ヌマエビの中でも大型で、1匹だけでも存在感があり、水槽内の汚れの原因を食べてくれる「水槽の掃除屋」として有名なヤマトヌマエビ。
飼育されている方も多いと思いますが、ヤマトヌマエビの卵を見たことがあると思います。
その卵を放置して良いのか、そのままにしておいたらどうなるのか、気になりますよね。
今回はヤマトヌマエビの卵を放置したらどうなるのか、勝手に繁殖するヤマトヌマエビ増えすぎ問題をどう対策すれば良いのかご紹介します!
Contents
ヤマトヌマエビの卵について
ヤマトヌマエビは体内に卵を持ちます。体内に卵を持った状態の事を「抱卵(ほうらん)」と呼びます。
ヤマトヌマエビの産卵は魚とは違います。体内で卵を孵化、稚エビになる前のヤマトヌマエビを産みます。
孵化から稚エビの前の幼生を「ゾエア」と呼びます。
抱卵→孵化→ゾエア→稚エビ→成熟という順番。
ヤマトヌマエビの卵を放置するとどうなる?
抱卵したヤマトヌマエビを放置しても大丈夫ですが、生まれたゾエアは死んでしまいます。
放置すると稚エビになりません。2~3日くらいで死んでしまいます。
ヤマトヌマエビがゾエアを無事に産んだとしても、そのまま放置してはいけません。
ヤマトヌマエビと同じくらい人気のエビである「ミナミヌマエビ」でしたら放置しても育ちますが、ヤマトヌマエビのゾエアは汽水という海水が混じった淡水でしか成長しません。
自然界ではヤマトヌマエビのゾエアは川を下り、海水の混じる汽水域でミネラルなどを栄養として成長します。
ヤマトヌマエビが勝手に繁殖、増えすぎる?
ヤマトヌマエビは抱卵、ゾエアを産卵することはありますが、淡水水槽内ではゾエアが生きられない為増えすぎるという問題は起こりません。
日本のエビのミナミヌマエビはよく「勝手に繁殖する」「増えすぎる」という話を聞きますが、ヤマトヌマエビを増やすことは少し難しいです。
ヤマトヌマエビとミナミヌマエビは見た目の大きさから判断できますが、よくヤマトヌマエビとミナミヌマエビを間違えている方もいると思います。
大きい方がヤマトヌマエビ、小さい方がミナミヌマエビと覚えておきましょう。
ヤマトヌマエビの抱卵を確認したらまずは準備をしましょう
まずはゾエアの飼育水(汽水)を用意。
汽水は海水と淡水を混ぜたもので作れます。市販の汽水の素や海水の素を買いに行きましょう。
海水70%、淡水30%の割合で作ります。難しそうですよね。
ネットで簡単に作れる方法が紹介されていました。
2リットルペットボトルを使用して作る方法です。
まずはペットボトル満タンに海水を入れ、30%位海水を捨てます。
捨てた分だけ水槽の水を入れればOKというものでした。
調べて一番簡単な方法はこれだと思います。良かったら試してみてください。
作った後はペットボトル内にやわらかい水草などをたくさん入れて直射日光に当てておきます。
そうすることでゾエアが好む植物性プランクトンを自然発生させ、そのままゾエアの飼育水として使用できるからです。
産卵直前
抱卵3~4週間後に抱卵したヤマトヌマエビが体をバタバタさせるようになったら隔離水槽に隔離。
産卵したら元の水槽に戻します。
ゾエアが生まれたらゆっくりと水を捨てて、用意したペットボトルの水草ごと入れます。
※この時にペットボトルの汽水を全て使い切らないようにしましょう。水替え時に使用します。
その時に小さいゾエアを捨てないように気を付けてください。
産まれてから2週間までが餓死による死亡率が高いので、注意が必要です。
心配でしたらグリーンウォーターかインフゾリアなどがあると安心かもしれません。
水替えは2日に1回1/4の水を換えます。その時にも用意した汽水で飼育。
2~3週間後にはふわふわ浮いていたゾエアもしっかりと着底し、稚エビとなります。
稚エビになれば親エビの餌をすりつぶしたものを食べられるようになります。
稚エビの間も3週間くらいは汽水で飼育し、その後は1か月ほど時間をかけて徐々に淡水に戻してあげます。
1か月後には親エビと同じ水槽に入れても大丈夫です。
ヤマトヌマエビの卵は放置するとどうなる?【まとめ】
ヤマトヌマエビの卵、産卵について紹介しました。
ヤマトヌマエビは勝手に繁殖することも、手をかけてあげないと増えることもありません。
逆に卵からヤマトヌマエビを育てることはとても大変です。
ヤマトヌマエビの抱卵を見かけたら、一度はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。