皆さん、蛇と言えば豪快に獲物をとって食べている印象が強いと思いますが、蛇の感覚器官はどうなっているか気になったことはありませんか?
「蛇は目が見えにくい」とも言われていますが、筆者が飼育しているコーンスネークは筆者の手や姿を追いかけてくれる様子が見られたり、筆者が近づいたのが分かっている様子が見られます。
蛇の聴覚を初め、蛇の感覚器官はどうなっているのでしょうか?
蛇の聴覚等、感覚器官についてまとめてみましたのでぜひとも参考にされてみてください。
蛇の聴覚はどうなっている?音を聴き分けるメカニズムは?
蛇は実は音の聴き分けは動物の中でも優れています。
蛇は鼓膜などの耳の機能が退化していますが、体の内側に内耳と呼ばれる音を感知する機能は存在しています。
人間は耳から音が入り、鼓膜が振動することによって聴力を感じていますが、蛇は骨や筋肉などを通じて内耳に伝わり、音を感知しています。
そのため、蛇は地面を歩く獲物の振動や草が当たるわずかな音にすらも反応出来るほど聴力が優れているのです。
地面を這って移動することも音の振動が伝わりやすくなる要因なので、非常に効率的な作りになっていますよね。
また、蛇は地面の音だけでなく、空中の低周波音も聞こえることがあるようです。
蛇の聴覚は凄まじいものがありますね。
蛇の嗅覚は鋭い!
皆さん、蛇の嗅覚がすごく鋭いことはご存知だと思いますし、想像がつくと思います。
では、蛇は舌で嗅覚を運んでいるというのはご存知ですか?
蛇が舌をチロチロしているところはよく見かけますが、あれは実は空気中の匂いの粒子を舌に集めているのです。
蛇の舌先が二股になっているのは匂いを感知し、匂いがする方向を探るためで、舌で集めた粒子を口腔内の上顎にあるヤコブソン器官に送り、その粒子で匂いを感知します。
また、ヤコブソン器官の他にピット器官を持っている蛇もいます。
ピット器官は赤外線探知が出来る器官で、獲物の体温を感知するときに役立っています。種類によっては0.001度の温度差を感じられる種類もいるようですよ。
このピット器官とヤコブソン器官を上手に使って、蛇は捕食をしているのですね。
蛇の視覚はどうなっている?
蛇はきれいなまん丸の目をしていますよね。
大きい目をしているので一見良く見えそうにも思えますが、実は蛇の目はあまりよくありません。
蛇の視界は目の位置から前方60°程度しか見えておらず、その範囲でも色を見分けることは出来ないと考えらえています。
また、一見目が開けっ放しのようにもみえますが、蛇の目にはまぶたがなく、ウロコが変化した眼鏡板という透明な膜に覆われていることから蛇は常に目を開けた状態のように見えています。
筆者の手を追っかけてくる仕草は手が見えて追いかけているのではなく、ヤコブソン器官で匂いを感知し、ピット器官で温度を感知して生体が動いていることが分かるので追いかけてきているということですね。
蛇は血液の匂いにも敏感ですので、もし筆者の手にマウスの匂いや血液がついていたら…と思うとぞっとしますが、こちらが気を付けて接することで噛みつき事故は免れそうですね。
蛇の聴覚は優れている?【まとめ】
いかがでしたでしょうか?蛇の感覚器官についてまとめてみました。
蛇が餌を上手に捕獲出来るのは、匂いの探知が上手なことと、赤外線センサーになるピット器官が肝心な要のようです。
そのため、飼育している蛇に餌を与える際には十分に温めてから与えるようにしてください。
そうすることで消化不良も防ぐことができますし、捕食が容易に出来るようになります。
蛇の感覚器官についてはまだ分かっていないこともあるので、今後新たな発見があることが楽しみですね。