熱帯魚を飼っているとどうしても尽きない悩みの種が、コケです。
ガラス面に生えたコケを掃除するのも面倒ですが、流木や水草など、掃除できないところに生えたコケを退治するのは至難の業。
そんなときに活躍するのが、オトシンクルスなどのお掃除役の生き物です。
では、オトシンクルスのコケ取り能力はどのくらいなのでしょうか。
またオトシンクルスは夜行性であるかについても解説していきます!!
オトシンクルスはこんな魚
コケ取り魚として古くから親しまれているオトシンクルスですが、実はナマズの仲間です。
プレコやロリカリアの仲間に近縁で、口の形などはそっくりです。
全長は最大で4センチ程度と小型で、明るい褐色に焦げ茶色のラインが入ったツートーンカラーの体色が特徴です。
「オトシンクルス」というのは厳密にはこの仲間のグループ名で、特定の種を指す言葉ではありません。
よく流通するのは「オトシンクルス・ヴィッタートゥス」という種ですが、時折違う種が混ざっていました。
近年ではこの仲間の魅力が見直され、オトシン・ネグロやゼブラオトシンのようにある程度固定化されて流通している種もいます。
主食はコケで、水草を食害することもなくとてもありがたい魚なのですが、コケが少ない環境で人工飼料を使って飼育するのは意外と難しく、長期飼育となるとちょっと身構えてしまう魚でもあります。
オトシンクルスは夜行性?
プレコやロリカリアに近縁ということもあり、オトシンクルスも基本的に夜行性です。
昼間の明るい時間より、照明を落とした後の方が、活発に動き回っている様子が観察できます。
ただし、そこまで厳密な夜行性というわけでもなく、飼育環境に慣れれば明るくても活発に活動するようになります。
本来夜行性の魚が昼間にも活発に活動していると、いったいいつ寝ているのか気になるところかもしれません。
そもそも、魚の仲間は人間のようにまとまった睡眠時間をとることはありません。
自然界では、いつなんどき天敵に襲われるかわからないためです。
人間でいえばうたた寝のような状態で睡眠をとり、ふたたび活動します。そのため、見かけ上は眠っていないようにも見えるのです。
オトシンクルスのコケ取り能力は?
そんなオトシンクルスの、肝心のコケ取り能力はどうでしょうか。
賛否両論ありますが、個人的にはかなり期待できると思っています。
この仲間の例に漏れず、オトシンクルスも大きさの割には大食漢です。
オトシンクルスは四六時中コケを食べているので、目に見えてコケが減っていきます。
それにも関わらず賛否両論あるのは、オトシンクルスが食べられるコケが限られているためです。
オトシンクルスの口は、プレコやロリカリアと同じく吸盤のような形になっています。
この口で、ガラス面や岩、流木や水草などの表面に生えたコケをこそげ落とすようにして食べます。
このため、ガラス面全体にべったりと広がるタイプのコケには有効ですが、糸状やひげ状のコケを食べるのは不得意です。
こういったコケの場合は、ヤマトヌマエビなどエビ類のほうが向いています。
ちなみに、オトシンクルスよりもコケ取り能力が高い魚としてアルジーイーターがおススメされることがあります。アルジーイーターはオトシンクルスに雰囲気が似ていますが、ナマズではなくコイ科の魚です。
確かに、オトシンクルスよりもよく食べ、オトシンクルスが食べない糸状やひげ状のコケも食べるので、一見コケ取りに向いているように思えるかもしれません。
しかし、オトシンクルスと同じくらいの大きさで売られているのは稚魚で、成長すると15センチほどになります。その大きさになるとコケだけでなく水草の新芽も食害するようになってしまいます。
オトシンクルスは夜行性で睡眠時間はどの位?【まとめ】
オトシンクルスは夜行性のナマズの仲間ですが、環境に慣れれば明るい時間帯でも活動するようになります。
コケ取り能力は高い方ですが、能力を発揮できるコケの種類があるため、対処したいコケを見極めてから選ぶといいでしょう。