グッピーの魅力といえば、小さな体に似合わない大きな美しい尾ひれをひらひらと翻して泳ぐ姿ですよね。
基本的に、グッピーは水槽内の表層に近いところを絶えず縦横に泳ぎ回っている魚です。
ところが、そのグッピーが水流に向かって突進するように泳いでいることがあります。
わざと水流に向かっているようで、遊んでいるようにも見えますね。
これは、グッピーにとってどのような状態なのでしょうか。
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グッピーが水流に向かって泳ぐ理由
パターン① 水流が強すぎる
最初に書いた通り、グッピーは水槽内をずっと泳ぎ回るタイプの魚で、一方向に向かい続けたり、ある位置に定位し続けたりするタイプではありません。
しかし、グッピーに限らず多くの魚には「水流に向かって泳ぐ」という本能があります。
そうしないと、自分の行きたい方向に関係なく水流に流されてしまうからです。
グッピーが自由自在に泳ぐのも、自分の位置を自分で決めて泳げることが前提となっています。
ところが、水流が強すぎる場合、自由に泳ぎ回る以前に自分の位置を保つことで精一杯になってしまいます。
そのため、自分の位置を保つために水流に向かって泳ぎ続けることになってしまうのです。
この状態は、グッピーにとって適度な運動となり適切な体形を保つのに役立つ、という人もいます。
しかし、多くの方が飼育しているのは品種改良されたグッピーで、特にオスは野生のグッピーよりもはるかに大きな尾ひれをもっています。
そのため、水流に向かって泳ぎ続ける状態はグッピーにとってあまり適切な環境とはいえないでしょう。
フィルターの種類にもよりますが、たとえば水の出口をガラス面に向けて水流を弱めたり、シャワーパイプを取り付けて水流を弱める工夫をするといいでしょう。
パターン② 酸欠状態になっている
水中の酸素が足りない場合にも、同じような行動を示すことがあります。
グッピーだけでなく、淡水の魚の多くは、水中の酸素が足りなくなると水面で口をパクパクさせ、口から空気を取り込んで呼吸しようとします。
通常、水流のある場所に向かった方が水中の酸素は多くなるので、本能的に水流に向かって泳ぎながら水面で口をパクパクさせ、少しでも楽に呼吸しようとするのです。
もし、水流に向かって泳ぎながら水面で口をパクパクさせていたら、酸欠の可能性が高いといえます。
すぐに水を替え、できればエアポンプでエアレーションを行いましょう。
酸欠状態が長く続くと、体の弱い個体から衰弱して死んでしまいますので、早めの対処が必要です。
パターン③グッピー病にかかっている
グッピー病はグッピーに見られる特有の病気で、グッピーエイズ、針病とも呼ばれます。
グッピー病にかかると、ひれを針のように細くたたみ、水面で頭を振るようにして泳ぎます。
このとき、水流があるとそこに向かって泳ぐようです。
グッピー病は感染力の強い恐ろしい病気で、一匹見つかるとその水槽内のすべての個体に感染している場合があります。
しかも、発症を発見してから死亡するまでの時間が短く、有効な治療法も確立されていません。
適切に飼育していてもかかってしまうことがあり、もしも自分の水槽で見つけたら為す術のない病気といえます。
予防のためにできることといえば、新しい個体から感染させないため、新しい個体を導入する際はしばらく別水槽で様子をみてからにする、といった工夫が挙げられます。
外国産グッピーに多いといわれていますが、まれに国産グッピーから感染が拡大することもあり、徐々に日本でも感染率が上がっているようです。
グッピーが水流に向かって泳ぐ理由【まとめ】
グッピーに「遊ぶ」という感覚があるかどうかは微妙なところで、飼い主の感覚によるところも多いといえます。
遊んでいるように見えてほほえましい、と思うのは自由ですが、何らかのトラブルが原因になっていないか、良くチェックするといいでしょう。