それでも、「飼っているフトアゴヒゲトカゲに威嚇された」というご相談を受けることがあります。
そういうときにまず確認して欲しいのは、「本当に威嚇か」ということです。
*画像はイメージです。画像と本文と直接の関係はありません。
日光浴をしているとき、表面積を増やすために下あごのヒダを思いっきり広げることがあります。
この様子を威嚇だと勘違いされることがあります。
本当に威嚇されている場合は、トカゲの嫌がる行動をしている場合がほとんどです。
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それ本当にフトアゴヒゲトカゲの威嚇?日光浴中の行動
フトアゴヒゲトカゲは特に日光浴の好きなトカゲです。
このとき、できるだけ全身で光を受け止めようとして、体を平たく伸ばし、下あごのヒダを思いっきり広げ、口が半開きになっていることがあります。
この様子を見て、威嚇されていると思われることが少なくありません。実際、この状態がフトアゴヒゲトカゲの威嚇姿勢ではあります。
何も理由がないのにトカゲが威嚇することはまずないので、少し様子を見てみましょう。
同様に、日光浴中にアームウェービングという行動を取ることがあります。
リラックスしたオスがやりがちな行動で、ゆっくりと前足を回すような動作です。
本来は繁殖期のオスがメスに見せる行動で、これも特に異常ということではありません。
個体差があり、よくアームウェービングをする個体と、ほとんどしない個体がいます。
アームウェービングをしないからといってリラックスしていないわけではないので、気にする必要はありません。
フトアゴヒゲトカゲが威嚇するのは嫌がる行動をされたとき
それでは、本当に威嚇されているのはどんなときでしょうか。
これだけペットとして普及したフトアゴヒゲトカゲですが、あくまでも野生動物に限りなく近い生き物です。
野生のフトアゴヒゲトカゲが敵に襲われる場合、もっとも多いのは空から大型の鳥に襲われるケースです。
そのため、頭上の敵に対してかなり神経質な部分があります。
また、ヘビもフトアゴヒゲトカゲの天敵です。フトアゴヒゲトカゲは目がいいので、ヘビが視界に入るときちんと認識することができます。
そのため、飼育されているフトアゴヒゲトカゲも、次のような場面が苦手です。
(2)上からつかまれる
(3)突然、目の前に手や指を出される
(4)近くにヘビのケージや、ヘビのおもちゃが置いてある
こういった、トカゲが嫌がる行動をしたり、状況を作ると、トカゲが神経質になり、ちょっとしたことで威嚇されてしまいます。
特にベビーなど若い個体は神経質になりやすく、威嚇しやすい傾向にあります。
また、メスよりもオスの方が若干、性格がきつく、威嚇しやすいかもしれません。
もしもフトアゴヒゲトカゲに威嚇されたら
では、実際に威嚇されたらどのように対応すればいいでしょうか。
まずは、威嚇された原因を取り除きましょう。先に述べた4つの場面に当てはまるようなことをしていないか、すぐに思い返します。威嚇された理由がわかったら、すぐに改善してやりましょう。
要するに、上から何かされるのが嫌いなので、できればケージは側面が開く爬虫類専用ケージを使用しましょう。
ヘビが原因の場合、ケージの配置を工夫する必要があります。
また、威嚇している個体はそれ以上刺激せず、そうっとしておいてやりましょう。
飼い主の行動に原因がある場合、その行動をやめればすぐに機嫌を直すはずです。
ヘビが原因なら、とりあえずトカゲの視界に入らない場所にヘビを移動させましょう。
特にトカゲが嫌がるようなことをしたわけではなく、ハンドリングの練習をしていて威嚇された場合、威嚇に構わずそのままハンドリングしてしまいましょう。
持ち上げてしまえば機嫌が直る個体も少なくありません。
このあたりは、トカゲの様子を見ながら飼い主が判断してやる必要があります。
威嚇すれば触られずに済む、とトカゲが覚えてしまうと厄介なので、ちゃんとトカゲに配慮したハンドリングができているのなら、威嚇されても退かない覚悟で臨みましょう。
フトアゴヒゲトカゲに威嚇された?場合の対策【まとめ】
いかがでしたか。
今回はフトアゴヒゲトカゲに威嚇された場合の対策について解説いたしました。
フトアゴヒゲトカゲに威嚇された場合、原因がはっきりしているケースがほとんどです。
これは飼い主が改善してやる必要があるので、トカゲが嫌がる行動や状況を作っていないか、よく見直してみましょう。