透ける身体が美しく、苔を食べる姿や水槽内を動きまわる姿が愛らしい「ヤマトヌマエビ」。
アクアリウム水槽などで熱帯魚などと混泳したり、ペットの主役として飼育したりしている方もいると思います。
複数匹で飼育することの多い生体ですが、淡水の水槽内では繁殖できないため、その数は減る一方だったりして、最終的にまったくいなくなったりすることもあります。
その要因として、ヤマトヌマエビが共食いをするという説があります。
本当に共食いするのでしょうか?その理由と対策を確認してみます。
Contents
ヤマトヌマエビは共食いをする可能性はあるの?
ヤマトヌマエビは雑食性です。
苔対策として飼育するイメージのある生体ですが、実際は混泳している生体の食べ残しや、弱っていたり、死んでしまった生体を餌として食べてくれるところから、水槽の掃除屋さんと言われる程に食欲旺盛です。
ヤマトヌマエビも水槽内で弱ったり、死んでしまうことがあるため、複数飼育の場合は他のヤマトヌマエビに捕食されてしまうことはあるでしょう。
脱皮後やカルシウム不足による脱皮不全の時も弱っている状態のため危険です。
水槽の水質を安定させるために、餌を控えめにし過ぎていると、餌が足りなくて動きの遅い生体を狙って食べることもあるようです。
共食いをさせないために出来ること
隠れ場所をつくる
ヤマトヌマエビも生き物です。
メダカや他の魚と一緒に入れる場合、ストレスやケンカなどで調子を崩す時もあるので、休める場所として隠れ場所を作ってあげましょう。
脱皮後のヤマトヌマエビは身体が柔らかい状態の時も狙われやすいため、身体が固くなるまで休める場所が必ず必要です。
脱皮不全の対策をする
ヤマトヌマエビは成長過程での脱皮以外に、水質に身体を合わせるための脱皮を行います。
水槽に入れて日が浅い時ほど良く脱皮するのはそのためです。
健康に脱皮が行えれば問題ありませんが、カルシウム不足で脱皮を失敗することがあり、その時は身体が柔らかいので他のヤマトヌマエビに食べられてしまいます。
またエビなどの甲殻類はカルシウムが必要です。
酸性の水質はヤマトヌマエビの殻を作りにくくする作用があります。
そのために水槽内の水質を酸性にしないように水替えを定期的に行うこと、底砂やろ材はゼオライトなどカルシウムを吸着する物を使わないなどの対策ができます。
脱皮が上手くいったときの抜け殻もカルシウム源として餌になるので、そのままにしましょう。
水槽の水質が安定してから飼育する
立ち上げてすぐや生体を入れたての水槽は、水質が安定しておらず、きれいな水が生息の条件であるヤマトヌマエビの身体には負担が大きいでしょう。
共食いが頻繁に起きている場合は、水質の悪化が疑われる現象です。
水質が合わないために弱ってしまい捕食されることになるのです。
今飼育している水槽のフィルターの処理能力や、水替えのやり方、添加している薬品がある場合はその影響などの見直しが必要です。
水槽を新規で立ち上げた場合は1ヶ月ほど濾過を回し、バクテリアをしっかり繁殖させてから飼育しましょう。
肉を餌として与えない
ヤマトヌマエビは雑食性ですが、死んだ魚を餌と考えて放置すると、苔を食べずに弱った生体を捕食するようになることがあります。
掃除してくれるからと死んだ魚を放置せず、見つけ次第すぐに水槽から取りだした方がよいでしょう。
水質悪化の予防にもなりますからね。
ヤマトヌマエビは共食いすることがあるの?【まとめ】
ヤマトヌマエビの共食いの理由と対策を確認してみました。
本人(?)たちは共食いをしているという意識はないと思いますが、結果として共食いになっているケースがあるということが分かりました。
共食いの現場に遭遇してしまうことほど悲しいことはありません。
対策をとれば避けられます。
日頃からよく観察して、大切なヤマトヌマエビが安心して暮らせるようにしましょう。