メダカの繁殖にも慣れてきた方で、メダカを交配させて品種改良をやってみたいと思いませんか?
交配にはある程度の知識が必要で、あらかじめ情報を持っていないと初心者の方には非常に難しいです。
しかし、交配によって新しい品種のメダカを誕生させることは、メダカ飼育の大きな楽しみのひとつで、品種改良に成功すればより一層メダカ飼育を充実させられます。
今回は、初心者の方にも簡単に理解いただけるように、メダカの交配についてわかりやすく解説し、併せて交配におすすめのメダカ品種も紹介させていただきます!
Contents
メダカの交配とは
異なる品種同士のメダカを交尾させて、親のそれぞれの特徴を受け継いだ新しい品種のメダカを誕生させることです。
しかし、親の特徴がすぐに子供に受け継がれるわけではありません。
『メンデルの法則』というものに聞き覚えはありませんか?
中学生くらいの理科の授業で習ったことが、メダカの交配に大変重要になります。
メンデルの法則の中には、『優性の法則』という、親の子供である第1世代で、片方の親の特徴しか現れないという法則があります。
子供は優性と劣性の両方の遺伝子を持ち、特徴として現れるのが優性の遺伝子になります。
AとBが優性、aとbが劣性遺伝子とした場合、親がそれぞれAABBとaabbの遺伝子を持っていると、交配によってAaBbの遺伝子を持った子供しか生まれません。
第1世代のAaBb同士で交配をおこなうと、第2世代でAABB、AABb、AAbb、AaBB、AaBb、Aabb、aaBB、aaBb、aabbの遺伝子を持った子供が生まれます。
そしてこれが『分離の法則』というもので、第1世代同士の交配によって優性の特徴、劣性の特徴が現れる第2世代が生まれます。
少しややこしいので、簡単にイメージしやすいよう説明します。
例えば、ヒレが普通で黒い体色のメダカ(AABB)と、ヒレが長い赤い体色のメダカ(aabb)の交配をおこなうとします。(ヒレの遺伝子をA、体色の遺伝子をBとします。)
第1世代ではヒレが普通で黒い体色のメダカ(AaBb)だけが生まれます。
この第1世代同士で交配をおこなうと、第2世代では
②ヒレが普通で赤い体色のメダカ(AAbb、Aabb)
③ヒレが長い黒い体色のメダカ(aaBB、aaBb)
④ヒレが長い赤い体色のメダカ(aabb)
が生まれます。
遺伝子の組み合わせからもわかる通り、優性の特徴を持ったメダカが多く、劣性の特徴を持ったメダカが少ない割合で誕生します。
そして、第1世代に見られなかった特徴を持った②と③のメダカが、交配によって誕生した新しい品種のメダカということになります。
この新しい品種のメダカのみでさらに交配で世代を重ねていくことで、この新しい品種のメダカが安定して生まれるようになります。
メダカの交配時の注意点
初心者の方に多い、実際に交配をおこなう際の注意点を紹介します。
*親の品種とペアの情報をメモに残す
品種改良は親の情報が最も重要です。
どの親とどの親のペアなのか、しっかりメモを残しておかなければ、その後の交配が崩れてしまいますし、偶然いい品種が誕生しても再現が困難になります。
*オスとメス1匹ずつの1ペアでおこなう
複数のオスメスを同じ飼育容器に入れて交配をおこなうと、卵を産んだとしてもどのメスの、どのオスによって受精した卵かわからなくなります。
管理を簡単にするため、交配はオスとメス1ペアのみでおこなうことをおすすめします。
ただし、メダカ同士にも相性がある点についても注意してください。
産卵や受精に至らなかったりする場合もあるので、その際は別の個体と入れ替えて相性を確認するようにしましょう。
*世代ごとに飼育容器を別ける
前述の通り、交配では世代を重ねても、遺伝子の組み合わせは異なるが親と同じ特徴の子が生まれます。
その為、そのメダカが親世代なのか、第1、第2世代なのか…、とわからなくなってしまい、これもその後の交配で失敗する原因となり要注意です。
世代によっても飼育容器を別けるようにしましょう。
メダカの交配におすすめの改良品種
交配を楽しめるよう、初心者の方にもおすすめしたいメダカの改良品種を紹介します。
・鮮やかな赤色の体色を持ち、大きな存在感を放つ『楊貴妃メダカ』
・その名の通り長いヒレを持ち、美しく優雅に水中を泳ぐ『ヒレナガメダカ』
・大きな黒目が特徴で可愛らしい『パンダメダカ』
上記おすすめ以外にも、ユニークでさまざまな品種のメダカが数多くいます。
好みの品種同士で交配させて、オリジナルの品種改良をしてみましょう。
メダカの交配について【まとめ】
メダカの交配初心者の方でも簡単に理解できるよう、交配について解説させていただきましたが、いかがだったでしょうか?
交配の法則を理解できれば、自分好みの特徴を持たせた品種を狙った交配ができるようになります。
今回紹介させていただいた、交配の注意点をおさえながら、まずは自由な組み合わせでメダカの品種改良を楽しみつつ挑戦してみてください!
最後までご覧いただきありがとうございました。