことのある個体では、表層付近を絶えず泳ぎ回っているオーソドックスなタイプの個体以外に、フィルターの吐出口付近で静止したままほとんど動かない個体や、流木の影から出てこない個体などがいました。
特に思い当たる原因がないのにじっとしている場合、そもそもそういう性格の個体なのかもしれません。
この場合、餌をちゃんと食べているのなら特に心配いらないので、そっとしておいてやりましょう。
(2)老齢個体
一般的に、ベタの寿命は3~5年といわれており、ショップで販売されているのは生後1年程度の個体です。
さらに、販売されているベタは基本的に改良品種で、観賞用にひれが大きくなるよう改良されています。
つまり、野生種よりもひれが大きく泳ぐ際に疲れやすいのです。
このため、老齢個体になると動きが鈍くなり、あまり泳ぎ回らなくなります。
この場合、飼い主にできることはありません。最後まで大切に飼育してやりましょう。
若い個体よりも病気になりやすく、進行も早くなるので、病気になりにくい適切な環境で飼育することが大切です。
一度に食べる量も若い頃より少なく、痩せると元に戻しにくくなります。意識して餌をこまめに与えましょう。
(3)体調不良
ベタが何らかの理由で体調を崩している場合、水底でじっとしたまま動かないことがあります。
よく泳ぐ個体が泳がなくなり、食欲も落ちているようなら、体調不良と考えた方がいいでしょう。
ただ、体調不良にも様々な原因があります。
白点病や水カビ病の場合、見た目に変化があるので少し観察すればわかりますが、一部の内臓疾患ではぱっと見ではわからないこともあります。
ベタでよく聞かれるのは、古い餌を食べさせてお腹で発酵してしまい、ガスがたまる症状です。この場合、お腹が膨らんでいるのがわかると思います。
体調不良が原因でじっとしている場合、体調不良の原因が何なのか、探ってみましょう。
(4)水質悪化
これも、ベタではよくある理由のひとつです。
ベタは水質悪化に強く飼いやすいという情報が先行し、小さすぎる容器で飼育されていることがあります。
そうすると、見た目にわからなくても水質が悪化し、ベタの元気がなくなることがあります。
全水量の半分くらいの水を新しいものに取り換えることで改善する場合がありますが、こうした水替えで水質が急変するのもあまりいいことではありません。
できれば30センチ程度の水槽を使用し、フィルターを設置して定期的な水替えを行って、水質が急激に悪化しないように飼うといいでしょう。
(5)水温が低すぎる
これも、ベタでは特にありがちなトラブルです。
原因④と似ていますが、小さな容器で飼育していてヒーターが設置できない、ということがベタ飼育ではよく聞かれます。
この場合、室温で管理されることが多いのですが、特に秋から冬にかけて、室温では低すぎることがよくあるのです。
水温が低すぎると、ベタは動くことができず、水底でじっとしたままになることがあります。
動けなくなるだけでなく、白点病などの原因にもなるので、やはり余裕のある水槽で飼育し、ちゃんとヒーターを設置して飼育すべきでしょう。
ベタがじっとしている動かない5つの理由【まとめ】
飼っているベタのもともとの性格として、あまり動かない個体である場合と、病気や水温など何らかのトラブルで動けなくなっている場合があります。
トラブルのほとんどは、適切な飼育環境で飼うことで避けられるものばかりです。
せっかく飼うのなら、できるだけ良い環境で飼育してやりたいですね。