そのひとつが、キャンディケインです。
キャンディケインはスティック状のクリスマス飾りのことで、赤と白のコントラストがとてもポップです。
そのクリスマス飾りと同じくらいポップな色彩のモルフで、日本でも割と人気があります。
ただ、クオリティの差が大きく、自分が納得できる個体に出会うのが難しいモルフでもあります。
今回は、キャンディケインについてご紹介します。
コーンスネークの「キャンディケイン」は手に入る?
キャンディケインは比較的古くから知られたモルフで、日本でも安定した人気を誇っています。
ショップで見かける機会も少なくはない、といった印象で、「キャンディケインが入荷しました!」というお知らせもときどき目にします。
人気のモルフなので価格はやや高めですが、販売価格は1万円台~3万円以上と、かなり開きがあります。これは、キャンディケインの中でもクオリティの差が大きいためです。
キャンディケインはどんなモルフ?
野生のコーンスネークにはもともと、いくつかの地域変異があります。
同じコーンスネークでも、産地によって色や模様が少し違うものがいる、ということです。
そのうちのひとつが「マイアミフェイズ」という地域変異で、ノーマルよりも地色が明るく、メリハリの効いた体色をしています。
このマイアミフェイズの「アメラニスティック(黒い色素の欠乏)」が、キャンディケインです。
元の個体がノーマルの場合は「アメラニスティック」や「アメラニ」と呼ばれますので、いわゆるアメラニの中で元の個体がマイアミフェイズのものをキャンディケインと呼ぶ、と考えればいいでしょう。
もともとメリハリのある体色が特徴のマイアミフェイズから黒い色素が抜けたことで、赤と白のコントラストが美しい、まさに飾り物のキャンディケインのようなヘビとなっています。
ややこしい?キャンディケインの世界
さて、ここからがややこしいのですが、キャンディケインを作出しようとした場合、マイアミフェイズとアメラニを掛け合わせれば簡単にキャンディケインが作り出せるように思えます。
ところが、アメラニという名前で売られているのは「ノーマル個体のアメラニ変異」であって、マイアミフェイズではありません。マイアミフェイズとアメラニを掛け合わせると、ある程度の確率でノーマルの血が混ざってしまうのです。
こうして、マイアミフェイズのアメラニ変異であるキャンディケインと、普通のアメラニの境界があいまいになってしまいます。
真のキャンディケインを作り出そうとすると、マイアミフェイズのペアを掛け合わせてアメラニ変異が起こるのを待つしかありません。
マイアミフェイズがやや手に入りにくいモルフであることもあって、マイアミフェイズ×アメラニで作られた個体がすべてキャンディケインとして販売されることも多いのが実情です。
同じ組合せで生まれた個体であっても、ほとんどただのアメラニのような個体から、キャンディケインの名にふさわしい個体まで、クオリティに差のある個体が生じてしまうのです。
これが、キャンディケインの価格に幅がある理由です。
価格差が生じるほど個体の特徴が分かればまだいいのですが、キャンディケインのベビーはノーマルのアメラニと区別がつかないことも多く、混乱に拍車を掛けています。
完成度が高く美しいキャンディケインは、狙って探してもなかなか見付からず、価格も高価です。
コーンスネークのキャンディケインとは?【まとめ】
本当に納得のいくキャンディケインを手に入れるのなら、信頼できる個人ブリーダーから買うか、自分でマイアミフェイズから作り出すしかありません。
幸い、繁殖の簡単なヘビなので、自分で満足できるレベルのキャンディケイン作りに挑戦する、という楽しみ方もアリかもしれませんね。