また、たいていのフェレットは、大人になるにつれ噛み癖が落ち着いてくる傾向はあります。
でも中には噛み癖が残ったまま成長してしまう子もいます。
治らない噛み癖のしつけ方とは、どのようなものでしょうか。
*画像はイメージです。画像と本文と直接の関係はありません。
そして噛み癖とは、完璧に治すべきものなのでしょうか。
手袋を使わなければ、お世話ができないような飼い主さん、ぜひご覧ください。
飼い主さんがフェレットと向き合う際の参考になればと思います。
Contents
フェレットの噛み癖が治るしつけ方と注意点
フェレット専門店では、フェレットが噛んだ時に指の第一関節をフェレットの口の中に入れてしつけている様子でした。
それ以外のしつけ方として、以下のようなやり方があります。
・フェレットを保定し、そのまま仰向けにして床につけて、「ダメ」としっかりと伝える
・興奮しているようなら、落ち着くまでフェレットをケージに戻す
・物を噛む場合は、「ビターアップル」を吹きかけるのも効果的
ポイントは、「リアルタイムでしつけること」です。
噛んだ瞬間に行わないと、フェレットには伝わりません。
それどころか、人間が一方的に「いじめた」と考えるので、関係が悪化するだけです。
専門店で行われている、指の第一関節を口の中に入れるという方法も、やみくもに行わないでほしいと思います。
加減を間違えると、フェレットの嘔吐の原因になります。
噛まれても気にしない
「噛み癖を治すしつけなのに、そんな方法意味があるの⁈」と言われてしまいそうですが……
実はあるのです!
メスのフェレットは、気に入ったものは片っ端から盗んで、チェストの下の秘密基地に運び込む子でした。
ビニール袋や箱なら好きにさせていましたが、ある時、引き出しから袋入りの粉砂糖を盗み出しました。
自分の身体の半分くらいの大きさの物でも、フェレットはその気になれば持ち運ぶことができます。
使いかけの袋砂糖を必死で運んでいる姿を見て、思わず感心してしまいましたが、いやいや、食べたりしたら大変だ!と取り上げることにしました。
すると、フェレットは激怒です。
袋をくわえたままシャーシャーと威嚇し、私が袋に手を付けた瞬間、本気で噛んできました。
痛いのなんの。
でも、ひるむわけにはいきません。
「ダメ!」と一喝して、噛みまくるフェレットを無視して、砂糖を取り上げました。
大きな声に驚き、攻撃しても通用しなかったフェレットは、取り上げられた袋を見て、キョトンとしていましたが、すぐに諦めました。
「あ、そう、ダメなのか」という程度です。
しつけ方を試すことも一定の効果はありますが、フェレットの攻撃をかわしたり、噛んでも無視したりしてやらなければならないことを押し進めることで、「噛んでも無駄だ」と理解させることも一つの方法です。
我が家はほとんどこの対策で問題を解決してきました。
ビターアップルが効果絶大
一方で、物を噛んでもしまう噛み癖には、まずい味のついた「ビターアップル」というスプレーも効果的です。
うちのメスのフェレットは、あちこち潜入しては物を噛みまくるような子でしたが、ある日よりにもよって、ビターアップルのボトルを噛んだことがあります。
スプレーしただけで効果があるものなのに、ボトル自体を噛んだのですから、その威力は凄まじく、ゲーゲー言いながらもがいていました。
それ以来、その子はビターアップルが入ったケースには近づかなくなりました。
自分の経験から学んだことは、フェレットは確実に記憶します。
ビターアップルの他にも、初めからまずい味が付いた電源コードカバーも販売されています。
電源コードを噛みちぎられると、フェレットも電化製品もダメージが大きいので、心配な方は利用すると良いかもしれません。
なぜ噛み癖が治らないかを考えてみましょう
「噛み癖」という言葉が一般的ではありますが、「噛むこと」が好きで噛んでいる子はあまりいないことを認識していただけたら良いな、と思います。
噛む理由はいくつかあります。
・人間が怖い
・遊びの一環
・宝物を取られそうで怒っている
・抱っこが嫌い
・環境が変わり戸惑っている(怖い)
・体調が悪い、どこか痛いところがある
・耳掃除など嫌なことをされた(されそうになった)
メスのフェレットをお迎えした時、2匹目だったこともあり、持参したバッグに私自らその子を抱いて入れようとしました。
その時、その子は後ろ足をピーンと張って抵抗し、私の手を必死で噛んできました。
私はその強さに驚きながらも、彼女がとても怖がっていると感じました。
フェレットは、とても強がりな一面があります。
怖い時、あえて攻撃的になるのです。
怖くて震えるというよりは、怖くて噛む子の方が多いのです。
また、人間の手をおもちゃにして遊んでいるだけという無邪気な理由のこともあります。
ベビーのうちは力加減がわからないので思い切り噛んでしまうこともあります。
うちの主人はよくメスのフェレットに噛まれて流血し、泣き笑いしていました。
でも主人はしつけは特にしていませんでした。
彼もフェレットに似たところがあって、そんな状況を楽しんでいた部分もあります。
