爬虫類・両生類の飼育というと、特殊な趣味のイメージがありますが、その中でも世間一般でとても馴染みのある生き物がいます。
*画像はイメージです。画像と本文と直接の関係はありません。
そのひとつが、ウーパールーパーです。
ウーパールーパーって何類なの?と疑問に思われる方もいるかもしれませんが、ウーパールーパーは両生類です。
最初のブームから数十年が経過した今も、水中の癒しキャラとして安定した人気を誇っています。
見るからによく分からない生き物ですが、ウーパールーパーはカエルやイモリと同じ両生類の仲間です。
また、ウーパールーパーは正式名称ではなく、「メキシコサンショウウオ」または「メキシコサラマンダー」が正しい名前です。
そして、意外に思われる位、ウーパールーパーは寿命が長い生き物でもあります。
今回は、そんなウーパールーパーの基本情報をお伝えします。
Contents
ウーパールーパーは何類なの?
ウーパールーパーは何類なのか疑問に思われる方もいるのではないでしょうか?
トカゲやイモリなど爬虫類に近い気はするけど水の中で生活するイメージはないし、かといって魚類のように魚の仲間としてもちょっと違う気がする・・・。
はい。
実は、ウーパールーパーは両生類という分類になります。
カエルやイモリの仲間が両生類の代表です。
よく爬虫類と並べて語られますが、実際には爬虫類よりも魚に近い生き物だと考えられています。
その両生類の中でも、カエルは尾がないので「無尾類」、イモリやサラマンダーは尾があるので「有尾類」と分けられています。
さらには足がない「無足類」もいますが、今回のテーマであるウーパールーパーは有尾類、つまりイモリやサラマンダーの仲間です。
ウーパールーパーの平均寿命は?
癒しのペットとして人気のウーパールーパーですが、意外にも長寿な生き物だということを知っていますか?
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飼育下では、平均すると8年程度、長いものでは20年近く生きる個体もいます。
もともと代謝が低い生き物なので、その分寿命も長くなる、と考えられています。一方、数年で死んでしまった、という話もよく聞きます。
長寿の秘訣はずばり、食事です。
今回は、ウーパールーパーの寿命と長生きの秘訣についてご紹介します。
先に述べた通り、ウーパールーパーは本来、長生きする生き物です。
平均して7~8年程度は生きるとされています。
もともと、両生類の中でもウーパールーパーを含むイモリ・サンショウウオの仲間は長寿のものが多く、日本在来のアカハライモリなども大きさの割に長生きします。
オオサンショウウオなど大型種では100年生きるとまでいわれているほどです。
100年ではないにしても、ウーパールーパーも大切に飼えば、10年くらい付き合うことのできるペットだといえます。
ウーパールーパーは飼育下での寿命は短い?
一方で、「せっかくウーパールーパーを飼い始めたのにすぐに死んでしまった」という声もよく聞かれます。
ときどき、自然環境なら長生きするけど飼育すると早死にする、といった意見もみられますが、そうではありません。
基本的には、外敵や環境変化にさらされる自然環境よりも、安定した環境で外敵もいない飼育環境のほうが長生きします。
野外では寿命を調べにくい、という事情もあるものの、長寿記録は飼育個体のものがほとんどです。
ただし、適切な飼育環境でないと、確かに寿命を全うすることはできません。
たとえ数年間は元気に過ごしているように見えても、適した飼育環境でないと徐々にストレスが蓄積し、体調を崩して死んでしまいます。
飼育下で早死にしている個体はたいてい、このパターンです。
ウーパールーパーを長生きさせる秘訣
では、ウーパールーパーを長生きさせるための秘訣をご紹介します。
まずは、適切な飼育環境で飼うことです。
水温は低めにし、きれいな水で飼いましょう。
特に注意が必要なのは夏場です。
高水温では水が傷みやすく、酸欠にもなりやすくなってしまいます。
できればエアコンを効かせた部屋で、フィルターやエアレーションを使って飼育しましょう。
また、長生きさせたいのなら単独飼育しましょう。
複数で飼育するとどうしても、ケンカして傷つけあってしまい、余計なエネルギーを使ってしまいます。
一匹だけでのんびり暮らせるようにしたほうが長生きします。
そのうえで、一番大事な秘訣があります。それは、粗食です。
もちろん成長期にはどんどん食べさせるべきですが、ある程度大きくなったら餌は数日に一度、数分で食べつくす量にしましょう。
おそらく、飼育下のウーパールーパーが早死にしてしまう最大の原因は食べさせすぎによる肥満です。
本来はそんなにたくさんの餌に恵まれた環境には住んでいないので、毎日満腹にさせる必要はないのです。
いつ見ても餌を欲しがるくらいがちょうどいいので、餌のあげすぎに注意しましょう。
ウーパールーパーは絶滅危惧種!?
