ネオンテトラやグッピーほどではないものの、根強い人気を誇る小型魚の1つがアカヒレです。
小さめのメダカのような体でちょこちょこと泳ぐ姿はとてもかわいらしいのですが、見てみて「水流に流されてしまうんじゃないか」と心配になることもあります。
今回は、アカヒレを飼うときの水流についてご説明します。
アカヒレの生息環境は・・・わからない?
日本で熱帯魚として広く知られているアカヒレは中国に生息する個体群です。
そのため、厳密には熱帯魚ではなく「温帯魚」となります。
中国とはいっても様々な環境があり、どんな水域で見られるのか詳しく知りたいところですが、実は中国のアカヒレは環境破壊によりすでに絶滅し、かつて生息地だった場所も開発によりすっかり姿が変わってしまっています。
そのため、日本で流通しているアカヒレがどんなところに暮らしている魚なのか、わからなくなってしまいました。
最近になってベトナムにも生息しているという情報が入りましたが、詳しいことはわかっていません。
ただ、飼育下での様子をみている限りでは日本のメダカに近い性質をもっているので、ため池や水路に広く生息する魚だったのではないでしょうか。
意外と強い?アカヒレの水流に負けず泳ぐ力
見方によってはひょろひょろとしていて弱弱しく見えるかもしれませんが、アカヒレは意外と泳ぐ力の強い魚です。
実際に水槽にいるアカヒレを観察するとわかりますが、常に泳ぎ回っていて縦横無尽に移動しています。
休まず泳ぎ続けているのはそれだけ体力があり、縦横垂直どの方向にも移動できるのはそれだけ泳ぎがうまい、ということです。
実際に、水槽内の水流に逆らって泳いでいる様子を見ることもできます。
魚に「遊ぶ」という感覚があるかどうかはわかりませんが、わざと水流に向かって泳ぐような行動をとることもあります。
逆に、フィルターやポンプの水流に負けて流されてしまうような様子はほとんど見られません。
日本のメダカに近い性質と書きましたが、メダカは流れに逆らう力が弱くエアリフトタイプのフィルターが推奨されることもあるくらいなので、メダカよりも泳ぐ力の強い魚だと思っていいでしょう。
アカヒレ飼育に適した水流のフィルターは
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見た目に反して遊泳力の強い魚ですので、水流の強さを気にしてフィルターを選ぶ必要はありません。
わざわざ強い流れを作ってやる必要はありませんが、フィルターが強すぎてアカヒレが流されてしまう心配はしなくても大丈夫です。
強い水流が起きやすいフィルターとしては、外掛けフィルター、上部フィルター、水中ポンプフィルターが思い浮かびますが、この中のどのフィルターを使用しても、アカヒレには特に問題ありません。
また、これ以外のスポンジフィルターやパワーフィルター、底面フィルターなどももちろん大丈夫です。
水流の強さを気にせず、水槽に見合った能力のフィルターを選びましょう。
ただし、アカヒレの改良品種の1つであるロングフィンタイプは、その長いひれが水の抵抗を受けやすく、ノーマルタイプよりも少し水流に影響されやすい傾向にあります。
ロングフィンタイプのアカヒレがフィルターの水流に巻き込まれて弱ってしまった、という話は聞いたことがありませんが、気になる人は水流を弱める工夫をしたほうがいいでしょう。
アカヒレに強い水流は禁物?【まとめ】
日本の熱帯魚ショップでは、アカヒレはごく当たり前のように流通していますが、原産地の中国では絶滅したとされています。
そのため、本来の生息環境はわからなくなりましたが、水槽内ではかなり強い水流でも負けずに泳ぐ様子が見られます。
そのため、飼育に際して、水流の強さでフィルターを決める必要はないでしょう。
むしろ、力強く泳ぐ姿を楽しんでみてくださいね。