では、本来のコーンスネークの姿は思い浮かべられますか?
正式名称を「レッドコーンスネーク」というくらいで、ベースカラーは赤で、ブロッチ模様が規則的に並びます。基本的にはもっとも安価でもっとも見かける機会の多いモルフで、即売イベントならベビーが5000円台で販売されていることもあります。
*画像はイメージです。画像と本文と直接の関係はありません。
モルフにこだわらず、「コーンスネークというヘビを飼ってみたい」という方なら、真っ先に候補に上がるモルフでしょう。
今回は、コーンスネーク・ノーマルについてご紹介します。
コーンスネークのノーマルとは?
今更なのですが、本来「モルフ」とは何らかの改良を行った品種を指す言葉なので、ノーマルをモルフとは呼ばないような気がします。
ここでは、野生個体と同じような色彩と模様をもつものをノーマルとして扱いましょう。
本来のコーンスネークであるノーマルは、地色が明るいオレンジ、濃い赤のブロッチ模様が規則的に並び、そのブロッチ模様のひとつひとつが黒く縁取られています。
コーンスネークには様々なモルフがありますが、モルフ同士を掛けあわせても、必ずそのモルフの子が生まれるわけではありません。たとえば、スノーとスノーを掛けあわせても、生まれる子がすべてスノーとは限らないのです。
特に、「劣性遺伝」といわれる遺伝子で発現するモルフの場合、生まれる子のほとんどはノーマルと変わらないことがあります。
ブリーダーさんの場合、自分が狙ったモルフを作り出すために、こうしたノーマルを何匹も抱えなければいけなくなります。
そういうわけにはいかないので、ブリーダーの元からノーマルが放出され、ショップやイベントで並ぶわけです。
そのため、ノーマルは常にたくさん供給されていて、安価に販売されています。
ただし、両親の血統がハッキリしている場合、見た目はノーマルでも、その子の子どもをとれば両親由来のモルフが出る可能性があります。
そういうのを「ヘテロ(het)」と呼び、ノーマルとは分けて扱われます。
「ワイルド」と「ノーマル」の違い
あまり見かけることはありませんが、「ワイルド」というのが売られていることもあります。
野生個体と変わらないのがノーマルのはずですが、ワイルドとは何が違うのでしょう。
最近になって時折見かけるようになりましたが、ワイルドは文字通り、野生採集個体をベースにした個体です。
数々のモルフが当たり前のように流通するようになったからこそ、原点回帰のように野生のコーンスネークにこだわるブリーダーさんが守っている血統です。
同じような流れはヒョウモントカゲモドキでも見られます。
多くの場合、単なるワイルドではなく、産地などまで表記され、その細分化されたカテゴリーの中で血統維持されています。
もともと、コーンスネークにはオケッティやマイアミのように、モルフのように扱われている地域変異がありますが、あえて「ワイルド」として系統維持されているコーンスネークはさらに細かく分類しています。
そうしたブリーダーさんこだわりの逸品とも言うべき個体がワイルドです。
そのため、価格帯は15000円くらいと、ノーマルより高めに設定されています。
見た目がノーマルと変わらないのに価格が高いのはそのためです。
私はノーマルが、というよりワイルドが好きなのでこうした個体に出会うとワクワクしますが、興味のない人にとっては単なる高いノーマルです。素直に好きだと思える人が買うべき個体でしょう。
コーンスネークのモルフの原点のノーマル【まとめ】
ノーマルといっても、他のモルフを殖やそうとした結果生じるノーマルもいれば、産地にこだわって系統維持されているワイルド個体もいます。
価格の安いノーマルであっても、モルフでないというだけで、その個体の価値が低いわけではありません。ノーマルだから、モルフだからと決め付けず、自分の好きな個体を見つけて飼うのが一番です。