水槽の低層をちょこちょこと泳ぎ回る姿が愛らしいコリドラス。
水槽の名脇役として有名なだけでなく、コリドラスを主役にしてもじゅうぶん見ごたえがあります。
中には、コリドラスをコレクションするマニアもいるほどです。
そんなコリドラスが水槽内で自然繁殖し、ミニチュアのコリドラスがワラワラと泳いでいたらかわいいですよね?
今回は、コリドラスの自然繁殖について解説します。
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コリドラスの繁殖は難しい?そう言われる原因とは?
グッピーやプラティなど卵胎生の魚に比べれば、コリドラスの繁殖は難しい部類に入りますが、できないわけではありません。
種類によって難易度に差があり、入門種として有名なアエネウスは繁殖も容易な部類に入ります。
コリドラスはオスメス判別が難しい
コリドラスの繁殖が難しい理由の一つは、雌雄判別が難しいことです。
性成熟すると、なんとなくメスのほうがふっくらとしてくるのですが、これは見慣れないとわからないと思います。
産卵の条件がある
もう一つは、産卵にある程度の条件があることです。
水替えをしたタイミングで産卵しやすいとか、低気圧が近づくと産卵しやすいとか、いくつか「説」がありますが、定かではありません。
この条件があまりシビアでなく産卵しやすいのがアエネウスで、繁殖が難しいといわれている種は条件がシビアでよくわからない、ということになります。
コリドラスの繁殖は変わってる?どんな風に繁殖するの?
Tポジションとは
コリドラスはTポジションと呼ばれる、独特の繁殖を行うことで知られています。
オスが出した精子をメスが口に含み、そのまま飲み込んでお腹の中で受精させるのです。
このとき、オスとメスが直角に接触するので、Tポジションと呼ばれています。
メスは硬い基質に卵を産み付ける
お腹に受精卵をもったメスはしばらくすると流木や石、ガラス面など硬い基質に卵を産み付けます。
普通、コリドラスを繁殖させる場合、この卵を別の水槽に移動させてふ化させます。
流木や石の場合はそれらごと移動させ、ガラス面に産んだ場合は指ではがして別水槽に付け直すことになります。
ふ化した子どもは小さいながらもちゃんとコリドラスの形をしており、成魚と同様に底砂付近で生活します。
ふ化から数日経過すると自分で餌を食べ始めるので、稚魚用の餌を与えて育てます。
コリドラスの自然繁殖は難しいのか?
成魚がいる水槽内でコリドラスが自然繁殖するのは少し難しいかもしれません。
まず、産卵した卵が他の魚に食べられてしまうことがあります。
特にガラス面に産んだ卵は食べられやすく、全滅することも珍しくありません。
コリドラスだけで飼育していても、卵の共食いのリスクは変わりません。
また、ふ化した稚魚が生存できる環境と、食べられる餌が必要です。
コリドラスの成魚を普通に飼育している水槽なら底砂は敷いてあるのが普通ですが、成魚は耐えられる程度の汚れ具合でも、稚魚には過酷な環境である場合があります。
また、稚魚の口に入る何らかの餌がないと、大きく育つことができません。
稚魚用の餌を成魚がいる水槽にまいても、成魚に食べられてしまって稚魚が餌を食べられないケースがあります。
水槽内の環境がよく、成魚に見つかりにくい場所に産卵し、稚魚の餌になるような微生物が自然発生しているような水槽であれば、自然繁殖する場合もあります。
90センチくらいの大型水槽で、設置からある程度の年数が経過しており、複雑なレイアウトが施されていると、自然繁殖に成功しやすいようです。
もちろん、条件さえよければ自然繁殖でもどんどん数が増え、大きな群れになっていることもあります。
コリドラスは自然繁殖する事はある?【まとめ】
ちゃんとコリドラスの繁殖にチャレンジしたいのなら、やはりふ化用の水槽を別に立ち上げて管理する方が確実で簡単です。
自然繁殖を狙うのなら、自然繁殖しやすいような環境の水槽を最初から立ち上げて、時間をかけて整えていくことが必要です。