その割に、痒がっている様子もないし、いつも汚いというわけでもないし、よくわからないなぁと思っている飼い主さんも多いのではないでしょうか。
*画像はイメージです。画像と本文と直接の関係はありません。
フェレットは、犬や猫よりも耳ダニが寄生しやすいと言われているのに、なかなか発見できないのはなぜなのでしょう。
そして、フェレットの耳ダニが人間にうつることはあるのでしょうか。
飼い主さんが気づける耳ダニの状態や処置の方法などについて、考えてみましょう。
Contents
フェレットの耳ダニの原因と見分け方
フェレットの耳ダニと呼ばれているものは、「ミミヒゼンダニ」を指します。
大きさ0.3ミリほどの白いダニで、フェレットの耳垢の中に白く動くものがあれば、ミミヒゼンダニが存在しているかもしれません。
ただ非常に小さいため、気づかない飼い主さんが多いようです。
どうしたら耳ダニに気づける?
多くの場合、動物病院で指摘されて気づくことが多いようです。
ワクチン接種のついでに健康診断をしてもらったら、「耳ダニがいますね」と言われてしまったりするのですね。
フェレットは、何もなくても耳が汚れやすいように思います。
私は月に一度、耳掃除をしていましたが、その度に茶色の汚れが綿棒に付きました。
外を出歩く犬とは違い、完全室内飼育のフェレットの方が、汚れ方は激しいです。
しかもフェレットの場合、耳ダニが寄生していても、ひどく痒がることがあまりないようです。
時々、寝ていたのにいきなりバタバタと起き出して耳の後ろを盛大に掻きむしった後で、何事もなかったかのようにまた眠ることがありますが、これは耳ダニというより、フェレットの習性に近い行動ではないかと思います。
もし飼い主さんが気づけるとしたら、耳垢が、茶色ではなく、真っ黒になっていることが一つの目安になるでしょう。
耳ダニが寄生すると、耳垢が真っ黒で、明らかに量も増えます。
臭いもきつくなります。
フェレットは臭腺を取っていても、独特の匂いがする動物ですが、それとは違う臭いを耳から感じたら、例えフェレットが元気で変わりなく過ごしていても、獣医さんに診てもらうことをおすすめします。
悪化すると、内耳炎や外耳炎、最悪の場合は耳垢が鼓膜を圧迫し、破裂してしまう恐れもありますので、早めの処置が望ましいと言えます。
耳ダニが寄生する原因について
耳ダニ(ミミヒゼンダニ)は、通常カーペットなどに発生するダニとは種類が異なりますが、以下のような原因で寄生し、繁殖してしまいます。
・耳ダニが寄生している動物に触れたことで人間にうつり、その耳ダニがフェレットに寄生した
・新しく迎えたフェレットが耳ダニを持っていて、先住のフェレットにうつった
どんなに清潔感を大切にしているお店でも、耳ダニの寄生はなかなか防げないと言われています。
また、お店やオフ会、近所の犬猫と触れ合うことで、人間が媒介してフェレットにうつることもあるようです。
フェレットのオフ会は私も何度も参加しましたが、正直なところ、あの場所に参加して、「お宅、耳ダニは大丈夫ですよね?」なんて、失礼過ぎて聞けません。
そして、聞かれたところで、相手の飼い主さんも気づいていないことが多いので、ただ気まずい空気が流れるだけだと思います。
自分のフェレットを守るために、オフ会に参加しないというのも一つの方法ではありますが、オフ会ってすごく楽しいものです。
耳ダニの寄生を怖がって行動範囲を狭めるよりも、フェレットのケアに力を入れて、大きな気持ちで参加した方が、飼い主さんもフェレットも幸せではないかと思います。
フェレットの耳ダニは自然治癒するの?人間にうつる?
耳ダニは、放置して自然治癒するものではありません。
また、人間にうつることもあります。
ただし、人間の場合は、うつってもそれほど重い症状は出ないようです。
人間に関しては一時的に耳垢が増えたり、痒みが出たりするものの、やがて治まるので心配はないでしょう。
フェレットについては、処置が必要です。
先ほどもお話ししたように、悪化すれば最悪の場合、鼓膜が破裂してしまう可能性があります。
きちんと処置すれば耳ダニを駆除できますので、耳に異常を感じたら、早めに動物病院で診てもらってくださいね。
なぜ「フェレットの耳ダニは自然治癒する」と、書かれていることがあるのか
色々なフェレットのサイトを覗いていると、「耳ダニは自然治癒する」と、書かれた記事を見ることがあります。
耳ダニは、フェレットの耳垢やフケなどを餌にするため、普通に考えると寄生している状態で死滅するとは考えてられません。
では、なぜ、自然治癒すると言われるのでしょう。
これはあくまで私の個人的な意見なのですが、春先から年末まで、フェレットはフィラリア対策として、「レボリューション」という予防薬を身体に塗布する飼い主さんが多いと思います。
後の「処置」で詳しくお話ししますが、このレボリューションが、耳ダニの駆除に一役買っていることで、飼い主さん自身も気づかないところで、耳ダニの処置ができているのではないかと思います。
意図せず耳ダニがいなくなることで、「自然治癒」という結果に至るのではないでしょうか。
耳ダニの処置にレボリューションは有効?
