なぜなのでしょう。
私は何度か柴犬から悲しい洗礼を受けたことがあります。
- 触ろうとしたら怒られた
- 匂いを覚えてもらおうと手を近づけたら、思いっきり顔をそむけられた
- いつも食べているおやつなのに、私の手からは食べてくれない
- リードを持たせてもらったら全力で拒絶された
その場では「嫌われちゃったぁ」と言って笑ってごまかすけれど、心の中では泣き絵文字が飛び交っています。
*画像はイメージです。画像と本文と直接の関係はありません。
でも私の地域は柴犬が多いのです。
このままでは寂しいのでどうしたら良いか考えてみました。
対策を講じた結果、お陰で今では柴犬ごとに最適な距離感を保てています。
今日は柴犬がなつかない理由と対策、そして、柴犬という犬種についてのお話ししたいと思います。
Contents
柴犬が家族でもなつかない理由は?
他人ではなく一緒に暮らす家族であっても、なつかないケースがあるようです。
嫌われてしまった家族が取った言動を聞きました。
- 「おやつあげるからおいで」と言って呼び出したのに、おやつをあげずに放置した
- 寝ているところをいきなり撫でまわした
- 気が向いた時だけ一方的に可愛がり、気が向かないと見向きもしない
- ヒステリックな傾向がある
柴犬でなくとも嫌いになっちゃいますね。
子犬の頃はテンションが高いことが多いから、「遊ぼう」って言われれば乗ってくることもあるかもしれませんが、成犬になると柴犬は落ち着きます。
さらにシニアになれば寝ている時間も増えてくるので、それを妨害するのは身体も心も疲れさせることになってしまいます。
柴犬になつかれる人の共通点
では逆に、家族の中で一番柴犬になつかれているのはどんな人でしょう。
- しつけは厳しいけれど、遊ぶ時に思いきり一緒に楽しんでくれる人
- 自分のお世話はしてくれていないけれど、一家の長として家族を守っている人
- いつも自分を想ってくれて同じ気持ちを与え続けてくれる人
- 仕事が忙しくても、自分のために時間を割いてくれる人
意外なのは、ほとんどお世話をしてくれないのにお父さんが一番好きという柴犬が多いことです。
柴犬のBちゃんは、遊んでいた公園にたまたまお父さんが通りかかった瞬間、変貌しました。
それまでうちの犬と何やら不思議な犬語を発しながら勇ましく遊んでいたのに、突然おしとやかな女子になり、乙女の瞳で見上げながらお父さんの傍らに寄り添うのです。
Aちゃんの家はお父さんがAちゃんを家で飼うことを禁じていたそうですが、このAちゃんのなつきぶりに心が緩み、今では家の中で生活できるようになりました。
柴犬はどうして一家の長になつくの?
柴犬が一家の長になつくという傾向は、その歴史に理由がありそうです。
柴犬の歴史は日本の犬の中で最も古く、縄文時代にさかのぼります。
人類が火を手に入れ道具を作って狩りをし、やがて農耕を始めていくその横に、いつも柴犬が寄り添っていたのですね。
一家の長と呼吸を合わせて獲物を追ったり農作物や家畜を侵入者から守ったりしながら共に進化してきたのが柴犬なのです。
彼らは守られる存在ではなく、一家の長の相棒として家族を守る使命を担うことで、人間と共に生きる道を切り拓いてきたのです。
こうして考えると、厳しくとも大きな器の力強い主人に柴犬がなつくのは当然のことなのかもしれません。
そして家族以外の人間に警戒心を抱くのも、不審者に目を光らせていた時代の本能的なものなのでしょう。
柴犬のCくんは、子犬の頃にお父さんに厳しくしつけられました。
その様子を見ていたお母さんが泣いて止めたほどです。
でもCくんはお父さんが大好き。
お父さんのコマンドを確実にこなしながら、嬉しそうに遊んでいます。
もちろんお父さんのしつけは虐待ではありません。
私もよくお会いしますが、亭主関白で家族を守り引っ張っていく素敵な方です。
集合住宅で他の方々に迷惑を掛けない柴犬に育てるという一貫した気持ちと、Cくんを心から大切にしている愛情が、Cくんにはきちんと伝わっているのですね。
柴犬になついてもらうための対策とは
人類の相棒として存在してきた柴犬たち。
簡単になついてはもらえないようだということはわかりました。
でも対策はあります。
飼い主の場合と、他の家の柴犬の場合とで書いてみます。
飼い主の場合
子犬から2歳位までの間に、できるだけ多くの犬と接触させる
子犬は他の犬たちとの関わり合うことで社会性を身に着け、その中で人間との付き合い方を学ぶようです。
飼い主では教えられない犬の勉強をさせてあげてください。
しつけや態度に一貫性を持たせる
良いことをしたら必ず褒める。
悪いことをしたら必ず諫める。
自分の気分ではなく、その行為に対しての評価がブレないことが大切です。
男女は関係ありません。
飼い主のあなたが強くまっすぐなリーダーになりましょう。
短い時間でも必ずコミュニケーションを取る
散歩やお世話の時間ではなく、その子の気持ちと向き合う時間です。
おもちゃで遊んでも良いし、高齢で動くのが辛いなら、ただそばにいて身体を撫でているだけでも良いのです。
成犬とは時間を掛けて理解し合う
2歳を過ぎた辺りから、柴犬の性格は少しずつ変化します。
遊ぶことが少なくなり、周りの人間や物音などに敏感になる子もいます。
もし成犬の柴犬を家に迎えた時は、彼らが自分の置かれた環境を理解し落ち着くまで見守りましょう。
他の家の柴犬の場合
撫でること(触れること)が最良ではないことを理解する
子犬で近寄って来てくれるのであれば、問題ありません。
でも成犬の場合は、無闇に近づいて触ることがなつくための対策にはなりません。
「このひと、悪いひとじゃないみたい」と理解してくれることが大切なのです。
いつも穏やかに接する
触れないなら、せめて会えた喜びだけでも伝えようと大きな声で近づくのも嫌われます。
穏やかに挨拶しながら飼い主さんと世間話をしていれば、柴犬はその様子から危険のない人間なのだと理解してくれます。
そばに来てくれるまで待つ
これは結果的に来てくれない子もいるから、そうなると対策にはなりませんが、私はそういう関係もありだと思います。
それがその子との最適な距離感なのです。
柴犬がなつかない!その理由と対策を徹底解説!【まとめ】
私も少しずつ柴犬への理解を深めて、今では拒絶されることはほとんどなくなりました。
冒頭でお話しした柴犬たちとも仲良くしています。
私になついてくれていなかった柴犬のDくんは、今では私からおやつをもらうことを楽しみにしてくれるし、リードを持っても歩いてくれます。
うちの犬が一緒の時はお兄さん風を吹かせていますが、私が一人の時は甘えて顔を舐めてくれるようにもなりました。
柴犬とは時間を掛けてゆっくりと分かりあっていくのが良いのだと、私も勉強になりました。
これからも色々な犬と理解し合える人間でいたいです。