苔対策として石巻貝を飼育している水槽の中に、ある日突然白い粒つぶが見つかったら、それは石巻貝の卵の可能性があります。
石巻貝が卵を産むということは、その水槽が石巻貝にとって適した環境であるということですが、卵が産まれるなんて!と嬉しさ反面、実は案外やっかいなことも。
石巻貝の卵について、そのやっかいごとの卵対策方法をいくつかご紹介します。
Contents
石巻貝の卵について知ろう!
石巻貝の卵は白いゴマ粒状の形で、春から夏にかけて大量に産み付けられます。
石巻貝の卵嚢には100個の卵が入っていると言われるため、その数を水槽内のあちらこちらに産み付けられると、場合によっては目障りになります。
水質の変化によって産卵することもあり、産卵周期は1週間に1回ほどです。
産み付けられた卵は他の生体に捕食されて無くなるということがありません。
唯一トーマシーという熱帯魚は石巻貝とその卵を捕食するそうですが、混泳する魚を選ぶため、全ての水槽に当てはまるわけではありません。
メスだけでも産卵しますがその場合は無精卵のため、孵化はしません。
その卵が有精卵の場合は環境が整えば孵化しますが、水槽内が淡水の場合はそのまま成長することは出来ないようです。
石巻貝の卵の何がやっかいなのか?
最も飼育している水槽で困るのは、卵の白い粒が大量にこびりついて美観を損なわれることでしょう。
自然になくなることがないので、どうしても人手が必要です。
そこで卵対策を考えることになるわけです。
石巻貝の卵対策
もし卵が大量に産み付けられて困っていたら、次のような対策を取ることが出来ます。
産み付けられた卵を取り去る
石巻貝の卵は固く産み付けられるので、指先でこする程度では取ることが出来ません。
除去の道具として市販のスクレーパーや、割りばし、定規など硬さのあるものを使用し地道に削り取るようにします。
ガラス面はキレイに取り去ることが出来ますが、水草に産み付けられた卵は水草ごと除去することになります。
岩などに産み付けられた場合、スポンジや歯ブラシでは取れないため、金属ブラシを使ってようやく除去できますが、卵の跡は消えません。
全く元通りに除去するのが出来ないのが、悩みの種といったところです。
卵を産ませないようにする
石巻貝は一匹だけでもそれがメスだとしたら、あとは環境が整えば卵を産むことが出来ます。
産ませないようにするには、石巻貝の住みにくい水質に管理することで卵を産むことを回避することが出来ます。
でもそれは石巻貝にとって負担がある環境ということなので、あまりお勧めできません。
卵を放置する
水槽内が淡水の場合、孵化しても生きられないため、諦めてそのままにし、水の入れ替えなどの時に改めて取り去る。
但し、石巻貝の産卵の環境が整っている水槽では、繰り返し卵が産み付けられることになります。
掃除をしても卵の跡が残って、水槽の景観は元通りにはならないほどです。
もしそれが飼育の負担になるなら、石巻貝の飼育自体を検討することも必要かもしれませんね。
いっそ育ててみる
実はまったく不可能ではありません。
孵化する条件が整えば石巻貝の卵も孵化して、稚貝に育てることが出来ます。
石巻貝の卵が入っている水槽の水を汽水と同じ条件にして1か月ほど様子をみてみましょう。
繁殖成功となればまた違った楽しみが増えますね。
石巻貝の卵対策について【まとめ】
石巻貝の卵対策についてご紹介しました。
水槽の苔を食べてくれるため、水槽管理の負担を軽くするために飼育する場合が多いですが、近年流行しているタイプのアクアリウムは南米原産の水草などを多く育成するため、弱酸性の水質の水槽になりがちで、石巻貝を健康に飼育する環境の維持が難しくなります。
そのために石巻貝が短命に終わってしまう要因にもなります。
また水槽の美観を保つために石巻貝の卵は割とやっかいものです。
石巻貝の生態を理解して飼育すること、飼育する水槽環境に合うコケ取り生体を選ぶことと、水槽の苔対策はやはり貝任せにせず、自身でやるのが一番有効なのかもしれませんね。