飼育員時代ザリガニ(二ホンザリガニ)の飼育担当でした。
彼らは日中の時は石の隙間などに潜り込んで隠れているのですが、夜暗くすると動き出している姿をよく見かけます。
ただ日中も全く活動していないわけではなくて、せっせと自分の巣穴をつくっている姿も見受けられます。
彼らは夜行性なのか?
寝ることはあるのか?
それって飼育することでも大切なのかどうかについて解説していきます!
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ザリガニは夜行性というよりは暗い環境が好きそう
ザリガニは甲殻類(エビやカニ)の仲間に入りますが、彼らは総じて暗い環境が好きな生き物が多いです。
水族館のお客様はライトがついている日中の方の姿を見ているのでおとなしい生き物という印象が強いかもしれませんが、夜電気を消したあとや、水槽を暗めの設定にしておくと動き出す姿がよくみられます。
この観察を踏まえると、ザリガニも夜行性というよりは、暗めの環境が好きだということが適切かもしれません。
自然界でも日中石から出てきて動いてるときを見たことがあります。
ザリガニは寝るのか?
人と同じ睡眠といえるのかは疑問ですが、観察している限り寝ているんだろうなと思うことはあります。
足もハサミもダランと地面につけてジーッとしているような時があって、単純にジッとしているのとは姿勢が少し違うときがあります。
最初は病気なのかなとか心配したんですが、どうもそういう様子でもないところをみると、多分寝ているんだと思います。
ザリガニが寝ることには私も質問されるたびに気になっていて、科学的エビテンスが無いか調べたこともありますが、詳しく調べた研究はないようです。
人や哺乳類に鳥類ではレム睡眠とノンレム睡眠の繰り返しによる真睡眠というスタイルですが、一般的にザリガニを含む無脊椎動物たちはこのような睡眠ではなく休息程度のことを行っているとされています。
私がみていた寝てるっぽい状態も、科学的観点で言うと「休息」という括りに分けられます。
ザリガニ寝る寝ない問題は調べると面白そう
とはいえ、先にも書いたようにザリガニ含む無脊椎動物の急速について詳しく調べた事例が多いわけではないので今後研究がなされると見方が変わる可能性もあります。
というのも例えば魚はレム睡眠のみの原始的な睡眠のみを行っていると考えられてきました。
しかしゼブラフィッシュという魚の睡眠を調べたところ、レム睡眠とノンレム睡眠の周期があり、人間に近い睡眠パターンであることがわかっています。
これらを比較していくと、睡眠ふくめ休息について生物はいかに体を休めているのかを分析することができるので、今後はザリガニや他の無脊椎動物についても調べられると、より睡眠について深く理解することができそうです。
ザリガニは人と同じようにうつになることもある
この類の話でいうと、ザリガニはうつ病になります。
話が本題からそれますがザリガニはザリガニ同士でケンカして、負けると神経伝達物質の量が減り、活動に積極性がなくなり、人で言うところのうつ症状に近い生理状態になることが確認できています。
つまりうつ病は本人が「落ち込んだからうつ病です」というから診断が下せるものではなく。科学的視点からとらえることができることを示しています。
まったく違う生き物なのに嫌なことがあったら同じように凹んで、同じように体内の成分が変化しているのですから当然ですよね。
ザリガニの寝ることについてもいろいろわかると、人間とまったく同じでなくても、生物としての根本的な共通点がわかるかもしれません。
そうなると体の休み方についての考え方もより深まるはずです。
なにかわかってくるのが個人的にすごく楽しみです。
ザリガニって夜行性?【まとめ】
ザリガニは夜でも昼でも動いているときは動くのですが、もし飼育するときは暗めの飼育環境で飼育してあげられるとよいです。
人と同じようにわかりやすく睡眠をとるわけではありませんが、うつ病になるといった事例もあるように神経的に体に不調をきたすこともあるからです。
人の心をいたわるように、ザリガニにリラックスできる環境を用意してあげることも飼育では大切になってきます。