水槽の底砂周辺をちょこまかと泳ぎ回るコリドラスは、愛嬌があってとてもかわいらしいものです。
もちろん、普通に飼育していても楽しいのですが、もし親子で群れを作っていたら…と思うと、想像するだけで楽しくなりますね。
自分で繁殖させて、親子で群れを作る姿を見てみたいものですが、実はコリドラスはオスとメスの判別がしにくい魚としても有名です。
今回は、コリドラスのオスとメスの見分けについてご紹介します。
Contents
コリドラスのオスメスの違いは?
コリドラスはオスメスの判別が難しい
コリドラスは、数ある熱帯魚の中でもオスとメスの判別がしにくい魚です。
その理由は、オスとメスに明確な違いがないことだといえます。
一応、どちらかといえばスリムなのがオス、どちらかといえばふっくらしているのがメスなのですが、成熟の程度や餌の食べ具合などで変わるため、あやふやな判別方法です。
サイズや体色にも違いが出ないため、コリドラスのオスとメスの判別は非常に難しいといえるでしょう。
確実な判別方法は繁殖
もっとも確実な判別方法は繁殖経験、などという冗談のような話もあるくらいです。
このため、ショップでコリドラスがペア販売されていることもほとんどありません。
コリドラスのオスメスは、ひれで判定できる?
腹びれを要チェック
どうしてもコリドラスのオスとメスを判別したい場合、基準というか、ヒントとなるポイントのひとつがひれです。
時折、背びれがより長く伸びるのがオス、という記述を見かけますが、私の知る限り背びれでオスとメスを判別できる種はいません。
スーパーシュワルツィのような背びれが長く伸びる種でも、オスとメスどちらも同じくらい伸びるため、背びれの大きさや形はアテにならないのが実態です。
ではどこのひれを見るかというと、腹びれです。
腹びれのオスとメスの特徴
おおまかな傾向として、オスの腹びれは角ばっていて、メスの腹びれは丸っこいものが多い、という特徴があります。
ただし、これも種によって異なるため、自分が判別したいコリドラスの腹びれの形を調べておくことが必要です。
この判別方法で比較的見分けやすいのは、ステルバイでしょうか。
オスは細長く鋭利な腹びれをしていますが、メスはうちわ型の丸い腹びれです。
アドルフォイの場合、腹びれの形もオスとメスでよく似ていてなかなか判別が難しいのですが、オスの腹びれにはわずかにカドがあります。
コリドラスのオスとメスを判定できなくても繁殖はできる?
なんとなく、オスとメスを判別して確実にペアをそろえなければ繁殖はできないようなイメージがありますが、判別できなくてもコリドラスの繁殖はできます。
コリドラスは普通、石や流木、水槽のガラス面などに卵を産みます。
コリドラスは雑食性の底生魚なので、垂直な面に産み付けられた卵を積極的に食べることはありません。
そして、コリドラスはメスの体内で卵を受精させる体内受精の魚なので、産卵された卵はすでに受精卵となっています。
つまり、卵の存在を確認してから成魚を別水槽に移せば、繁殖は可能なのです。
そのため、コリドラスの繁殖を狙う場合、最初から別水槽を用意しておき、産卵を確認したら成魚を移動できるようにしておきましょう。
また、少なくとも5匹以上の群れで飼育することも重要なポイントです。
もともと、緩い群れを作って暮らす魚なので複数飼育すべきなのですが、数多く飼えば飼うほど、その中にペアが含まれている確率も高くなります。
水槽のサイズも含めて検討すべきですが、5匹以上飼うことを心がければ、オスかメスどちらか片方が1匹くらいは混ざっているはずです。
複数のオスを入れても争ったりしないので、安心して複数飼育に臨みましょう。
コリドラスのオスとメスの見分け方は?【まとめ】
コリドラスのオスとメスは、体形と腹びれの形で判別することができます。
ただし、顕著な違いがあるわけではないので、かなり難しいと考えましょう。
繁殖を狙うのなら、無理にオスとメスを判別してペアをそろえようとするより、複数飼育して確率的にペアがそろうのを期待する方がいいでしょう。