日々新しいモルフ(品種)が作出されていますが、最近大きな話題になったモルフがあります。それが、ブラックナイトです。
*画像はイメージです。画像と本文と直接の関係はありません。
ハイクオリティな個体なら、文字通り漆黒に育ちます。人気の高さに反して希少性が高く、見かける機会も少ないブラックナイトについてご紹介します。
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黒いヒョウモントカゲモドキはいなかった
ちょっと意外かもしれませんが、これまで数多く作り出されてきたヒョウモントカゲモドキのモルフに、漆黒となるものはありませんでした。
そもそも、ヒョウモントカゲモドキの品種改良の発端は「ハイポタンジェリン」という黒いスポットがほとんどない、黄色~オレンジ色のモルフが作り出されたことです。
ハイポタンジェリンの登場によりヒョウモントカゲモドキがペットとして人気になり、今日まで多くのモルフが作り出されてきました。
アルビノ系やスノー系のように白を追求するモルフや、バンディットのようにパターンを楽しむモルフ、さらにはスネークアイやソリッドアイのように目の変異まで作り出されましたが、全身を黒くするよう改良されたモルフはいなかったのです。
ブラックナイト登場まで、比較的「黒っぽい」とされていたのが、メラニスティック系のモルフです。
メラニスティックは、黒い色素を増やす遺伝形質のことで、メラニスティックの血をもつモルフは当然、黒っぽくなります。
本来、メラニスティックは「黒化型」という意味を持ちますので、完全な黒でなければメラニスティックとは呼ばないのですが、実際に流通していたモルフはあくまでも黒っぽい色彩でした。
これまでに作出された黒いモルフとしては、チャコールやブラックパンサーが有名です。
これらは今も、黒をより強くするための研究が続けられています。
ヒョウモントカゲモドキのブラックナイト、登場
ブラックナイトが注目を集めた最大の理由は、なんといってもその黒さです。
ちょっと黒いスポットが多い、などというレベルではなく、まさに漆黒のヒョウモントカゲモドキといえます。
少なくとも、現時点では野生のトカゲモドキ属でも漆黒の種は見つかっていないので、ペット界にのみ存在する、といっても過言ではありません。
ブラックナイトを作るプロジェクトは10年前から始まっていた
「漆黒のヒョウモントカゲモドキを作る」というプロジェクトは、海外で10年ほど前から始まっていました。
それが、ブラックナイトというひとつの完成形に至り、日本に入荷したのは2017年のことです。
希少性の高さもあり、まだまだ謎の多いモルフといえます。
新しいモルフの常で、クオリティも安定しているとはいえません。
遺伝的な検証が進んでいないので、その個体が今もっている色彩でクオリティが判断され、販売価格も分かれています。
専門店でブラックナイトを注文し、入荷した個体が思っていたクオリティではなかった…ということも考えられます。
ブラックナイトの価格相場
ただ、クオリティの高くない個体であっても総じて高価なモルフであることに違いはなく、相場は20~50万円ほどになります。
高額とされるほかのモルフと比べると、たとえばタンジェリンブラッドが10万円前後、ユニバースが5万円前後、人気モルフのスーパーマックスノーで2~3万円くらいですから、ブラックナイトはまだまだずば抜けて高価なモルフといえるでしょう。
少なくとも日本に入荷してからまだ数年しか経っていない最新モルフであること、流通量が少なく希少性が高いこと、非常に人気が高いことなどを考えると、しばらくの間は価格が下がることはなさそうです。
ヒョウモントカゲモドキのブラックナイト【まとめ】
ペットとして長い歴史をもち、ある意味で「出尽くした」感まであったヒョウモントカゲモドキですが、ブラックナイトの登場により新しい魅力と可能性が広がりました。
おいそれと手が届く存在ではないからこそ、いつかはブラックナイトを飼ってみたいものです。