病気のウーパールーパーの治療法として一般的なのが「塩浴」です。
*画像はイメージです。画像と本文と直接の関係はありません。
しかし、一般的なのにやる意味ややり方があいまいになっているのも確か。
基本的な考え方としては、塩で殺菌することが目的なのではなく、体液と飼育水を同じ濃度にして免疫を高めることが目的です。
今回は、塩浴の仕組みと方法についてご紹介します。
Contents
どうしてウーパールーパーを塩浴させるの?
ウーパールーパーを塩浴させる目的は【原因菌を殺菌】すること
ウーパールーパーを塩浴させる一番の目的は、病気の治癒です。
ウーパールーパーは魚よりも薬品に対して敏感なので、魚と同じ濃度で魚病薬を使うより塩を使うほうが安全、というイメージがあるようです。
つまり、薬よりも刺激の低い塩で、病気の原因菌を殺菌しよう、ということですね。
塩浴そのものには殺菌効果があるわけではない
塩浴が病気に対して効果があるのは事実なのですが、殺菌効果があるわけではありません。
魚を塩浴させる場合、海水と同じ3%くらいの濃度で使用することがあります。
これは、魚には塩分耐性があることを利用し、淡水でしか生きられない菌を殺すことが目的です。
もちろん、耐性があるとはいえ魚にも負担が大きいので、こういった塩浴は短時間のみ実施します。
殺菌効果のある段階まで塩分濃度をあげてはいけない
ウーパールーパーの場合、海水ほどの濃度の塩分には耐えられません。
菌が死んでしまうような濃度の塩水では、ウーパールーパーも危なくなります。
ウーパールーパーを塩浴させる際の塩分濃度
ウーパールーパーを塩浴させる場合、0.5%程度の濃度で長期間行います。
ウーパールーパーの体液が塩分濃度0.6%程度なので、これとほとんど同じ濃度です。
ウーパールーパーは、体液の塩分濃度が高くなると水分を吸収し、低くなると水分を排出して、体内の塩分濃度を一定に保っています。
この機能を、浸透圧調整といいます。
ウーパールーパーの免疫力を高め自然治癒させることが塩浴の目的
飼育水を体液の塩分濃度に近づけることで、浸透圧調整を楽にしてやり、体力を温存させることが、塩浴の目的なのです。
この温存された体力で免疫を上げ、自力で病気を治癒させる、というわけです。
塩浴のタイミングは?
よく、食欲が落ちてしばらく様子を見ていたら(何らかの)症状が出たので塩浴させた、という話を聞きます。
先にご紹介したとおり、塩浴の目的は殺菌ではなく体力の温存と自然治癒ですので、しばらく様子を見る必要はありません。
特に、ウーパールーパーの病気は進行が早く、目で見て症状がわかるようでは手遅れ、というケースもあります。
食欲が落ちたな、と思った時点で、塩浴を実施しましょう。
ウーパールーパーの塩浴の方法
塩分濃度は0.5%
0.5%の塩分濃度になるよう、飼育水槽に塩を溶かすだけです。
塩の種類は食卓塩でもよい
使う塩は荒塩がいいといわれていますが、個人的には普通の食卓塩でも問題ないと思います。
そんなに高い塩分濃度ではないので、一度バケツなどに飼育水の一部を汲み取り、必要な塩を混ぜて戻すといいでしょう。
あとはそのまま飼育するだけです。ヒーターを使い、水温を少しだけ上げておくのも効果があります。
期間
塩浴する期間ですが、私は特に定めていません。
もちろん、病気が治っていることが大前提ですが、食欲不振で塩浴した場合、病気が治ったかどうかも分かりにくいものです。
そこで、元通りに餌を食べるようになったかどうか、を判断基準にしています。
ちゃんと餌を食べるようになったら、水換えのたびに淡水をいれ、徐々に塩分濃度を下げていきます。
塩浴期間をはっきりと定め、期間が終了したら全換水、ということをすると、水質変化でウーパールーパーの体力を奪ってしまいます。
ウーパールーパーの塩浴のやり方【まとめ】
ウーパールーパーの病気の治療にはこれといった定石があるわけではありません。
塩浴の考え方や方法も人それぞれなので、あまり経験のない方は戸惑うと思います。
ただ、ウーパールーパーは表皮が魚よりも薄く、水質の影響を受けやすい生き物です。
殺菌されるような塩分濃度ではウーパールーパーにも少なからずダメージがあるということを覚えておきましょう。