純血種の犬は、遺伝的な病気が多いと言われています。
これは同犬種であるために、遺伝子的にプラスに働くところが強化される一方で、マイナス面も強化されてしまうためだというのが、その理由です。
そうだとしたら、違う遺伝子を持つ別の犬種から生まれたミックス犬は病気に強いのでしょうか。
病気に強いなら、純血種よりも長生きできるのでしょうか。
実際のミックス犬の様子を見ながら、病気と長生きについてご紹介します。
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ミックス犬が病気に強いのは本当なの?
純血種に起こりやすい遺伝的な病気になりにくい
これは、純血種特有の病気についてだけ言えば、本当かもしれません。
ミックス犬は違う犬種の両親から生まれるので、純血種に起こりやすい遺伝的な病気にはなりにくい傾向があります。
例えば、ミニチュアダックスフンドは胴体が長いことから、ヘルニアなどの腰の病気がとても多いし、ダルメシアンは尿路結石になりやすいと言われています。
ワイヤーフォックステリアは、心臓疾患がとても多い犬種で、繁殖を断念するブリーダーも増えてきています。
私の周りの純血種の子達でも、やはり犬種特有の病気になった話をよく聞きます。
でもミックス犬はそんな病気の遺伝子を、理論上は半分しか受け継がないことになるので、純血種同士の子犬よりも遺伝的な病気に強い子が多いとは言えるでしょう。
ミックス犬がすべての病気に強いわけではない
ただし、強い可能性があるのは遺伝的な病気についてだけで、ミックス犬がすべての病気に強いわけではありません。
知り合いにマルプー(マルチーズ×トイプードル)の子が2匹いますが、2匹ともアレルギー体質で、成犬になる前から通院を続けています。
この子達はフードもおやつも決まったものしか食べられず、花粉や植物にも反応することがあるので、散歩にも気を遣うそうです。
「病院に通わずにすむ」という意味では、ミックス犬が病気に強いとは言いきれないかもしれませんね。
ミックス犬は純血種より長生きするの?
遺伝的な病気になりにくいという点では、1つ病気の心配が減るので長生きできるのかな、とも思いますよね。
でも実際は純血種の子達とそれほど大きく変わることはなさそうです。
私の周りにはたくさんのワンコがいますが、純血種で18歳という小型犬もいれば、14歳で亡くなったミックス犬もいます。
柴犬も最近では15歳を超える子が増えてきているし、必ずしもミックス犬が長生きだとは言いきれなくなっています。
たぶん、長生きできる犬って、両親から元気で長生きの遺伝子をもらっている子じゃないかと思います。
人間でもそうですよね。
長寿の遺伝子なんかも見つかっているくらいですから、そんな健康的な遺伝子があるのではないでしょうか。
だから、もしもブリーダーさんからミックス犬を迎える時は、その子のご先祖様達がどのくらい長生きしたかを聞いてみるのも、ひとつの目安になるかもしれません。
飼い主さんができる長生きさせる方法とは
ご先祖様の情報が入らない、情報は入ったけれど、特に長生きというほどではなかった。
そんなミックス犬と暮らすことになっても、諦めることはありません。
飼い主さんの育て方次第で、元気で長生きできる可能性は十分にあります。
それは、室内飼いにすること、そして日常的なケアをしっかりとしてあげることです。
具体的にお話しすると、以下のようになります。
・歯磨き、ブラッシングを毎日行う
・シャンプー、耳掃除、爪切りを定期的に行う
・必要に応じてトリミングに連れて行く
・ドッグフードをしっかり食べさせる
・肥満にならないように注意する
どんなに健康な犬でも、衛生状態が悪いと病気になります。
うちのワンコは雑種犬の里子ですが、衛生状態があまり良くないところから我が家に来たので、我が家に来た当時はたくさんの病気を持っていました。
でもすべて完治した現在は、病気もせず、とても元気に過ごしています。
愛犬をきれいに保ってあげること、そして散歩に出てたくさんの外の刺激を受けさせてあげることが、心と体の健康管理には欠かせません。
短い時間でも何度も外に出て脳を活性化することは、シニアになった時の認知症予防にもなるので、ぜひ積極的に連れ出してあげてください。
まとめ
・ただし全ての病気に強いわけではない
・ミックス犬は必ずしも純血種より長生きとは言えない
・先祖で長生きが多いミックス犬は長生きかも?
・大切に育ててあげることで元気に長生きできる子も
ミックス犬が純血種より丈夫で長生きとは限りません。
場合によっては、純血種の遺伝病にも注意する必要があります。
でも元気に生きる要素をたくさん持っている可能性があるのも、ミックス犬の魅力ではないかと思います。
ぜひ良いところをたくさん引き出して、元気な子に育ててあげてください!
飼い主さんの愛情があれば、どんな子でもきっと最高の一生が送れるはずです。