そして、一番大切な時間でもあります。
ベビーには昆虫を中心に、食べるものを食べるだけ与え、生後1年を過ぎたらバランスを考えて野菜の割合を増やします。
特に、生後3ヶ月未満のベビーでは、いかに栄養価の高い餌を回数多く与えるか、ということが重要です。
*画像はイメージです。画像と本文と直接の関係はありません。
フトアゴヒゲトカゲを健康に育てるための餌の内容とあげ方について、また餌を食べない場合の対処法を解説します。
Contents
年齢別フトアゴヒゲトカゲの餌やり 適切な量や頻度
生後1年未満のフトアゴヒゲトカゲベビーの餌やり
フトアゴヒゲトカゲは、爬虫類全体を見渡してもトップレベルの速さで成長するトカゲです。
そのため、ベビー期の餌のやり方が、その後に大きく影響します。
一方、一度に食べられる餌はそう多くはなく、食いだめができません。
結果的に、栄養価の高い餌を回数多く与える必要があります。
ベビー期は特にコオロギなどの生きた昆虫を好むので、これを食べたいだけ食べさせます。
浅いタッパーウェアにコオロギを入れて与えるようにすれば、どのくらい食べたか分かりますし、逃げ出していなくなるコオロギも少なくて済みます。
野菜は食べたいときにつまめるよう、浅い小皿に入れておきます。単食になるのを防ぐため、何種類か混ぜてきざんで与えましょう。
一度の餌の量は、少し食べ残すくらいが基準です。
これを、できるだけ何度も与えるようにします。
ベビーは一度の食事を消化するのに2時間かかるといわれていますので、2時間おきに餌を与えてもいいことになります。
社会人でも、朝起きてすぐ、出勤前、帰宅直後、夕食後、寝る前、と与えれば、1日5回の餌やりが可能です。
フトアゴヒゲトカゲが生後1年以降の餌やり
特に問題なく順調に育っていれば、生後1年ならかなりしっかりした体になっているはずです。
この頃なら、食事の幅が広がっているので、食べそうなものはなんでもあげてみましょう。
野菜もかなり好むようになっているはずです。
一度に食べられる餌の量も増えるので、餌の回数は1日2、3回でも大丈夫ですし、数日の絶食なら耐えられるようになっています。
このくらいになれば、ピンセットから餌を食べさせることもできます。
たとえば、1日絶食させてからピンセットでコオロギを見せれば、空腹に耐えかねて食べるようになります。
同じようにすれば、動かないコオロギでも食べるようになるので、冷凍コオロギや乾燥コオロギ、フトアゴヒゲトカゲ用フードが使えるようになります。
これらが使えるようになれば、飼育もぐっと楽になるはずです。
一方、果物をあげる際は注意が必要です。
甘くておいしいので、それしか食べなくなることがあります。おやつ程度にあげるようにしましょう。極端にいえば、果物をあげなくても飼育は可能です。
フトアゴヒゲトカゲが生後2年以降、アダルトサイズの餌やり
ここまで大きくなれば、特に何か気にすることはありません。
コオロギなど動物質の餌と、野菜など植物質の餌を半々くらいの割合であげるようにしましょう。
餌の回数は1日1~2回で大丈夫です。
逆に、肥満しやすくなっていくので、体型維持に注意しましょう。
あまり太らせると突然死んでしまうことがあります。
また、メスは産卵すると急激に痩せることがあります。
もともとフトアゴヒゲトカゲは卵の数が多い多産タイプのトカゲで、体の栄養分を削ってでも卵を産もうとするところがあります。
無精卵でも同じことなので、もし飼っていて突然卵を産んだら、餌の回数を増やしたり、動物質の餌を増やしたりしましょう。
カルシウムのサプリを増やすことも大切です。
フトアゴヒゲトカゲが餌を食べないこともある
爬虫類の中でも、特に飼いやすいことで人気のフトアゴヒゲトカゲ。
飼いやすい理由はいくつかあるのですが、大きな理由のひとつは「なんでも良く食べる」ことです。
ところが、せっかく飼い始めたのになかなか餌を食べず、困ってしまう方も多くいます。
フトアゴヒゲトカゲが餌を食べない主な理由は、
・そもそも食いが悪い個体を選んでしまった
・そんなに好きではないものばかり与えている
・温度が低い
・脱水症状になっている
のどれかです。
