グッピーは飼育、繁殖ともに簡単な魚として有名です。
乱暴な言い方をすれば、ペアをそろえて一緒に飼っていれば殖えていますよ、ともいえるでしょう。
そのくらい簡単です。
とはいえ、特に初めて繁殖に挑戦する方にとっては、グッピーがどのくらいの期間で繁殖するのか気になるはずです。
それに、特定の血統を計画的に繁殖させる場合にも妊娠期間や妊娠メスの見分け方は知っておいた方がいいでしょう。
今回は、グッピーの妊娠期間や妊娠メスの見分け方についてご紹介します。
グッピーの妊娠期間はどの位なの?
一般的に、グッピーの妊娠期間は28日間といわれています。
これはオスと交尾してから出産するまでの日数です。
実際には、メスの成熟の程度や水温など環境によって少し前後するので、交尾から1か月弱で出産する、と考えておくといいでしょう。
生れた稚魚が性成熟するまで最短で3か月程度なので、生れたメスの稚魚が自分の子どもを出産するまで4か月程度、ということになります。
そう考えると、成長も繁殖ペースも非常に早い魚、という印象がありますね。
また、飼育されているグッピーには決まった繁殖期はなく、適温で飼育していれば、年間を通していつでも繁殖します。
妊娠しているグッピーのメスの見分け方
グッピーの場合、メスのほうが体が大きくふっくらしているので、特に初めて繁殖に挑戦する方にとっては妊娠しているかどうかわかりにくいかもしれません。
妊娠している場合、出産が近くなると尾びれに近い部分の腹に黒い模様が浮き出てきます。
妊娠マークと呼ばれていて、このマークが見えれば妊娠は確実です。
また、妊娠によってお腹が膨らんでいる場合、ちょっと角ばったような膨らみ方をします。
見慣れていればすぐにわかりますが、これは初心者さんには難しいかもしれません。
角ばったような膨らみ方にしても、妊娠マークにしても、妊娠初期にはわかりませんが、出産間近にはわかるようになります。
妊娠メスを見分けなければいけないのは出産前にメスを隔離する場合なので、出産間近に判別できればじゅうぶん間に合います。
すぐに隔離できるよう、隔離用の水槽や産卵箱は事前に用意しておきましょう。
妊娠中のグッピーがメスかを見分けるメリット
成魚を飼育している水槽で自然繁殖させたいのなら、妊娠メスを判別する必要はありません。
妊娠したメスを隔離して確実に稚魚を残したい場合、特に血統維持や品種改良を目的として計画的に繁殖を行いたい場合に、妊娠メスを判別する必要があるのです。
ある品種の血統維持のために繁殖をする場合、その品種のオスとメスを選んでペアリングします。
グッピーの場合、オスが執拗にメスを追いかけまわすような行動はとらないので、確実に交尾させるためにしばらくペアのまま飼育していても大丈夫です。
ところが、せっかく出産した稚魚が親魚に食べられてしまうことがあります。
これを防ぐのにもっとも効果的なのは、出産する前にオスを取り出してメスだけにして、出産がすんだらメスも取り出すことです。
このためには、メスが出産するタイミングを知る必要があります。
普段はオスとメスを分けて飼育していることを前提とすれば、少なくとも妊娠マークが出ていれば交尾は成功しもうすぐ出産するのがわかるので、オスを取り出せばいいわけです。
また、グッピーには「貯精」といって、メスの体内に精子がしばらく残り続け、交尾しなくても数回は出産することがあります。
この場合の妊娠期間も1か月弱程度で、回数には個体差があります。
一度ペアリングに使ったメスをしばらく交尾させずに飼育して、1か月以上経過しても妊娠マークが出なくなれば、貯精した精子はなくなったと考えられ、次のペアリングに使えます。
こういった意味からも、妊娠メスを見分けた方が都合がいいのです。
グッピーの妊娠期間はどのくらい?【まとめ】
グッピーは妊娠期間も性成熟までの時間も短く、短期間で繁殖する魚です。
だからこそ、血統維持などを目的として計画的に繁殖させる場合、きちんとした管理が必要になります。
このとき、大切になるのが妊娠メスを確実に見分けることです。
グッピーを本格的に繁殖させたいのなら、妊娠メスの見分けと妊娠期間の扱いに慣れておきましょう。