飼育が容易なネオンテトラでも、長く飼っていれば病気になることもあります。
ネオンテトラがかかりやすい病気はいくつかありますが、中でもやっかいなものの一つが尾ぐされ病です。
尾ぐされ病は飼育環境の悪化や魚の体調不良によって発生し、進行が速い病気です。
初期の段階なら完治もできますが、手が遅れれば魚が死に至る上にほかの魚にも感染する恐ろしい病気です。
今回は、ネオンテトラが尾ぐされ病にかかってしまった場合の対処法についてご紹介します。
ネオンテトラの尾ぐされ病とはどんな病気?
まず、尾ぐされ病がどのような病気なのか知っておきましょう。
尾ぐされ病は、その名の通り尾ひれが傷んで裂けてしまったり、溶けてしまう病気です。
カラムナリスという細菌に感染することで起こりますが、カラムナリス菌は普通の水ならどこにでもいる細菌、いわゆる常在菌です。
口周りが溶けて傷んでしまう口ぐされ病や、尾ひれではなく胸ひれや腹ひれが裂けたり溶けたりする場合もありますが、これらもすべてカラムナリス菌によるものです。
どこにでもいる常在菌であるカラムナリス菌ですが、感染して必ず発症するわけではありません。
むしろ、普通は魚の体表にいても何も起こさない菌です。
尾ぐされ病をはじめとするカラムナリス症を発症するのは、魚の体調が悪く、免疫力が下がっているときです。
そのため、魚の具合が悪いと発症しやすい病気であるといえます。
逆に、適切な環境で飼育されていれば発症することのほとんどない病気です。
特に、水温の急変で発症することが多いので、季節の変わり目にはヒーターの点検をしっかりと行いましょう。
尾ぐされ病は自然治癒する?
実は、尾ぐされ病は自然治癒する場合があります。
私が飼っていたブラックテトラも尾ぐされ病を発症したことがありましたが、ほかの魚に感染することなく数日後にきれいに治ってしまいました。
先に述べた通り、魚の具合が悪いときに発症する病気なので、一時的に体調を崩して発症していたものと思われます。
ただ、このケースはきっとラッキーだったのだろうと思います。
その後エンゼルフィッシュが尾ぐされ病になりましたが、このときは薬による治療が必要でした。
基本的に発症しているのを見つけたら、たとえ軽症でも何らかの治療をすべきと考えましょう。
ネオンテトラの尾ぐされ病の治し方
まず、尾ぐされ病が発症した個体を見つけたらすぐに隔離しましょう。
発症した魚からほかの個体に症状がうつるケースが多いようです。
隔離水槽にはガラス水槽を用いて、きちんとヒーターをつけ、エアレーションかフィルターをつけましょう。
水温の急変も魚にはダメージになるので、安定した適温で飼育することが大切です。
カラムナリス菌は塩分耐性が低いので、まずは塩浴を試しましょう。
濃度は0.5パーセント、水10Lに対して塩50gを溶かします。
もちろん、急に塩水に入れるのは魚にとって危険なので、購入してきた時と同じように水合わせをしてやります。
ネオンテトラはあまり塩分に強い魚ではないので、きちんと時間をかけて水合わせをしましょう。
1日塩浴をしたら、淡水に戻します。
これを数回繰り返しても治らない時は、グリーンFゴールドなどの魚病薬を使います。
ただし、グリーンFゴールドはわりと強い薬なので、濃度などに注意して使いましょう。
ネオンテトラの尾ぐされ病とは?【まとめ】
もしネオンテトラに尾ぐされ病の症状が見られたら、発症した個体をすぐに隔離しましょう。
その個体に対しては、塩浴や薬浴などの治療を早めに施すようにします。
また、元の水槽のほうも普段より念入りに観察するようにし、軽症でもほかに発症している個体がいないか確認しましょう。
また、発症したからには魚が体調を崩す理由が必ずあるので、水温の急変がなかったか、水質が悪くなるようなことがなかったか、確認してみましょう。