ウーパールーパーは爬虫類ショップはもちろん、熱帯魚ショップ、デパート、ホームセンターなど、あらゆる場所で販売されているペットです。それでは、野生のウーパールーパーを見たことはありますか?
実は、ウーパールーパーの原産地はメキシコのごく一部、標高の高い冷涼な場所の湖にしか生息していません。
環境変化の影響で個体数が減っており、国際的に絶滅危惧種として保護され、野生個体が流通することはまずないのです。
ただし、飼育も繁殖も簡単なので人の手でたくさん殖やされ、ペットとして販売されています。
ウーパールーパーには別名がある!?
実は、「ウーパールーパー」は日本人が考えた造語です。
由来はよくわかっていませんが、よく売れそうな商品名として考案された名前のようです。
そのため、ウーパールーパーという名前が通用するのは日本人だけです。
現地の言葉では「アホロートル」と呼ばれています。
由来は古代アステカの言葉で「水遊び」という意味のようです。
日本人にはあまり聞こえがよくないのでなじみがありませんが、「水遊び」といわれるとウーパールーパーにぴったりですね。
生物としての正式名称は「メキシコサンショウウオ」または「メキシコサラマンダー」です。
日本語での正式名称(標準和名)は「メキシコサンショウウオ」となります。
ちなみに本来、イモリやサンショウウオは卵から孵化したあと、体の外にエラが飛び出した魚のような形態で過ごし、やがて足が生えてウーパールーパーのような姿になり、徐々にエラが消えて成体になります。
ウーパールーパーは、この成長過程で形態変化が止まり、幼体の形のまま成熟した状態です。
この現象を、ネオテニーと呼びます。
つまり、ウーパールーパーの正体は「メキシコサンショウウオのネオテニー個体」ということになります。
ウーパールーパーを飼育していて、水深を浅くするなどある条件を満たすと、形態変化が起きて普通のサラマンダーになってしまうこともあります。
ウーパールーパーは何類なの?【まとめ】
ウーパールーパーが何類かとの疑問については両生類で、本来はメキシコのごく一部にしか生息していない絶滅危惧種、そして正式名称はメキシコサラマンダー、という情報は、ウーパールーパーを飼育する上では大した役に立たないかもしれません。
しかし、自分が飼っている生き物について、ちゃんとした知識を知っておくことは大切です。
もしウーパールーパーを飼育していたり、これから飼育しようとしているのなら、この記事でご紹介したことくらいは知っておいて損はないでしょう。
ウーパールーパーを長生きさせる秘訣は、次の3つです。
・単独飼育
・粗食
まずは、ウーパールーパーが快適に暮らせる環境を用意しましょう。ポイントは温度と清潔さです。
また、長く飼いたいのなら単独でじっくり育てましょう。
そして、ある程度大きくなったら餌の量を控えましょう。
特に、あのかわいい顔で餌を欲しがっているとどうしても与えたくなってしまいますが、ぐっとこらえるようにしてください。
そうして大切に飼えば、何年も何年も、あなたのパートナーとしてずっとそばにいてくれるはずです。