犬は色んな声を出します。
相手を威嚇するように吠えることもあれば、大好きなおもちゃで遊びながらクックックと鳴くこともあります。
その中でキュンキュン鳴く声を聞くこともありますよね。
何かを訴えているようだけど、原因はどんなところにあるのでしょうか。
また、キュンキュン鳴くことはやめさせるべきなのでしょうか。
犬の気持ちとしつけの両方から、犬がキュンキュン鳴くことを考えてみましょう。
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犬がキュンキュン鳴く時の原因
犬がキュンキュン鳴く時は、次のような原因が考えられます。
*それちょうだい!
*痛いよ!
*怖い・助けて!
*もうやめて!
*パパ(ママ)おかえり! 会いたかったよ!
大きく分けると、要求と恐怖、苦痛が主な原因になるようです。
うちのワンコはほとんどキュンキュン鳴くことはないのですか、散歩中に猫にぶたれた時に鳴きながら逃げて来たことがあります。
「ボク負けたよ、怖かったよ」
と言っていたのかもしれません。
また、留守番をしていたところに大好きな飼い主さんが帰って来ると、嬉しくてキュンキュン鳴きながら顔をペロペロする子もいるようですね。
こうして見てみると、それほど困った行動には思えず、仕方ないのかなぁと思える原因が多いように思いますが、実際にキュンキュンと鳴くことで問題は起こるのでしょうか。
犬のキュンキュンがエスカレートする時
犬がキュンキュン鳴く姿は、一見すると「カワイイな」と思えますが、これがエスカレートするとさまざまな問題を引き起こすことになります。
「ケージはいやだ!」が引き金に
うちのワンコが我が家に来て間もない頃、夜や留守番でケージに入れた時にかなりキュンキュン鳴いていました。
キュンキュンだけならまだよかったのですが、だんだん声が大きくなって、ギャンギャン鳴き叫ぶようになりました。
我が家は両隣がいるマンションの一室なので、苦情が来たらどうしようとヒヤヒヤしてしまいます。
さらにケージはかじるし、ケージの中から外に向けてオシッコはするし、しばらくの間は私がケージの横に布団を敷いて寝ていましたが、早いうちに夜間のケージは断念しました。
しかし、留守番させるためにケージに入れた時も、しばらく鳴き叫んでいるようでした。
ケージを必死にかじって脱出しようとしたらしく、右下の犬歯も欠けてしまいました。
留守中に部屋で自由にさせるのは心配だったのですが、ご近所から苦情が来る前に対策しなければと、結局1ヶ月ほどでケージを撤去しました。
うちのワンコは空輸で我が家に来た時に、小さなカゴに折りたたまれて7時間も閉じ込められていたせいで、きっとオリのようなものが怖かったのだと思います。
ケージをやめてペットガードにしたら一切キュンキュンはなくなりました。
今は完全フリーなので全く問題なく過ごせています。
「ごはんたべたい」が「ごはんにさわるな!」に変わる時
こちらは甲斐犬の女の子のお話です。
お腹が空いてキュンキュン鳴く姿がかわいくて、ご飯やおやつをあげていた飼い主さん。
しかしある時から、お腹が空くと大きな声で吠え続けるようになってしまいました。
いくらねだられても食べすぎは良くないですよね。
「がまんしようね」と飼い主さんは声を掛けてなだめたのですが、犬の鳴き声は増すばかり。
やはりこちらもご近所の手前、苦情が来てはいけないからとおやつをあげてしまったそうです。
今では犬が食べている横で何かしようとすると、うなって威嚇することもあり、飼い主さんの悩みのタネになってしまいました。
痛みのキュンキュンと意外に怖い菌
先日、いつも私たちが集まる公園で、若い柴犬がケガをしました。
相性が悪い柴犬同士が顔を合わせてしまい、ふとした拍子に犬歯が相手の子の前足に食い込んでしまったのです。
すぐに犬たちは引き離されたのですが、それを見ていた他の飼い主さんが「歩き方が変だよ」と言って、噛まれた子の前足に触れました。
その瞬間、柴犬はキュンキュンと鳴きだしたそうです。
すると、前足に触れた飼い主さんの手がみるみる真っ赤に!
