熱帯魚の入門種としてとても有名なグッピーですが、繁殖が簡単なことでも有名です。
その最大の理由は、グッピーが卵ではなく稚魚を生むこと。
すでに自力で泳いで餌を食べられる稚魚を生むので、稚魚の育成がとても簡単なのです。
ところがときどき、「飼っているグッピーがなかなか繁殖しない」と相談を受けることがあります。
今回は、グッピーがなかなか繁殖しないときの原因と対策についてご紹介します。
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グッピーが繁殖しない原因とその対策とは?
オスしか飼っていない
ちょっと意外かもしれませんが、相談を受けていてもっとも多い原因がこれです。
尾ひれが長く美しいのはオスで、メスは体形がオスよりもふっくらしていて、尾ひれが短く丸みを帯びています。
簡単に言えば、オスのほうがきれいです。
水槽の見栄えを優先して美しい個体ばかりそろえると、オスしかいない水槽になってしまうことがあります。
もちろん、オスしかいなければ繁殖するはずがありません。
オス同士が争うわけではないので、繁殖を目的にしないならオスだけの水槽でもいいと思いますが、繁殖させたいのなら必ずメスを入れましょう。
メスが若すぎるor年老いている
グッピーは性成熟が早い魚で、生後3か月で繁殖可能な状態になります。
ただ、これはオスのほうが早く、同じ時期に生まれたメスはオスよりも繁殖開始年齢が遅れる傾向にあります。
そのため、同じような月齢のグッピーをそろえると、オスは繁殖適齢なのにメスが妊娠しない、ということが起こるのです。
また、ある程度の大きさがあり、出産経験のあるメスのほうが繁殖に適していますが、あまり大きな個体は年老いていてすでに妊娠しなくなっている場合があります。
繁殖適齢のグッピーを選んで購入するのは難しいかもしれませんので、若い個体を飼育し、繁殖適齢になるまで待つのがいいでしょう。
かなり若い個体を飼育したとしても、数か月で繁殖可能になるはずです。
適温で飼育していない
基本的に、グッピーの繁殖に特別な条件はありません。
繁殖適齢に達したオスとメスを適温で飼育していれば、気付けば数が増えているくらいです。
ところが、グッピーが丈夫な魚であることが災いして、適温で飼育されていない場合があります。
よくあるのは、冬など室温の低い環境でヒーターが設置されていない場合です。
この場合、グッピー自体は健康そうに過ごしているものの、繁殖には至らない、ということがおこります。
繁殖させたいのなら、適温で飼育するように心がけましょう。
稚魚が生き残れない
繁殖適齢のペアがそろっていて適温で飼育されているのなら、間違いなく交尾して妊娠しているはずです。
それにも関わらず稚魚が見られない場合、せっかく生まれた稚魚が食べられてしまっている可能性があります。
さすがに生んだ母親が即座に食べてしまうことはないものの、ほかの個体を一緒に入れていた場合はすぐに食べられてしまうことがあるのです。
もっとも確実な対策は、別の水槽や産卵箱に妊娠したメスを隔離することです。
すべての稚魚を出産するのに最大24時間程度ですから、産み始めて丸一日経過したら、親魚を稚魚と分けましょう。
手軽な方法としては、水槽内にウィローモスなどの密生するタイプの水草を入れることです。
この水草の中が隠れ家となり、稚魚が生存することができます。
隔離するのに比べれば多少、生存率は下がりますが、効率にこだわらないのならこれでも十分だと思います。
グッピーが繁殖しないのはなぜ?【まとめ】
まとめると、グッピーが繁殖しない原因と対策は次の通りです。
・オスしか飼っていない・・・メスを一緒に飼う
・メスが繁殖適齢でない・・・若いメスを飼育して繁殖適齢まで待つ
・適温で飼育していない・・・ヒーター等を使って適温に保つ
・稚魚が生き残れない・・・出産前のメスを隔離するか、稚魚の隠れ家を入れる
グッピーの繁殖がうまくいかずに悩んでいる方は、こちらを参考に、飼育環境を見直してみてくださいね。