初めはペットとして人気があったミドリガメですが、飼いきれなくなったり、飽きたりして川に放流してしまう飼い主が増え、一時は特定外来生物へ指定され、駆除対象になるところでした。
*画像はイメージです。画像と本文と直接の関係はありません。
しかし、現在飼育している人が多く、特定入りをすることで野外へ捨てる行動を助長させることが懸念され、特定入りは避けることができたので、飼育も繁殖させることも可能です。
この記事では、ミドリガメの特定外来生物への指定などについて、説明していきます。
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ミドリガメは外来種?特定外来生物に指定されている?
ミドリガメは、1950年後半からアカミミガメをミドリガメと通称し、アメリカからペットとして輸入された外来種になります。
つまりは、もともと日本にはいなかったわけですね。
しかしその後、「飼いきれない」「飽きた」などの理由から、川に放流する無責任な飼い主が増えてしまいました。
現在では生態系などに悪影響を及ぼすことが懸念されることから、2005年に外来生物法の実施に合わせて、この法律に基づく特定外来生物への指定が検討されましたが、野外での繁殖が確認された事例が少ないことと、現在も飼育している人が多く、特定外来生物に指定すると野外への放流が大量発生することが懸念されたため、指定は見送られてます。
しかし、2015年には野外での繁殖事例の増加や、在来水生植物の食害、在来種のニホンイシガメへの影響、農業・水産業等への被害などがあり、2015年3月に環境省・農林水産省が作成した「生態系被害防止外来種リスト」に基づき、「緊急対策外来種」に位置づけられました。
ミドリガメは駆除対象になっている?繁殖させてもいい?
上でも説明した通り、ミドリガメは「緊急対策外来種」には位置づけられていますが、「特定外来生物」にはしてされていません。
そのため、駆除対象にはなっておらず、「数が増えないように気を付けながら、共存していきましょう」という立ち位置になっています。
そのため、昔に比べてショップなどではミドリガメの取り扱いは減少していますが、飼育が出来ないわけはありません。
また、自宅で繁殖させてはいけないというわけではないため、現在も繁殖活動に力をいれているブリーダーさんもおられます。
特定外来生物に指定されなかったからといって安心はできない!
数が増えすぎていたり、大量放流が懸念されて特定入りは見送られたミドリガメですが、これで安心できるわけではありません。
1度特定外来生物への指定を考えられたミドリガメですので、これ以上野生環境下で個体数が増えてしまうと再度特定入りにリストアップされてしまう恐れもあります。
特定外来生物に指定されると、主に以下のような弊害が出てきます。
・飼育をし続けるには市町村に届け出が必要
(飼育器具、自宅環境、自宅周囲の環境、移動経路、移動手段などの報告義務あり)
・申請にお金が必要
・野生環境下で発見された個体は駆除対象になる
今まで飼育していたミドリガメについては手放す必要はありませんが、飼育を続けるためには市町村への届け出が必要になります。
また、以前までは申請を出せば特定外来生物も飼育することはできましたが、2020年6月以降は新たに飼育することは出来なくなりました。
さらに、家の周りなどで見ることが出来ていたミドリガメは、すべて駆除対象になります。
人間の勝手で輸入したミドリガメが、人間の都合で捨てられるのです。
そんな悲しいことはあってはならないですよね。
今現在飼育している人や、飼育を考えている方は、40年と長い寿命のミドリガメを最後まで責任をもって面倒を見切れるかどうかをしっかりと考え、覚悟を持って飼育するようにしてくださいね。
ミドリガメは外来種に指定されて駆除対象?【まとめ】
ミドリガメは寿命が長く、しっかりと飼育するにはそれなりの設備が必要な生き物です。
飼育も温度管理などは大変ですが、人の顔を覚えて認識したり、人の後追いをしたりなど、とても愛嬌があり可愛らしい生き物です。
世話をする人も覚えるので、愛情をかければかけるほど答えてくれ、トカゲやヘビに比べると犬猫に近いような生き物だと言えます。
一部の無責任な飼い主のせいで、そんな可愛いミドリガメが再び駆除対象になると思うと、本当にいたたまれない気持ちになりますよね。
もう二度とそんな悲劇をうまないためにも、生き物の飼育にはしっかりと責任を伴うことを理解しましょう。