フェレットも、4月頃から12月の末まで、フィラリア予防が必要となります。
この時に、動物病院で「レボリューション」を処方されることも多いのではないでしょうか。
「レボリューション」とは、スポット製剤と呼ばれるフィラリアの予防薬で、首筋などに垂らして使うものになります。
この薬は、実は耳ダニであるミミヒゼンダニにも効果があります。
ただし、ミミヒゼンダニの卵には効果がないため、周期的にレボリューションを使う必要があります。
詳しい使い方については、必ず獣医さんの診断と指示の下で行ってください。
本来の目的であるフィラリア予防薬として使用する場合も同様です。
時々、安く買えるから、と仲間内で大量に購入して個人の判断で使用するケースがありますが、万が一フェレットの身体にフィラリアが寄生していたら、逆効果になることもあります。
フェレットの健康診断も兼ねて、獣医さんに診てもらった上で使うようにしたいですね。
耳掃除はした方が良いの?
フェレットの耳はとてもデリケートです。
というより、犬も猫も、耳の中は傷つきやすくできています。
そのため、「あまり耳掃除はおすすめしない」という獣医さんがいらっしゃるのも事実です。
でも私は、「汚れたかなぁ」と思ったら耳掃除をしていました。
2、3週間に一度ほどのペースだったと思いますが、それでトラブルは一度も起きていません。
余談になりますが、うちの犬は週に一度、耳掃除をしています。
外耳炎を患った状態で我が家に来たため、獣医さんからは初めのうちは週に2、3回は耳掃除しましょうと言われたほどです。
このように、獣医さんから指示があれば、フェレットの耳掃除もそれにならって行うのが良いと思います。
フェレットの耳掃除って、けっこう大変ですよね。
私は1人でやっていたので、フェレットの首の後ろを右手で持ち、左手で耳の中にクリーナーの液を垂らしていましたが、その時点でフェレットはお尻をブルンブルン回して大騒ぎです。
チビなのに、勢いがあるから、油断すると落としてしまいます。
何とかこらえて耳を揉んで液を耳の中に浸透させて耳垢を浮かせて、やっと掃除の始まりです。
しかし綿棒を入れると、また大騒ぎ。
フェレットの耳はとても小さいので、赤ちゃん用の綿棒を使っていましたが、赤ちゃん用の綿棒は細いから、少し力を入れただけで痛かったのかな、とも思います。
フェレットも人間も意外に疲弊する作業になりますので、週に一度ではなくて良いと思います。
もちろん外耳炎などの処置のために必要と言われれば、指示に従う必要がありますが、耳ダニ予防としては、2、3週間に一度くらいで十分ではないでしょうか。
フェレットの耳ダニは人間にうつる?【まとめ】
・耳ダニはお店で既に感染している場合もある
・耳ダニが寄生した動物との接触でもうつる
・人間が耳ダニの媒介者になることもある
・フェレットから人間に耳ダニがうつることもあるが症状は軽症
・処置はフィラリア予防薬「レボリューション」も効果的
・適度な耳掃除は耳ダニ予防になる
フェレットの耳ダニは発見するのが少し難しく、耳ダニが寄生した場合の処置も終わるまでに少し辛抱強く行う必要があります。
他の家のフェレットと関わることでうつることもあります。
でも、あまり神経質になって、「箱入りフェレット」として、誰とも接触させないとか、新しいフェレットはお迎えしないとか、そんな風に考えたらもったいないです!
フェレ友はいざという時の心強い仲間です。
新しいフェレットも、あなたのことをきっと待っています。
実際に、フェレットの飼い主は大らかな人がとても多いです。
「どうにかなるさ!」と、フェレット同様に前向きで楽天的です。
あなたも、そんなフェレ友のメンバーとして、ゆったりとフェレットとの生活を楽しんでくださいね。