ベタ飼育の醍醐味といえば、なんといってもその美しいひれを堪能することです。
その、美しいひれが真に輝く瞬間といっても過言ではないのが、フレアリング。
今回は、ベタのフレアリングについて御紹介します。
ベタのフレアリングとは?
まずは、ベタのフレアリングについて知っておきましょう。
フレアリングとは、ベタがそのひれを目いっぱい広げる行動のことで、昔はフィンスプレッディングとも呼ばれていました。
フレアリングにはいくつか意味があるのですが、大きく分けて次の二つの意味があるとされています。
・オスからメスへの求愛・アピール
ベタの入った水槽を並べて、お互いの姿が見えるようにすると、互いに威嚇しあってひれを目いっぱい広げ、ひれを見せつけるような動きを見せます。
これが、フレアリングです。
行動としての主な意味は威嚇と求愛ですが、どちらもベタが興奮した状態だという点が共通しています。
フレアリングを行うタイミングには個性があり、中には餌やりのタイミングでフレアリングを始めるような個体もいるようです。
逆に、なかなか思ったようにフレアリングを行わない個体もいます。
ベタのメスもフレアリングする?
ベタのメスはオスよりも協調性が高く、しかも求愛のフレアリングはオスがメスに対して行うものなので、メスはフレアリングをしないものと思われがちです。
メスのひれはオスよりもずっと小さいことも、フレアリングをしないと思われている一因だと思います。
実は、オスほど目立たないものの、メスもフレアリングをします。
オスよりだいぶおとなしいとはいえベタはベタなので、ちょっとした小競り合いをすることはありますし、そもそも何らかのタイミングで興奮した際にフレアリングを行うことも多く、メスも興奮したときにフレアリングをします。
オスほどはっきりと闘争を目的にしているわけではありませんが、何かのきっかけで興奮状態になったときに、メスもフレアリングすると思っておくといいでしょう。
フレアリングさせることに意味はある?
ベタのフレアリングは、他個体との闘争やオスからメスへの求愛の際に行われる行動で、ベタが興奮した時にみられるものです。
そうなると、フレアリングをするほど興奮させないほうが、ベタの精神衛生上よろしいのではないか、と考えるかもしれませんが、そうでもないのです。
飼育下のベタをフレアリングさせることには、次のような効果が期待されています。
・ひれとひれの癒着や病気の予防
・ストレス発散
まず、フレアリングは全身のひれを目いっぱい広げて相手に見せつける行動です。
このため、全身の筋肉を使うことになり、体を健康に保つのに役立ちます。
次に、長いひれをたたんだままにしておくとひれとひれが癒着してしまったり、病気が発生する可能性があるため、フレアリングによってそれを防ぐことができます。
さらに、ベタは適度に他個体と闘争することでストレスを発散できるとされています。
実際にオス同士を同居させて闘争させるのはかなりのリスクが伴いますが、仕切り板などを使用したフレアリングでも、そのストレス発散が可能になると考えられています。
もし、ベタを単独で飼っているのなら、鏡を見せてみましょう。
鏡の中の自分にむかってフレアリングする様子が見られるはずです。
ちなみに、スプーンやピンセットなど、およそベタどころか魚に見えないものを相手にフレアリングする個体も知られているので、手元にあるもので試してみるのも楽しいかもしれません。
まとめ
ベタのフレアリングには、
・オスからメスへの求愛
といった意味があり、メスであってもフレアリングをする場合がほとんどです。
フレアリングには、筋力アップや病気予防、ベタのストレス発散といった効果が期待されますので、ときどきやってあげるといいでしょう。