グッピーといえば、飼いやすさ、美しさでも有名ですが、繁殖のしやすさでも有名ですね。
成魚も小さくてかわいらしい魚ですが、小さな稚魚が一生懸命泳いでいる姿も格別です。
ところが、そんなかわいい稚魚が他のグッピーに食べられてしまうことがあります。
今回は、グッピーの共食いについて解説します。
グッピーは共食いする?
まず、原則としてどんな魚であっても、サイズが大きく離れていると共食いの恐れがあると考えましょう。
もちろん、ピラニアのように同じ大きさの仲間を集団で襲って骨だけにしたり、レッドテールキャットフィッシュのようにほとんど大きさの変わらない相手を丸呑みにしてしまうような魚は一部だけです。
でも、そこまで極端でなくても、口に入る大きさの相手を食べてしまう魚は多くいます。
多くの場合、稚魚は非常に小さく成魚の口に入ってしまう大きさのため、稚魚が成魚に食べられる共食いが起こりやすいのです。
また、弱って泳げなくなったり、ひどい傷を負った個体を集団でつついてしまうこともあります。
グッピーの場合はつつくだけで、食いちぎって食べてしまうことはあまりないように思いますが、「仲間だから食べない」という認識はないようです。
グッピーは自分の子どもでも共食いする?
人間の感覚ではちょっと考えられませんが、稚魚を生んだ親魚が自分の子どもを食べてしまうこともよくあります。
残念ながら、魚には「自分の子ども」という認識がほとんどないため、このパターンの共食いも起こってしまうのです。
卵を産むタイプの魚では自分が産んだ卵を食べてしまうこともありますし、そこからふ化した赤ちゃんを食べてしまうこともあります。
グッピーの場合、出産から丸一日程度は親魚と稚魚を一緒にしておいても食べられることはありませんが、これはグッピーが自分の子どもを認識しているからなのか、出産直後で食欲があまりないからなのかわかりません。
いずれにしても、2~3日経過すると、出産したグッピーも自分の子どもを食べるようになってしまいます。
グッピーが共食いを防ぐ対策は?
結論から言えば、稚魚の共食いを防ぐには親魚やほかの成魚と分けるか、隠れ家を用意して稚魚が見つからないようにするしかありません。
確実なのは前者の方です。
出産が見込まれるメスを産卵箱や別水槽に隔離し、出産を確認したら、産んだ親魚をもとの水槽に戻しましょう。
これで、稚魚だけが隔離できているはずです。
稚魚は非常に小さいので小型水槽で管理したくなりますが、小型水槽は水質の管理が難しく、水質変化に敏感な稚魚には不向きかもしれません。
産卵箱なら、もとの大きな水槽の内部に設置して水を共有できるので、水質が急変してしまう可能性を低くすることができます。
産卵箱や別水槽の設置が難しい場合、ウィローモスなどの葉が密生した水草を多く投入しましょう。
密生した葉の間に稚魚が入り込んで隠れ家にすることができます。
スズランテープを割いて自作することもできますが、ウィローモスを投げ込む方がお手軽だと思います。
ただ、物理的に隔離したわけではないので、どうしても成魚に見つかって食べられてしまう稚魚がいます。
また、稚魚だけに餌を与えることが難しいので、自力で生き残れた個体だけが大きく成長できる、ということになります。
効率よく確実に稚魚を残したいのなら隔離、なんとなく自然繁殖して数が増えればいいなと思うくらいならウィローモスなど隠れ家を投入、というふうに、やり方を使い分けるといいでしょう。
グッピーが共食いする?【まとめ】
人の心情としては、親子で仲良く泳ぐグッピーの姿を見てみたいと思うかもしれませんが、実際には難しいと言わざるを得ません。
基本的には、稚魚と成魚、親魚を一緒にしておくと稚魚が食べられてしまうと考えましょう。
共食いを防ぐには、稚魚を隔離して育てるか、稚魚が逃げ込める隠れ家を用意してやることが必要です。