老犬の毛が抜ける原因と対策!換毛・アレルギー・ストレスなど

散歩していると他の犬に会うことがたくさんありますが、「この子何歳だろう?」と考えた時、被毛を見て推測することがあります。

若い犬は毛がフサフサしていますが、老犬だと全体的に色が白っぽくて毛の量も薄くなったりしていませんか?

老犬の毛が抜ける原因はいくつか考えられます。

その原因を探り、飼い主さんができる対策をご紹介します。

老犬の毛が抜ける原因は主に5つある

老犬は犬が本来持っている被毛の特性に加え、体の機能が衰えがちになることから、それまで起こらなかった原因でも毛が抜けるようになることがあります。

老犬の毛が抜ける主な原因は次の5つです。

・季節による換毛
・高齢によるもの
・アレルギー
・ストレス
・病気

季節による換毛

ダブルコートのチワワ、柴犬、甲斐犬、ゴールデン・レトリーバーなどの犬種では、だいたい春と秋に換毛期を迎えますよね。

老犬になってもこの時期になると換毛が始まることが多いため、毛が抜けるようになります。

ただ、高齢になると新しい被毛を作るエネルギーが不足しがちになり、抜けるだけで生える量は減ってしまうことがあります。

その結果、毛が抜けて全体的に薄くなってしまうこともあるのです。

高齢によるもの

換毛期と似た原因になりますが、高齢になると被毛に栄養が行き渡りにくくなります。

古い毛は抜けるけど、その代わりに生えるはずの毛の量が減ってしまうので、だんだん被毛が薄くなってくることが多いようです。

被毛の色も薄くなってきて白髪のようになることもあります。

近所の柴犬も、元々はオレンジ色に近い赤毛の被毛でしたが、12歳になった今は特に顔周りが真っ白になってきています。

被毛の量に大きな変化はなくても、色が薄くなることで毛の量が減って見えることもあるようです。

アレルギー

若い頃は全くアレルギーがなかったのに、老犬になってからアレルギーを発症する犬もいます。

これは長年蓄積されたアレルゲン物質に反応することもあるし、免疫力が低下したことで起こることもあります。

アレルギー反応が起こると皮膚に痒みが出て、その場所をずっと舐めたり噛んだりすることで被毛がむしり取られてハゲたようになることがあります。

ストレス

季節の変わり目、室温が高すぎる、またら低すぎる、遅い時間まで明るく賑やかな部屋にいるなど、環境によってストレスを感じ、脱毛のような状態になることもあります。

老犬になると、若い頃より寒さに弱くなることもあるので、急激な気温の変化にストレスを感じやすいようです。

また、寝る時間が増えるのですが、いつまでも部屋の中が明るく賑やかだと安眠できず、体が休まらないこともあります。

病気

体調の変化も毛が抜ける原因になります。

老犬になると散歩時間が減りますよね。

そのため、運動不足や日光に当たる機会が減り、自律神経がうまく働かなくなることがあります。

体全体の機能が低下することでホルモンに関係した病気を発症することもあり、お腹やお尻に近い部分の毛がまとまって抜けてしまうこともあります。

ホルモンと被毛は密接に関係しているため、高齢になると毛が抜けやすくなる犬が増えるようです。

老犬を病院に連れて行った方が良い症状

自然に白い毛が増えて全身の毛が薄くなってきたという場合なら老化現象の1つと考えられることが多いのですが、次のような場合は早めに動物病院を受診することがおすすめです。

・体の一部分だけを噛んでハゲてしまった
・お腹やお尻の部分の毛が急に薄くなった
・毛が薄くなる以外に気になる症状がある

こうした場合は、病気やアレルギーなど治療が必要になることもあり、放置しておくと悪化する可能性があります。

特に嘔吐や下痢を伴う時は、脱水症状を起こすおそれもあるので、すぐに病院に行きましょうね。

老犬の毛が抜けた時にできる対策とは

病気の場合は治療が優先になりますが、それ以外でも飼い主さんができる対策があります。

部屋をこまめに掃除する

冬場でも、ノミやダニの幼虫が暖かい部屋の中で増えてしまうことがあります。

ノミやダニは13℃以下になると活動できなくなるため、気温が下がってくると散歩中の犬や飼い主さんの洋服に飛び移って暖かい家に入り込もうとするそうです。

ノミやダニが犬の皮膚に噛み付くと猛烈な痒みが出て、頻繁に舐めたり噛んだりすることから、被毛が抜けやすくなります。

掃除や洗濯で、清潔な環境を整えてあげてください。

ブラッシングをする

毛が抜けてきていても、ブラッシングは大切です。

特に長毛種であれば、黙っていることが多い老犬でも毛がからまり、引っ張られることで余計に毛が抜けやすくなります。

汚れを取る、皮膚に刺激を与えるという意味でもブラッシングは効果的で、優しくとかしてあげればリラックス効果も期待できます。

ブラッシングと同時に、体調が良ければ月に一度はシャンプーもしてあげてください。
体を清潔に保つことも皮膚や被毛には必要なことです。

もしシャンプーができないなら、温かい濡れタオルで体を拭いてあげるだけでもサッパリしますよ。

ゆっくりと休める環境を整える

老犬のストレス緩和のため、夜は外が暗くなったらできるだけ静かな環境で休ませてあげるのが良いでしょう。

質の良い睡眠は体をしっかりと休めることができるので、老犬の健康維持に必要です。

朝はゆっくりと朝日を浴びて、家では穏やかに休むことで、ストレスのない健康的な生活を送ることができます。

必要に応じてフードを見直す

犬は穀物を消化するのが苦手です。

もしもドッグフードに小麦などが多く使われている場合、アレルギーを起こして毛が抜けてしまうこともあります。

若い頃は体力があって問題が起きなかったとしても、免疫力の低下した老犬では負担が大きくなることもあるので、病院で相談してみるのも良いと思います。

ドッグフードは切り替えが難しいこともありますが、穀物が原因と考えられる場合は見直してみてはいかがでしょうか

老犬の毛が抜ける原因と対策!【まとめ】

老犬の毛が抜ける原因は、換毛、年齢、アレルギー、ストレス、病気など、さまざまなものが考えられます。

消化器官の低下とともに被毛に栄養が行き渡りにくくなるので、新しい被毛が生えてこなくなることもあります。

一部分だけ掻きむしってしまう、ハゲてしまうという場合は、早めに動物病院を受診して原因を探すことも必要です。

部屋を掃除してノミやダニから守る、ゆっくりと休める環境を作る、フードを見直すなど、飼い主さんにできることもたくさんあるので、愛犬の様子を見ながら必要な対策をしてあげてくださいね。