一つ一つの対処法を解説していきます。
フトアゴヒゲトカゲが餌を食べない理由
理由(1)そもそも食いが悪い個体を選んでしまった
ベビーを飼い始めたときにありがちな理由です。
よほど高価な品種でない限り、フトアゴヒゲトカゲのベビーがショップで単独飼育されることはありません。ひとつのケージに10匹くらい一緒に入っています。
すると、いじめられたりして食が落ちてしまう個体が出てきます。
また、ショップに大量に入荷したベビーにはある程度の割合で育ちにくい個体が混ざっています。
そういった個体を選んでしまったケースです。
残念ながら、もともと食いの細い、育ちにくい個体を育て上げるのは簡単ではありません。
そうならないよう、ショップで個体選びをするときに、健康な個体を選ぶようにしましょう。
選びにくいときはショップの店員さんに選んでもらうと失敗がありません。
理由(2)そんなに好きではないものばかり与えている
これも、ベビーにありがちな理由です。
基本的には雑食性のトカゲなので、なんでもよく食べます。
ただし、バランスよくなんでも食べるようになるのは生後1年目以降で、それまでは肉食・昆虫食の傾向がかなり強いトカゲです。
野菜や果物、専用フードも食べますが、生きたコオロギなどの昆虫が大好物です。どうもあまり餌を食べない、というときは、生きた虫を与えてみましょう。
特にベビーはとにかく早く成長させることが飼育のコツなので、好きなものを好きなだけ食べさせましょう。
どうしても生きた虫が苦手、という方には、フリーズドライタイプのコオロギや半生のコオロギ缶詰、冷凍コオロギなどもあります。昔から使われているミルワームやジャイアントミルワームは、消化に悪く栄養価も低いので使わないほうが無難です。
理由(3)温度が低い
これはベビーに限らず、いつでもどんな個体でも起こり得る理由です。
フトアゴヒゲトカゲは変温動物なので、温度が低いと動けなくなってしまい、食欲も落ちてしまいます。
知らない間にヒーターなどの保温器具が切れてしまい、ケージ内の温度が下がっていると、餌に対して反応しなくなってしまいます。
温度が低い状態が続くと内臓に負担がかかるので、すぐに器具を取り替えて元の温度に戻しましょう。どんなヒーターも消耗品なので、常に予備を用意しておくと安心です。
ケージ内に温度の高い場所と低い場所があり、トカゲが自分で移動して好きな温度を選べるのが理想です。温度計で計りつつトカゲの動きをよく観察して、適した温度になっているか確認しましょう。
理由(4)脱水症状になっている
実は、フトアゴヒゲトカゲは脱水症状になりやすいトカゲです。
その一番の理由は、動かない水が見えないこと。水入れに入った水を水だと認識できないのです。
これを知らずに飼っていると、脱水症状になってしまいます。
餌のコオロギや野菜、果物にも水分が含まれているため、ちゃんと日頃から餌を食べている個体は急性の脱水症状にはなりにくいのですが、徐々に水分が不足し、だんだん元気がなくなって餌を食べなくなります。
日常的に、餌を食べる様子を観察してみましょう。
フトアゴヒゲトカゲは餌をついばむように食べますが、水分不足になると舌に餌がくっつかず、取りこぼすようになります。また、口元にスポイトで水を垂らして、ゴクゴク飲むようなら要注意です。
水入れから水を飲んでいないな、と思ったら、トカゲを捕まえて水入れに入れる、というのを繰返しましょう。
少々乱暴ですが、こうすることで少しずつ水を認識できるようになります。
フトアゴヒゲトカゲの餌のやり方!【まとめ】
フトアゴヒゲトカゲを育てる場合、もっとも大切なのはベビー期で、いかに回数多く食べさせるか、がポイントになってきます。
この期間さえ順調に育てられれば、生後1年経てばかなり丈夫なトカゲになります。
この期間の餌やりに自信がなければ、最初から生後1年以降の個体を選んだほうが安心です。
フトアゴヒゲトカゲが餌を食べない場合、必ず理由があります。
もともと食いの細い個体を飼ってしまった場合はどうしようもありませんが、そうでなければ改善できることも多いものです。この記事を参考に、飼い方を見直してみてくださいね。