マルギナータリクガメは、大きくなると甲羅の後部が反り返ってくるという、他のリクガメにはない特徴を持つ魅力的なカメです。
飼育は比較的簡単と言われていますが、健康に育てるためには適切な飼育環境を整えてあげることが重要です。
この記事では、マルギナータリクガメの飼育環境や飼育に必要な知識を、大きさ、生息地、飼育方法など、さまざまな観点から解説していきます。
マルギナータリクガメってどんなカメ?
マルギナータリクガメは、ギリシャリクガメやヘルマンリクガメと同じチチュウカイリクガメ属の一種です。
穏やかな性格で飼育しやすいことから、ペットとして人気があります。
マルギナータリクガメの大きさ:成体になるとどれくらい?
マルギナータリクガメは、チチュウカイリクガメ属最大の種で、最大甲長は39cmに達します。
飼育下では30cm程度まで成長します。
オスは成長に伴い後部の甲羅(縁甲板)がスカート状に広がり、メスよりも大きくなる傾向があります。
この特徴的な甲羅の反り返りが、「フチゾリリクガメ」という別名の由来となっています。
飼育ケージは、マルギナータリクガメの大きさに合わせて選ぶ必要があります。
成体のマルギナータリクガメを飼育する場合には、最低でも幅120cmのケージが必要になります。
幼体のうちは60cm幅のケージでも飼育できますが、成長に合わせてより大きなケージに移してあげる必要があります。
マルギナータリクガメは活発な種なので、可能な限り広い飼育スペースを確保してあげることが大切です。
マルギナータリクガメの生息地
マルギナータリクガメは、アルバニア南部とギリシャに自然分布し、イタリアのサルデーニャ島とトスカーナ州に移入されています。
サルデーニャ島
乾燥した荒地などに生息し、オリーブ畑以外の農耕地ではあまり見られません。
地中海性気候に適応しており、夏は暑く乾燥し、冬は温暖で雨が多いという環境で生活しています。
飼育下では、マルギナータリクガメの自然環境に近づけることが重要です。
ケージ内は乾燥した状態を保ち、風通しの良い場所に設置しましょう。
日本の夏は高温多湿になるため、特に注意が必要です。
湿気がこもらないように、通気性の良いケースを選び、床材は乾燥系のものを使いましょう。
必要に応じて、水槽用のファンで風を送ったり、除湿機を使用したりするのも効果的です。
マルギナータリクガメの飼育環境
飼育ケージ
マルギナータリクガメは、活発に動き回るため、広々とした飼育ケージが必要です。
成体の飼育には、幅120cm以上のケージを選びましょう。
素材は、ガラス、木製、プラスチックなど、さまざまなものが販売されていますが、通気性の良いものを選ぶようにしましょう。
参考になるyoutuberさんの動画があったので共有します。
水入れ
水入れは、常に清潔な水を入れておきます。
水深は浅く、マルギナータリクガメが溺れないように注意しましょう。
餌皿
餌皿は、食べ残しをすぐに片付けられるように、陶器製など、洗いやすいものを選びましょう。
バスキングライト
バスキングライトの参考図。ここに写っているのはイシガメです。
バスキングライトは、マルギナータリクガメが体温調節をするために必要なものです。
バスキングスポットの温度は30~35℃に設定しましょう。
紫外線ライト
紫外線ライトは、マルギナータリクガメがカルシウムを吸収するために必要なビタミンD3を生成するために必要です。
保温器具
マルギナータリクガメの飼育には、ケージ内の温度を適切に保つことが重要です。
冬場は、保温ライトやパネルヒーターを使ってケージ内を暖めましょう。
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床材
床材は、マルギナータリクガメの足の裏を保護し、ケージ内の湿度を調整する役割があります。
ヤシガラ、バークチップなど、乾燥系の床材を選びましょう。
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シェルター
シェルターは、マルギナータリクガメが安心して休める場所を提供します。
隠れ家があると、マルギナータリクガメはストレスを軽減することができます。
温度計・湿度計
温度計と湿度計は、ケージ内の温度と湿度を常に把握するために必要です。
マルギナータリクガメにとって適切な温度と湿度を保つように管理しましょう。
エサ
マルギナータリクガメは草食なので、主食は野菜や野草です。
特に小松菜、チンゲン菜、モロヘイヤなどを好んで食べます。
副食として、サニーレタスやグリーンリーフ、カボチャなども与えることができます。
野草では、タンポポ、クローバー、シロツメクサなどがおすすめです。
カルシウム不足を防ぐために、カルシウム剤を添加することも重要です。
リクガメフードは栄養バランスが調整されているので、補助食として与えるのも良いでしょう。
マルギナータリクガメの飼育方法:毎日のケアと注意点
マルギナータリクガメの飼育は比較的容易ですが、健康に育てるためには、毎日のケアと注意点を押さえておくことが大切です。
毎日の餌やり
餌は都度与え、食べ残しはすぐに片付けましょう。
1週間分のように、まとめて与えるのはNGです。
餌を与える量は、個体の大きさや活動量によって調整します。
水交換
水入れの水は毎日交換し、常に清潔な状態を保ちましょう。
温度管理
温度計でケージ内の温度をこまめにチェックし、適切な温度を保ちましょう。
特に冬場は、保温器具を使ってケージ内を暖める必要があります。
湿度管理
湿度計でケージ内の湿度をチェックし、乾燥した状態を保ちましょう。
湿度が高すぎると、呼吸器系の病気にかかりやすくなるので注意が必要です。
必要であれば、除湿機を使用するのも効果的です。
日光浴
天候の良い日は、屋外で日光浴をさせましょう。
日光浴は、マルギナータリクガメがカルシウムを吸収するために必要なビタミンD3を生成するのを助けます。
ただし、直射日光に長時間当てると熱中症になる危険性があるので、注意が必要です。
健康チェック
マルギナータリクガメの様子を毎日観察し、食欲不振、動きが鈍い、甲羅の変形などの異変があれば、早めに獣医師に相談しましょう。
マルギナータリクガメの飼育方法【まとめ】
マルギナータリクガメは、飼育しやすい種類のリクガメですが、健康に育てるためには、適切な飼育環境を整えてあげることが重要です。
大きさや生息地、性格などを理解し、必要な飼育用品を揃え、毎日のケアを丁寧に行うことで、マルギナータリクガメは長生きすることができます。