魚やザリガニを食べるために水の中には入りますが、スイスイと泳ぎ回るイメージはありませんよね。
*画像はイメージです。画像と本文と直接の関係はありません。
でも実は、イタチが泳ぐこともあるのも知っていますか?
さらに今日は、イタチの仲間のカワウソやラッコのお話もしてみたいと思います。
イタチたちと水のお話の始まりです!
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イタチが泳ぐって本当なの?
これは本当です。
「イタチ」と呼ばれる、ニホンイタチ、チョウセンイタチ、イイズナ、オコジョには水かきがあります。
イタチの仲間のカワウソやラッコほどではありませんが、普段陸上で暮らしているイタチたちにも水かきはあるのです。
だから彼らは少しの間であれば、潜水して魚を捕まえることがあります。
ただ、イタチはカワウソやラッコのように、水中を自由自在に泳ぎ回るということは難しいので、狙った獲物を仕留める時に短時間水に浸かるという方が正しいかもしれません。
カワウソとラッコは泳ぐために進化した
カワウソやその仲間のラッコは、みなさんもご存知のとおり、水の中にいることが多いイタチ科の動物です。
カワウソの分類は、食肉目イタチ科カワウソ亜科となり、その先で各種のカワウソ属に分かれます。
ラッコは食肉目イタチ科カワウソ亜科ラッコ属となっていて、カワウソとはほんの少し違う動物です。
イタチが進化して水の中を自由に泳ぎ回れるようになったのがカワウソ、そして泳ぐだけでなく水の中で生活できるように進化したのがラッコとなります。
だからカワウソとラッコはよく似ているのですね。
カワウソの泳ぐ速さは、時速にすると2.5〜4.3kmくらいです。
ペンギンが時速6〜20kmくらいだと言われているので、それよりはゆったりした泳ぎ方です。
ペンギンって、空を飛ぶような勢いで水の中を動き回りますよね。
さすがにカワウソの体では、あの泳ぎはムリだろうと思います。
でもフサフサした立派な尻尾の強さで、カワウソが40km以上の距離を泳いだという調査結果も発表されているので、速さはあまりなくても持久力はありそうです。
一方、ラッコは時速9kmほどで泳ぎます。
さすが水の中で生きられるように進化しただけあって、カワウソよりも泳ぎは得意なようですね。
そしてラッコの場合は距離の長さよりも深く潜る方が得意で、最長50m以上潜ったという記録があります。
イソギンチャクに隠れた魚や、岩に貼り付いている貝を食べるために、深く潜る必要もあるのでしょうね。
のんびり海に浮いているイメージとは大きく違う一面を、ラッコは持っています。
*ニホンカワウソは絶滅・ラッコは復活
イタチは日本全国に4種7亜種が生息していますが、ニホンカワウソは残念ながら2012年に絶滅が発表されました。
そのため日本では野生のカワウソを見ることはできません。
動物園でしか会えない動物なのは少し寂しいですね。
でもラッコは一時期日本では絶滅したとされていましたが、1980年に北海道の東側の海で野生のラッコが発見されました。
日本の野生生物がどんどん絶滅の危機に陥る中、この明るいニュースは嬉しいですね。
道東の海では、ラッコが仰向けになって海にプカプカ浮いているところが見えるのかな?
ぜひ見てみたいものです。
海のカワウソと川のラッコ
カワウソは川を泳ぐ動物、ラッコは海を泳ぐ動物というイメージですよね。
でも海に暮らすカワウソや川に姿を現すラッコもいるのです。
*海で暮らすカワウソ
ミナミウミカワウソは海で生活する珍しいカワウソです。
チリの南側の海にしかいないので、もしもチリで出会えた方がいたらラッキーですね!
ミナミウミカワウソは毛皮の乱獲で一時は絶滅の危機に陥りましたが、現在は保護されているおかげで少しずつ回復傾向にはあるようです。
でも今度は餌となる魚の乱獲により、食べ物がなくなったことで再び絶滅の危機を瀕してしまう可能性があるとのこと。
どうにかして生態系を守りたいですね。
*釧路川で見つかったラッコ
もう10年以上前になりますが、北海道の釧路川でラッコが見つかったことがニュースになりました。
どうやらこのラッコは、元々海で暮らしていたのですが、餌になる魚を追いかけて来たら川に入り込んでしまったようです。
海から川に入るのは流れに逆らうことになりますが、河口のゆったりした流れのところでは、ラッコもそれほど大変ではなかったのかもしれませんね。
でもラッコはやはり川で生活する動物ではないので、おそらくこのラッコもじきに海に帰ったことでしょう。
「好奇心旺盛な若いラッコだったのでは?」という見方が強かったようです。
イタチも泳ぐ?【まとめ】
・水の中でたくさん泳げるようにイタチから進化したのがカワウソ
・水の中で暮らせるようにカワウソから進化したのがラッコ
かつて、地球には水棲生物しか存在しない時代がありました。
水棲生物たちの中では、敵のいない、安全に食べ物を取り子孫を繁栄できる場所を求めて、少しずつ陸上で生活できる姿に進化した動物がたくさんいます。
人間もそのひとつです。
イタチたちも、そんな風にこの地球上で永く生き続けるために、今度はあえて水の中に活路を見出したのかもしれませんね。
進化したイタチたち、それがカワウソやラッコなのです。