数多くの種がいる小型カラシンの中でも、頭部の赤い色の美しさとボリュームのある体格で人気なのがラミーノーズテトラです。
群れを作る習性も強く、水槽内でもまとまった群れで泳いでいます。
それでは、そんなラミーノーズテトラの水槽内繁殖は可能なのでしょうか。
Contents
ラミーノーズテトラの飼育は奥深い
そもそも、ラミーノーズテトラは小型カラシンの中でもなかなか奥深い楽しみを秘めた魚です。
それは、この魚には「飼い込む」「仕上げる」楽しさがあるからだといえます。
ラミーノーズテトラに限らず、ほとんどの熱帯魚はショップでも美しい体色を示し、自宅の水槽内でもその姿を見せてくれます。
ところが、適した環境で長期間飼育すると、徐々に雰囲気が変わっていくことがあります。
言葉で表現するのが難しいのですが、深みのある美しさへと変貌していくのです。
熱帯魚の世界では、これを「飼い込む」とか「仕上げる」といいます。
ネオンテトラなどはいつでも美しいのであまり変化がわからないのですが、ラミーノーズテトラは頭部の赤さと体格に明確な違いが現れます。
飼い込まれたラミーノーズテトラの美しさは格別だといえるでしょう。この飼い込まれた状態が、繁殖にも適した状態だといえます。
ラミーノーズテトラの繁殖は難しい?
雌雄の判別が難しい
実は、ラミーノーズテトラの繁殖は不可能ではないもののかなり難しい部類に入ります。
まず、雌雄の判別が難しくペアを見分けられないため、抱卵したメスを探すところからスタートすることになります。
複数の群れで飼っていれば確率的にペアがいる可能性が高いため、気付けば抱卵していることがあります。
そういった個体を見つけることが第一歩です。
抱卵しているメスは隔離
抱卵しているメスを見つけたら、隔離水槽を用意しましょう。
水槽内に設置するタイプの産卵箱でも構いませんが、個人的には別水槽を立ち上げた方がうまくいくと思います。
どうも産卵にはある程度の環境変化が必要なようで、別水槽に移すことで水質が変化し、産卵への引き金になることが期待できます。
隔離水槽にはウィローモス(水草)を入れておきましょう。
このモスの中に産卵するのですが、産卵した卵を食べてしまうことが多いので、必ずモスを入れて卵が隠れるようにしましょう。
産卵を確認後、親魚は水槽に戻す
産卵を確認したら、親魚は元の水槽に戻します。
生まれた稚魚はなぜか強い光に弱いので、水槽には覆いをしておきましょう。
産卵後、数日以内に卵はふ化しますが、生れた稚魚は非常に小さく、ブラインシュリンプも食べられません。
インフゾリアという名前で総称される微生物を食べるのですが、扱いが難しく、インフゾリアがいるのかどうか、いたとして稚魚が食べているのかどうかわかりません。
モスの中にインフゾリアが自然発生していると期待して、ある程度の大きさになるまで放置してもいいでしょう。
ブラインシュリンプを食べられる大きさになるまで数日から10日ほどかかりますが、その大きさになったらブラインシュリンプや稚魚用の人工飼料を与えます。
2か月もすれば親魚と同じ水槽に入れられる大きさになっているはずです。
ラミーノーズテトラの繁殖方法は?【まとめ】
雌雄判別が難しいこと、卵バラマキ型の産卵で卵を親魚が食害すること、稚魚が非常に小さいことが、ラミーノーズテトラ繁殖のネックだといえます。
また、メスの隔離のところでも触れましたが、産卵を誘発するのに水質などの環境変化が必要です。
これは、わざと魚にストレスをかけることになります。
この変化が少なすぎれば産卵を誘発できませんし、大きすぎると魚が弱ってしまいます。
このあたりの加減も難しいといえるでしょう。
ただし、稚魚の成長は早く数か月で親魚と変わらなくなります。機会があれば、ぜひチャレンジしてみてくださいね。