映画「ファインディング・ニモ」がきっかけとなって、それまでマニアックな趣味だった海水魚飼育が一気に一般的になりました。
やはり映画の影響で、イソギンチャクとカクレクマノミをセットで飼う方が多く、これらをセット販売しているケースや、カクレクマノミとイソギンチャクが飼えるとうたった小型水槽が販売されているケースもあります。
では、そもそもイソギンチャクはどのくらい生きるものなのでしょうか。
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イソギンチャクの飼育は難しい
まず、イソギンチャクはカクレクマノミに比べて格段に飼育が難しい生き物です。
魚よりも水質の影響を受けやすく、ある程度強い光を当てないと長生きしません。
しかも、魚よりも状態のわかりにくい生き物で、見慣れていないと生きているのか死んでいるのかわからないかもしれません。
また、イソギンチャクが死ぬと極端に水が汚れるため、水槽内の生き物が全滅、ということもあります。
ときどき、「カクレクマノミはイソギンチャクがいないと死んでしまう」と思っている方がいますが、カクレクマノミはイソギンチャクがいなくても特に問題なく飼育できます。
自信と設備がなければ、イソギンチャクの飼育はやめておいた方がいいでしょう。
イソギンチャクの寿命は?
では、そんなイソギンチャクはそもそもどのくらい生きるものなのでしょうか。
水槽に入れて数か月で溶けてしまった、ということもよく聞かれますが、状態さえよければ7年ほど飼育することができますし、まれに分裂して殖えることさえあります。
一方で、水の状態が悪いと数か月で死んでしまうこともあります。
魚のようにパタッと倒れていたり、水面に逆さになって浮いているといったわかりやすい死に方ではないため、生きているのか死んでいるのかわかりにくい生き物といえます。
イソギンチャクの状態が悪くなると、徐々に体がだらーんと伸びたような状態になり、中央部の口が広がり始めます。
そのまま、反り返ったように触手が広がり、口の中から内臓が出てきます。
ここまでくると、職種の先端や体の表面が溶け始め、ただれたようになります。
この時点で触ってもまだ反応することがありますが、まず元に戻ることはありません。
私の経験上、口が広がり始めた時点でダメになることが多く、あきらめて水槽から出した方がいいと思います。
イソギンチャクの人気種は?
さて、海の生き物としてはわりと飼育難易度の高いイソギンチャクですが、その中でもよく見かける人気種をいくつかご紹介します。
タマイタダキイソギンチャク
レッドやグリーンなど、いくつかのカラーバリエーションが存在するイソギンチャクです。
比較的飼いやすい種類とされていますが、長期飼育を目指すなら強い照明と大容量のフィルターが必須です。特にハマクマノミがよく共生します。
サンゴイソギンチャク
タマイタダキイソギンチャクとよく似たイソギンチャクで、区別があいまいになっていることもあります。こちらも比較的丈夫な種類です。
ハマクマノミがよく入りますが、タマイタダキイソギンチャクより好まれないようです。
イボハタゴイソギンチャク
複雑で繊細な色彩が美しいイソギンチャクですが、高温に弱く飼育は難しい部類になります。
飼育の際は水槽用クーラーが必要です。また、あまりクマノミには好まれないようです。
シライトイソギンチャク
かなりポピュラーで、価格も安く手にしやすいイソギンチャクですが、飼育は意外と難しいところがあります。
ベストな環境がわかりにくく、数か月かけて徐々に弱っていってしまうケースが多いのですが、光を強くするのがポイントのようです。
イソギンチャクの寿命の平均や飼育の注意点は?【まとめ】
いかがでしたか。
今回はイソギンチャクの寿命について解説しました!
イソギンチャク飼育のポイントは、強い光と大容量のフィルターです。
魚よりもずっと繊細な生き物であることを念頭に置いて、飼育にチャレンジしましょう。