テッセラはそんなモルフのひとつで、コーンスネークらしいブロッチ模様が消え、背中に通った2本のストライプと、両サイドに入る規則的なモザイク模様が特徴のモルフです。
*画像はイメージです。画像と本文と直接の関係はありません。
幾何学的な美しさをもつモルフで、ノーマルでもじゅうぶん特徴的なのですが、優性遺伝するためカラーモルフと組み合わせるとおもしろいコンボモルフができます。
今回は、そんなコーンスネーク・テッセラについてご紹介します。
テッセラってどんなモルフ?
「テッセラ」とは、「はめ石」を意味する言葉です。テッセラの独特の模様を表現するのに、なかなかいい言葉だと思います。
冒頭で述べたとおり、背中の2本のストライプと、側面のモザイク模様がポイントで、整然とした中にも崩れたような、不思議な雰囲気をもっています。
もはやノーマルの模様をまったく残していないので、ぱっと見ではコーンスネークとはわからないくらいです。
販売価格は2~3万円程度で、シングルモルフの中でも「知る人ぞ知る」という感じで人気の高いモルフです。その理由は、テッセラのもつ独特の模様が「共優性遺伝」であるからです。
コーンスネークでは珍しい「共優性遺伝」
コーンスネークのモルフのほとんどは、実は「劣性遺伝」です。アネリスティックを例にしましょう。
ノーマルとアネリスティックを掛け合わせたとき、生まれてくる子どもの50パーセントがアネリスティック、残りがノーマルになるのなら、アネリスティックは「優性遺伝」です。
生まれてくる子どもは見た目がすべてノーマルだけど、それ同士を掛け合わせるとアネリスティックが生まれてくるのなら、「劣性遺伝」となります。
このとき、ノーマル×アネリスティックで生まれた見た目がノーマルの子どもは「ヘテロ」アネリスティックと呼ばれます。
実際には、アネリスティックに限らずコーンスネークのモルフのほとんどは劣性遺伝です。
ところが、テッセラは「優性遺伝」であることが分かっています。
簡単に言えば、掛け合わせたときに特徴が出やすいモルフだということです。
しかも、ストライプやモトレーとは「複対立遺伝」の関係にあることがわかっています。
これもごく簡単にいえば、掛け合わせたときに双方の特徴を表現する、ということです。
共優性遺伝とは
さらに、テッセラは単なる優性遺伝ではなく「共優性遺伝」です。
共優性遺伝とは、それ同士を掛け合わせたときに元の個体とは異なる表現の個体が生まれることで、その個体のことを「スーパー体」と呼びます。
テッセラの場合、スーパー体になると背中のストライプが崩れず完璧なものになるようです。
この、複対立遺伝と共優性遺伝はあらかじめ分かっているものではなく、膨大な組合せと繰り返しの中から「どうやらそうらしい」という形で判明するものです。
コーンスネーク、特にモルフに詳しくない方からすると、正直いって意味不明な状態だと思うのですが、要するにテッセラには「未知の可能性がたくさん眠っている」ということです。
複対立する相手の遺伝子がまだあるかもしれないし、スーパー体でコンボモルフを作ればテッセラのコンボとは違った表現が出るかもしれません。
基本的には、模様を崩す方向に作用するモルフなので、そのあたりを意識して掛け合わせるといいでしょう。
個人的に私がおもしろいと思ったのは、ブラッドレッドと掛け合わせたブラッドレッドテッセラです。
ブラッドレッドには模様を隠して均一な色にする作用があります。
これとテッセラを掛け合わせたら、テッセラのもつ特徴的な模様が消されるのではないか、と思っていたのですが、大き目のモザイクを少し崩してつなげたような、なんとも不思議な模様が発現していたのです。
こういう予測できない結果を生むのが、テッセラのおもしろさなのです。
コーンスネーク・テッセラとは?【まとめ】
テッセラは、コーンスネークとしてはかなり珍しい「共優性遺伝」するモルフで、模様に特徴があります。
テッセラ自体がもつ模様の魅力もありますが、コンボモルフを作るときの切り札として、多くのブリーダーが狙っています。
どちらかといえば、玄人好みのモルフといえますね。