メスのフェレットは大人になっても噛んだり爪で引っ掻いたりするような子でしたが、一緒に暮らすうちにお互いに気持ちが通じ合うようになり、やがて噛む強さがソフトになりました。
嫌なこと、怖いことをされたら、誰だって抵抗しますよね。
フェレットの場合、見た目のファンシーな印象と、小さく鋭い歯で噛んだ時の威力とのギャップが激しいために、初めての方は戸惑い、「何とかしなければ」と思うのではないでしょうか。
実はフェレットって、とてもタフな生き物なのです。
犬、猫、フェレットが同じ大きさだとしたら、一番強いのはフェレットだと言われています。
でもフェレットはとても陽気で楽しいことが大好きな、気の良い動物です。
本気で「ダメ!」と叱れば、一応はシュンとします。
そして、楽天的ですぐに忘れてしまうのも彼らの性格です。
もし遊びで噛むのなら、しつけも必要です。
でも多頭飼いであれば、フェレット同士でその力加減を学ぶこともあります。
原因は全くわからない時は病気の可能性も
穏やかに優しく接していて、特にしつこく抱っこしているわけでもないのに、フェレットが攻撃的であるという場合は、一度病院で診てもらうことをおすすめします。
知り合いの犬の例になりますが、いつも攻撃的でキャンキャン吠えて落ち着きのない子がいました。
飼い主さん達も手を焼いて困っていたのですが、ある時たまたま病院で、首の骨に異常があることがわかりました。
首の骨に異常があることで腰痛を発症し、その子はつらくて攻撃的になっていたのです。
整形外科に強い動物病院で治療をするようになってから、その犬は性格が穏やかになり、吠えなくなりました。
動物は不調があっても外に出さないようにしてしまうところがあります。
フェレットも胴長の身体の構造から、腰を傷めやすいところもありますので、目に見えない不調にも気をつけてあげてくださいね。
噛み癖が治らない子の扱い方にも工夫を
お世話もできないほどの噛み癖には、飼い主さんの安全を考えて、軍手や革手袋を使用しても良いでしょう。
ただ、私の周りのフェレ友さん達の中で、手袋を使っている人はいません。
フェレットが大好きで、飼育に慣れてくると、手袋で自分の身を守るよりも、「まぁ何とかなるよ」と楽天的な気持ちになってくるからかもしれません。
フェレ友さんで、ショップに行った時、噛み癖がひどくて買い手がつかないフェレットをフード付きで5,000円という破格の値段で引き取ったことがありました。
何ヶ月か経った頃に私もその子に会いましたが、確かに抱っこすると強く噛もうとしてきました。
飼い主さん達には噛まなくなってきていたようですが、見知らぬ私には恐怖心があったのだと思います。
こういう子の場合、無理して抱っこする必要はないのです。
何が何でも抱っこして懐かせようとするのは間違いなので、サッサと飼い主さんに返します。
また、フェレットは小さな子供のいる家庭では、あまり勧められない動物とも言われていますが、意外にうまくいっている例も見てきました。
別のフェレ友さんの家では、フェレットを4匹飼っている中で、2人のお子さん達を育てています。
我が家にフェレット4匹とご家族全員が遊びに来た時のこと。
2歳になるお兄ちゃんが、フェレットの尻尾を掴んで持ち上げました。
周りの私達大人はビックリです。
しかしその後、フェレットは子供に噛みつき、子供は泣き出しました。
少しヒヤリとした瞬間でしたが、ご両親は「あなたが悪いよ」と、子供を撫でながらそう諭していました。
フェレットが子供の指を本気で噛んだら大事件になりますが、この場合、フェレットの方が大人で、力加減をしていたようです。
ある意味で、これは痛みを教える動物からのしつけだったのです。
フェレットと人間が、こうして理解し合うこともあるのですね。
フェレットは可愛いだけの動物ではなく、一つの心を持った存在だということも考えてあげてほしいと思います。
人間の都合で「こうあるべき」というレッテルを貼るのではなく、何を求め、何を嫌がったり怖がったりしているのかを想像しながら接することも必要なのではないでしょうか。
フェレットの噛み癖が治らない時のしつけ方!【まとめ】
・しつけ方に注意、フェレットの身体を傷つけないで
・遅れてしつけるのは嫌がらせにしか思われない
・物を噛む時はビターアップルがおすすめ!
・なぜ噛むのか、噛み癖が治らないかも考えてみよう
・見えない不調が原因で噛むこともある
・多頭飼いならフェレット同士で学ぶこともある
今回は、噛み癖のしつけ方のテーマで書かせていただきましたが、私はフェレットが噛む時には必ず理由があり、それを解決することで改善できるのではないかと思っています。
また、フェレットは犬猫と比較すると、噛むことが多い動物でもあることを少しだけ理解していただきたいとも思います。
「フェレットが噛む→悪い性格だから治す→しつけをしよう」ではなく、「フェレットが噛む→どうしてだろう→原因を解決しよう→しつけが必要みたいだな→しつけをしよう」と考えていただけると嬉しいな、と思います。