赤や白に比べると繊細な印象のある色だけに、シングルモルフでもコンボモルフでも独特の魅力があります。
その中でもバターは、黄色系の基礎ともいえるモルフです。
*画像はイメージです。画像と本文と直接の関係はありません。
もともと黄色を強める働きのあるキャラメルというモルフに、黒い色素のないアメラニスティックを掛け合わせることで作出されます。
このバターを軸に、黄色を地色とする多くのモルフが作られています。
今回は、このバターについてご紹介します。
コーンスネークのバターはこんなモルフ
以前、キャラメルというモルフについてご紹介しました。
キャラメルは、遺伝的にはいわゆるザンティックで、青い色を消し、黄色を強める遺伝形質です。
コーンスネークの場合、もともと青い色はないので、黄色が強調される方向に現われます。
その結果、地色が黄色でブロッチが茶色という、キャラメル色そのものであるキャラメルが誕生したのです。
そのキャラメルに、黒い色素を消すアメラニスティックを掛けると、茶色の黒い部分すら消えてしまいます。それが、バターというモルフです。
つまり、バターはキャラメルのアルビノ、ということになります。
見た目の特徴としては、地色は薄い黄色で、ブロッチがやや濃い黄色となり、頭部に近い部分は地色の黄色が強く出ています。特に頭の部分など、まさにバター色です。
目の部分にはアメラニの特徴を残しており、赤い目になっています。
コンボモルフだということもあり、販売価格は15000~25000円くらいとやや高価ですが、それだけの価値のあるモルフといえます。
というのも、バターを使って模様に変異を起こすモルフと掛け合わせたり、他の色と混ぜたり、可能性が大きく広がるのです。
バターを使ってオリジナルモルフを作りたいのに、キャラメルから自分でバターを作っていては大変です。
この価格は、バターがこれ以上いじりようのない完成形ではないからこその価格といえます。
バターから広がる可能性
バターのもつ形質は発現しやすいらしく、模様系の変異モルフはすべて黄色になります。
モトレーと掛け合わせればバターモトレー、ストライプと掛け合わせればバターストライプです。
さらに、ストライプの中にはほとんど模様が消えてしまうバニッシングストライプもおり、バニッシングストライプとバターを掛け合わせれば全身クリームイエローのヘビが完成します。
最近では、「第三のアネリスティック」といわれるシンダーとバターを掛け、バターミントというモルフが作られています。
シンダーは明るい色になるアネリスティックで、アネリスティックの基本作用である「赤い色素を消す」作用が働きます。
バターの強い黄色から赤系が抜けることで優しい黄色になり、シンダーの上品なグレーが加わります。
バターミントはわりと新しいモルフで、ダブルコンボであるバター、レアモルフであるシンダーを使っているトリプルコンボであることから、まだまだ珍しく高価なモルフです。
バターは手に入る?
これだけの可能性を秘めたモルフですから、黄色いコーンスネークが欲しい人はもちろん、ブリーダーさんからも人気があります。
キャラメルにアメラニスティックを掛ければ作れるし、特に育て方の難しいモルフでもありませんが、そう簡単に手に入るモルフではありません。
バターがほしい人は、見つけたら買うくらいのつもりでいるといいでしょう。
また、バターを使ったコンボモルフは、作ったブリーダーさんがイベントに並べて様子を見ていることもあります。
バターコンボが並べられていないか、イベントでチェックするといいでしょう。
コーンスネークのバター【まとめ】
黄色いヘビがほしい人はもちろん、自分で新しいコンボモルフを作ってみたい人にとっても、バターは価値の高いモルフといえます。
ぜひ、お店やイベントで実物を見てくださいね。