ベタは丈夫で飼いやすく美しい小型魚として知られていますが、もうひとつ、変わった繁殖生態をもつことでも知られています。
オスが泡巣を作って子育てするのです。
ところが、せっかくベタの繁殖を目指したいのにオスが泡巣を作らなくて困っている、という相談を受けることがあります。
今回は、ベタが泡巣を作らない原因と対策について解説します。
Contents
ベタが泡巣を作らない考えられる4つの原因
飼育環境の水流が強すぎる
一番よくみられる原因が、これです。
そもそも、繁殖適齢に達したオスのベタは、一匹だけで飼育していても突然泡巣を作り始めるものです。
「水面でパクパクし続けていて、その泡が水槽に広がっている。何かの病気ではないか?」
と相談を受けることがあるくらいです。
そんなベタが泡巣を作らない場合、作らないのではなく作れないケースが多くみられます。
特に、小型であまり泳ぎ回らないベタを飼う場合は小型水槽が使われることが多く、水流の影響を受けやすくなります。
水中ポンプ式のフィルターなどを使っていると、せっかく作りかけた泡巣が水流で壊れてしまい、オスの心が折れてあきらめてしまう、ということがよくあります。
本気でベタの繁殖を目指すのなら、45センチ程度の水槽を使い、エアリフト式のスポンジフィルターを設置するといいでしょう。
エアリフトでも泡巣の近くでは巣を壊してしまいかねませんが、45センチ水槽くらいの広さがあれば、うまく水流を避けて泡巣を作ることができます。
水面にフロッグピットなどの浮草を浮かべておくのも有効です。
ベタの飼育環境が狭すぎる
原因①と同様、泡巣を作れない環境で飼育している、ということです。
当たり前ですが、泡巣を作るにはある程度の広さをもつ水面が必要です。
水面さえあればどこでも巣を作れるわけではないのです。
まず、コップやガラスポットでは泡巣は作れません。
繁殖を目指して泡巣を作らせたいのなら、前述のとおり、45センチ程度の水槽を使って広々とした水面を用意してやりましょう。
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他の魚と混泳していてベタが落ち着かない
ベタが他の魚と混泳している場合は落ち着かず、泡巣を作れない事があります。
ベタだけを単独で飼うのではなく、ネオンテトラなど他の魚と一緒に飼っている場合、泡巣を作りかけるものの、他の魚が気になって落ち着かずあきらめてしまうことがあります。
注意したいのは、メスのベタでも同じように落ち着かない対象となってしまうことです。
ベタのオスは、安心して子育てができる環境を選び、泡巣を完成させてから、メスを呼び込みます。
このため、泡巣が完成する前にいるメスは邪魔でしかないのです。
ベタの繁殖を目指すのなら、オスを落ち着ける環境で単独飼育しましょう。
また、水槽を人通りの多いドア付近や、玄関などに置いている場合、人の動きが気になって落ち着かなくなります。
水槽を床に直置きしている場合も、振動で驚いてしまい、泡巣を作らなくなることがあります。ちゃんとした泡巣を作らせたいのなら、水槽の設置場所にも気を使いましょう。
メスは泡巣をつくらない
あくまでも、ベタは泡巣を作るのも卵を守るのも、孵化後にしばらく稚魚を守るのもオスです。
メスは泡巣の近くで産卵するときにしか、繁殖に加担しません。
時折、メスが泡巣を作ると思っている方がいますが、メスをいくらいい環境で飼育しても泡巣を作り始めることはありません。
メスが繁殖適齢に達して産卵可能な状態になっていることは大切ですが、泡巣についてはオスだけの問題です。
ベタが泡巣を作らない!考えられる4つの原因と対策方法【まとめ】
ベタのオスが地道に一生懸命泡巣を作る姿は、見ていて心を打たれるものがあります。
ぜひ、オスが「ここなら安心して子どもを育てることができる」と思える環境を用意して、泡巣作りを観察しましょう。