ベタは水面に泡を浮かべて巣を作る独特の繁殖生態で知られています。
ベタの繁殖はややハイレベルですが、挑戦する価値はあるでしょう。
今回は、ベタのメスが産卵した卵を食べてしまうケースについて解説します。
ベタの繁殖の流れ
ベタが食卵する場合の対策について考える前に、簡単にベタの繁殖についておさらいしておきましょう。
基本的には次のような流れで繁殖させます。
2 お見合いさせつつ、オスが泡巣を作るのを待つ
3 泡巣ができたら同居させ、産卵させる
4 産卵が済んだらメスを分ける
5 稚魚が自力で泳ぎだしたらオスを分ける
大雑把に書くと、ベタの繁殖はこのような流れになります。
ベタは性成熟に達したオスが泡巣を作って、産卵間近のメスを誘い込んで産卵させ、その後はオスが卵の面倒をみる、という習性があります。
一方、ベタのオスは一度闘争のスイッチが入ると、相手が死ぬまで止めない気性の荒い一面があります。
このため、ベタのオスのタイミングに合わせてメスを同居させ、産卵が済んだら別居させる、という作業が必要なのです。
また、お見合い中には餌を与えず、絶食させます。
与えれば餌は食べるのですが、ベタを繁殖に集中させるため、与えずにおく方が無難です。
ベタのメスが卵を食べる対策方法
タイトルにもある、ベタのメスが卵を食べてしまうケースですが、タイミングよくメスを別居させれば、食卵は起こりません。
というより、食卵する前にメスを取り除くことになるのです。
ベタの卵は産卵されると水底に沈みます。
オスはそれをせっせと拾い、泡巣にくっつけていきます。
このとき、オスには巣や卵を守る本能が働きますが、メスにはもともとありません。
産卵中に卵を食べることはないものの、産み終わってしばらく経過すると食欲が戻り、卵を食べてしまうことがあるのです。
それ以上に、産卵の終わったメスはオスに攻撃されてしまうことが多く、殺されてしまうことさえあります。
産卵は断続的に行われるためタイミングが難しいのですが、しばらく産卵せず、巣から離れて泳ぐようになったら取り除きましょう。
ベタのオスの食卵の対策方法
先に述べた通り、メスはタイミングよく別居させれば、食卵を防ぐことができます。
実際、ベタの繁殖で食卵が問題になるのはメスよりもオスのほうです。
では、オスが卵を食べてしまう原因にはどのようなものがあるでしょうか。
まず、産んだ卵が無精卵だった場合や、死んでしまった場合です。
無精卵になってしまう原因や死んでしまう原因は割愛しますが、そういった卵を放置すると他の卵に悪影響があるため、オスは積極的に食べて取り除こうとします。
この場合、オスに任せておきましょう。
明らかに選んでつまみ食いするような食べ方をするので、見ていればわかるはずです。
次に、オスに食欲が生じてしまった場合です。
お見合い中に餌を抜くことで繁殖モードに切り替えるのですが、このタイミングがずれるとオスの食欲が変なタイミングで戻ってしまい、卵を食べてしまうことがあります。
お見合いと同時に餌を抜くのがセオリーとされており、安全といえるでしょう。
少なくとも、泡巣を作り始めてから餌を与えるのは良くありません。
最後に、オスが落ち着けない場合です。
落ち着ける環境でない場合、オスは卵の保護をあきらめ、通常の生活に戻ってしまいます。
こうなると、自分が守っていた卵もただの餌と認識されてしまい、バクバクと食べ始めてしまいます。
オスのいる水槽の周りを黒い紙で覆うなどして、オスが落ち着ける環境を作ってやるといいでしょう。
まとめ
ベタの繁殖での食卵対策は、以下の要点にまとめることができます。
・お見合いのタイミングで絶食させる
・メスをタイミングよく別居させる
・オスが落ち着ける環境を作る
一度食卵し始めると、その回の繁殖はあきらめるしかありませんが、産卵までこぎつけたペアでいることになります。
何度か再チャレンジしているうちにうまくいくはずです。