その柴犬の肉球から、血がたくさん出てしまっていました。
慌てた柴犬の飼い主さんは、鳴き続ける柴犬を抱えてすぐ病院に行きました。
事情を聞いた獣医さんは「犬の口の中の菌には体に入り込むと良くないものも多く存在するから、念のため抗生剤を飲ませてください」と言いました。
幸いその子はその日のうちに歩けるようになりましたが、結局5日間抗生剤を飲んだそうです。
犬のキュンキュンにはさまざまな原因がありますが、対処しないと困った事態になる場合もあります。
かわいいだけのキュンキュンで済まなくなってしまう前に、やめさせる、または原因を取り除く対策を取りましょう。
犬がキュンキュン鳴くのをやめさせる方法
犬がキュンキュン鳴く時、どうしても初めのうちはかわいくて甘やかしてしまいそうになりますが、エスカレートする前に少しだけ冷静になって落ち着かせるようにしてみることが大切です。
実際に行って効果が出た方法をご紹介します。
犬のキュンキュンを無視する
かわいそうにも思えますが「キュンキュン鳴けば飼い主さんがかまってくれる」「おやつがもらえる」と学習してしまうと、犬は要求があるたびにキュンキュン鳴き、次第にエスカレートすることがあります。
そこで、犬がキュンキュン鳴いても要求を無視することをおすすめします。
「ダメだよ〜」とか「あげないよ〜」とか、言葉は掛けないでください。
犬は楽天的なところがあるので、その言葉でも「要求に応じてくれた!」と思ってしまうことがあります。
大切なのは「キュンキュン鳴いても望みは叶わない」と、犬に学習してもらうことです。
苦痛から逃れる対策をする
犬が痛みや苦痛からキュンキュン鳴く場合は、一刻も早く原因を取り除いてあげることが必要です。
先ほどの柴犬のようにケガをして痛がっていたり、うちのワンコのように空輸のトラウマからオリを怖がったりするような場合は、原因を取り除くことでキュンキュンはおさまります。
ワクチン摂取などで鳴いても仕方ない場合は励ましてがんばってもらうしかありませんが、回避できる、回避するべき苦痛の時は、がまんさせずに早く解決させてあげてくださいね。
キュンキュン鳴きながら顔をなめるのも注意
自分の帰宅がうれしくてキュンキュン鳴きながら顔をペロペロしてくる愛犬に「やめて」とはなかなか言いづらいかもしれません。
でもケガをした柴犬の獣医さんが言っていたように、犬には色々な菌があり、なめられた人の体質や体調によっては人畜共通感染症にかかってしまうこともあります。
また、女性だとお化粧をしていることが多いですよね。
犬からヒトだけでなく、ファンデーションをなめた犬にとっても良くないことが起こる可能性があります。
飼い主さんをなめる犬の中には、人が大好きで気に入ったヒトの顔をなめてしまう子も多くいます。
家族以外の人に病気をうつしたりうつされたりするのは問題になりやすいため、日頃からなめさせないことを薦める獣医さんもいます。
犬を飼っていても、なめられることが好きではない方もいるので、気をつけたいですね。
うちのワンコの場合はキュンキュンもペロペロもないのですが、顔面から私にぶつかってくるという肉体派なので、それを避けるために出迎えを受けた瞬間顔をスルーして背中やお尻に自分の顔を持っていき、両手でワシャワシャとなで回したり、飛び跳ねるうちのワンコの真似をして、私も立ったまま飛び跳ねてみたりしています。
いい年をした人間が「ワーイ、ワーイ!」と飛び跳ねる姿は決して他人には見せられませんが、犬とふたりきりなら別にかまわないと思います。
もしもお尻や後ろ足を触られるのが嫌なタイプの犬であれば「おすわり」のコマンドを掛けて犬が座ったところで、体を抱きしめるようにして褒めてあげることも良い方法です。
こうすれば犬と顔を合わせなくても愛情が伝わり、なめるのをやめさせることができます。
喜びのキュンキュンはおさまらないかもしれませんが、犬の喜びを飼い主さんも共有する態度を見せることで、エスカレートすることはほとんどありません。
一緒にキュンキュンして喜びを分かち合いましょう。
まとめ
犬がキュンキュン鳴く原因は
・恐怖
・苦痛
・喜び
犬のキュンキュンがエスカレートすると困ることは
・甘えてなめることで人畜共通感染症の危険がある
キュンキュンをやめさせるには
・鳴く原因を取り除く
犬がキュンキュン鳴く原因は、はっきりとした原因がある場合が多く、飼い主さんからするとわかりやすい表現方法かもしれません。
しかし要求をすべて叶えてしまうことで起こる問題行動や、衛生面で困った事態になることもあります。
かわいらしい仕草ではありますが、何が原因かを見極め、適切な対処ができるようにしましょう。
でも本当に、犬のキュンキュンをやめさせることって難しい!
かわいい愛犬に心が揺らいでしまうから、困ってしまいますね。